渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
五体て効っち 爺は言が迷惑 大蒜ん臭
ごてきっち じはゆがめわっ ひいんかぎ
唱 側べ行た文で 臭気が鼻ね付っ
そべいたぶんで にえがはねちっ
田隈 英坊
【解説】葱、ニンニク類は古くから保健、薬用に良いと言われていますが、反対にその臭いが嫌いな人も少なくないようです。掲句の爺様は多分どちらも愛用されているのか、老人臭と併せて近寄り難い体臭を発散させているようです。
わぜ効っ目 八手蜘蛛ずい 落てっきっ
わぜきっめ やっでこっずい おてっきっ
唱 たった一吹き 蠅も蚊もコロッ
たったひとふき へもかもコロッ
有川 南北
【解説】当地の古い家の天井には、方言で言う「八手蜘蛛(やっでこっ)」が威張ったような格好で張り付いているのを時々見掛けます。別に悪さはしませんが気持ちの良いものではありません。そこで虫除け用のスプレーを一吹き吹きかけたところ、効き目抜群いちころ落ちてきたそうな。
効っち買た 健康器具は 小屋へ眠っ
きっちこた けんこうきぐは こやへねむっ
唱 二三度使こた あとは邪魔じなっ
にさんどつこた あとはまじなっ
井手上政暎
【解説】今は宣伝の時代。新聞やテレビコマーシャルなどからその気になって買ってはみたものの、すぐに飽きがきて今では家族も誰もが見向きもしない粗大ごみに格下げ。どこの家庭でもそのような経験はありましょう。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部