メールマガジン第4号>さつま郷句

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★さつま郷句作品抄   渋柿会鹿屋支部
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題:晴着(はれぎ)

青字は読み方です。小さな「っ」がポイント!

声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

一度しか    着らん晴着い    牛を売っ

いっどしか きらんはれぎい べぶをうっ

唱 売られた牛が    かった可哀相しゅし

  うられたべぶが かったぐらしゅし

山田 竜生

 

【解説】今年一月九日は成人の日。その日愛娘の晴着を整えるために、やむなく大切な家畜を手放した親。売られていったあとの畜舎に一抹の哀愁が漂っています。鹿児島では「牛」のことを「べぶ」と言います。

 

晴着じゃが    娘は外股み       裾を蹴っ

はれぎじゃが おごはそとがみ すそをけっ

唱 襟巻なんだ       肩て跳ね上げっ

  えいまっなんだ かてはねあげっ

鈴木 一泉

 

【解説】昔に比べ現代の娘さん方は活発で男勝りの外股歩きも珍しくありません。たとえ晴着でも着物の裾を蹴るような恰好で人目を気にせず闊歩している姿を良く見受けます。 

溝び転倒っ 泥染めなけた    高け晴着

どびかやっ どろぞめなけた たけはれぎい

唱 今朝が着初ん    大島紬ぐ

  けさがきぞめん おおしまつむぐ

塚田 黒柱

 

【解説】「溝び」の「び」は「どぶに」という意味で、倒れる・ひっくりかえることを「かやっ」と言います。泥水に汚れて高価な大島紬を泥染めしてしまい、あとの手入れが大変だと詠んでいます。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川様にいただきました。