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★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(10)
「第3回CLTフォーラム開催」
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前号でご紹介しました「第3回CLTフォーラム」が、平成27年3月27日(金)、東京ビックサイト国際会議場にて開催されました。
国際会議場の定員はなんと1,000名!!
CLTフォーラムの参加者は第1回が150名、第2回が250名と増えてきていますが、3回目にしていきなりの1,000名。某氏のコメントでは「無謀な1,000名」とも言われましたが、事務局のがんばりと当日ビックサイトで開催されたナイス(株)様の「住まいの耐震博覧会」からの動員もあり、前回の約2倍の500名ほどのご参加をいただきました。しかし、某氏には「やはり無謀だった1,000名」と言われそうです。
中島会長の挨拶に続き、基調講演は東京大学生産技術研究所の腰原教授、行政講演は林野庁木材産業課木材製品技術室の小坂室長と国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅振興室の内田室長にご講演いただきました。CLTの木造建築物への可能性や期待をひしひしと感じるお話でした。
強度や設計方法の整備に国を挙げて取り組んでいただいており、製造する側としては、その期待に応え、決められた納期内での確かな品質の製品の製造に向けて、ますますの努力が必要だと再認識しました。
東京大学 生産技術研究所 腰原教授
基調講演
「線材と面材 CLTが生み出す新たな木
造建築」
林野庁
林政部木材産業課木材製品技術室
小坂室長
行政講演
「CLTの開発・普及に向けて」
国土交通省
住宅局住宅生産課木造住宅振興室
内田室長
行政講演
「CLT等木材利用の推進によるまちづく
り」
講演終了後、パネルディスカッションの準備に向けての休憩中に、中島会長は某放送局の取材を受けていました。何でも、某経済ドキュメンタリー番組の取材だとか・・・
そして、今回のメインイベントであるパネルディスカッション「CLTの今とこれから」がスタートしました。ご参加いただいた皆様は以下のとおりです。
コーディネーター
・五十田 博様(京都大学 生存圏研究所 教授)
パネリスト
・腰原 幹雄様(東京大学 生産技術研究所 教授)
(今回基調講演を行っていただいた方)
・小見山 陽介様(エムロード環境造形研究所)
(ロンドンで実際にCLT建築物の設計・監理を行った方)
・野出木 貴夫様(鹿島建設(株)シニアアーキテクト)
(ハウステンボスのホテルの設計を担当された方)
・三宅 辰哉様((株)日本システム設計 代表取締役)
(日本で現状でのCLT建築物の設計・監理を行っている方)
・安田 俊也様((株)山下設計プリンシパルアーキテクト)
(3年前、春日部にマッシブホルツの耐力壁を使用して建設された「東部ふれあい拠点センター」の設計責任者)
・中島 浩一郎様((一社)日本CLT協会 会長)
パネルディシカッションスタート!
6名のパネリストの方々の席が狭かったようで窮屈な感じです。
申し訳ございませんでした。
パネリストの方々からの事例発表の後、ディスカッションという流れでスタートしたのですが、発表内容の密度が濃くて各人15分程度の発表時間を要したため、予定していた90分はアッという間に過ぎてしまい、ディスカッションの時間が取れませんでした。そこで、五十田教授のご提案で「ディスカッションは、懇親会で!」と呼びかけていただき、CLTフォーラムは無事にほぼ定時で終了することができました。
私見ですが、小見山様のご発表は、実際にロンドンでCLTの共同住宅を設計された折のCLTが採用された理由、構造、設備、施工に至っての盛りだくさんの内容を滑舌の良い語り口でご説明いただき、内容として大変良かったと思いました。ただ、小見山様も時間を気にしていただきながらの説明になったので、もう少し時間があればとの感もありました。
その後、場所を移して開催された懇親会は、申し込み時や当日昼の受付時では、参加者の少なさが気になっていたのですが、五十田教授の呼びかけが効いたのか、それなりの人数の方々にご参加いただきました。事務局としても予約申し込み人数を大幅に下回ったら、会費での不足分を持ち出しとなってしまうので、ヒヤヒヤものだったと思いますが、さて・・・赤字となったのか?黒字となったか?
懇親会場の様子。
参加者も多く、良い意見交換の場になりました。
フォーラム・懇親会には、前林野庁長官 沼田様にも出席いただき、懇親会では乾杯のご発声と今後への激励のお言葉をいただきました。
※写真は沼田様と協同組合レングス代表理事中西様
住まいの耐震博覧会
CLTフォーラムと同時期に「住まいの耐震博覧会」が開催されました。
同時期開催ということもあり、フォーラムへの動員には非常に効果的でした。ありがとうございました。
この展示会は阪神淡路大震災後、地震国日本の住まいの安全性を出来る限り高めること、そしてその安全性を維持することの重要性を様々な角度からアピールすることを目標に、ナイス(株)様が主催されています。
模型を使った耐震基準の新旧の違いの紹介、耐震診断・改修についての説明、有識者による講演会や大地震の揺れを体験できる地震体験車の展示等が行われていました。
会場には、今年2月に実施した実大振動台試験体の5階建の4階5階部分が移設展示されており、来場者の方々の注目を集めました。
私も初めての参加だったのですが、建築に関わっていない一般の方にもわかりやすいように模型やイラストで説明がなされており、地震の恐ろしさと備えの大切さを理解するには、とても良い機会だと思いました。是非、皆さん参加されると良いですよ。
会場では地震体験車で震度6強までの揺れを体験できるコーナーがあり、この体験車には、免震装置も備え付けられているので、その有効性も体験できるという仕組みとなっていました。
揺れは怖いし、倒壊はしなくても家具・機材の破損なども考えられるので非常に有効なシステムだと十分認識できるのですが、多少割高となるので、導入の判断は住む人の考え方なのでしょうね・・・
さて次号では、大分県で建てられた「バス停」と「大分駅前案内所」のご紹介や、今年度、山佐木材で取り組むCLTに関する事業などのご紹介もしたいと思っています。
常務取締役技術本部長 塩﨑 征男