渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
大て借金 国ぬ火達磨め 転落らけっ
ふておっか くんぬひだいめ まくらけっ
唱 返済すち言どん そや夢ん夢
もどすちゆどん そやゆめんゆめ
有川 南北
【解説】国会はいま新年度の予算案審議が始まり、三月中に成立を目指しています。毎年の事ながら借金に相当する国債の残高は年々嵩んで今では軽く1000兆円を超えており、その返済はとても生半可な事ではありますまい。なお句の中で『火達磨め(ひだいめ)』とは『火達磨に』、『返済すち(もどすち)』とは『返済すると言うが』の意味であります。
借金どが あいよな態じゃ無 披露宴
おっかどが あいよなふじゃね ひろうえん
唱 相当な費用じゃろ 派手な御前迎
ぞぞなひよじゃろ はでなごぜんけ
津留見 酎児
【解説】鹿児島では古くから結婚式または嫁入りのことを『御前迎え』(なまって御前迎け(ごぜんむけ))と言っています。御前とは常磐御前、静御前など女性に対する敬称から言い習わされた言葉のようです。花嫁の両親にとっては精一杯の祝辞で相当な散財であったろうに、傍からは楽な暮らし向きに見られたという皮肉の効いた句です。
金な無が 借金も無して 健し夫婦
ぜんなねが おっかものして さかしみと
唱 子供等も都会で 元気ち便い
こどんもまっで げんきちたよい
多良木 学
【解説】これは平凡で幸せな家庭。金も借金も無く、日々平穏無事な健康家族を謳った羨ましい一句です。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部