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★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(32)
「退院から1ヶ月、CLT実証事業によるプロジェクト始動」
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退院から1カ月
先月号の自虐ネタに書きましたように、2月1日に退院し、病院外来・通院リハビリを続けながら、職場にも徐々に復帰。2月15日には退院後、初の出張(東京へ社内数名で)、2月27日には一人で東京へ。
そして今週は、大阪~福井~東京へ。来週は 山口~福岡。再来週は北海道へ、とお座敷がかかっております。社内には、「退院したてで大丈夫?」と心配をおかけしていますがね(笑)
今月の自虐ネタ
退院後は、杖のお世話になっていました。
退院直後は、症状のめまいもあったのですが、1番の理由は筋力の衰え。約1カ月半寝て暮らすと筋力が衰えます。特に脚! ふんばれません!
リハビリ・回復により2月中旬には無くても普段の生活には、不便はなくなったのですが、今も出張には持参しています。
脚力の衰えで都会の電車移動が疲れます。杖を持っていると「優先席」に座っていても、後ろめたさというか、堂々と座れます(笑)
本題にもどって、僕的には良きアドバイザーである方からも、「他に迷惑をかけなければ、通常の社会生活が一番のリハビリ」と言っていただき、「よし 頑張るぞ」といろいろ挑戦しています。
既に通勤や出張時には空港までを朝・夜問題なく運転移動していますしね。
今日(3月3日) 通院リハビリだったのですが、それも今日で卒業!
後は月1回程度の外来通院(薬入手とMRI検査のため)のみとなりました。
こんな調子が、現状です。お座敷かかったら、どこでもいつでも行けるようになりました。
お声掛け、宜しくお願いいたします。
今年度補正 CLT 実証事業
春に続いて、28年度補正予算による「平成28年度補正 CLT建築物等普及促進 実証的建築支援事業」が全14件採択され、すでに協議会運営・活動がスタートしています.
私自身又は、当社もこの内、6つの協議会等のメンバーとなり、今年度着手⇒来年度建設に向けて、作業を開始しています。
今年のCLT実証事業を昨年度以前と比べて思う事として、CLTの使い方が上手く、ただ箱の建物としてではなく、デザイン性が高く、また規模も大きなものが見受けられます。カナダで建設中の18階建には、後もう少しですが、現在の日本の構造・防耐火の法律においても、ここまで出来るんだ!という規模のものも見受けられました。
既に実証事業での申請・発表や元請け業者さんも決まり、まもなく着工予定のものもあるので、少しだけ知っている情報をご紹介しますと・・・
表の1として書かれているのは、仙台市泉区に計画されてぃる10階建の賃貸アパート
主要構造は、S造の床にCLT、 鉛直力のみ支持する柱は耐火集成材という構造です。元請け様の開発・研究で各種試験の準備中です。
また、表の最後14として書かれているのは、沖縄県の空港整備計画です。施工業者様も決まっており5月着工予定に向けて 設計事務所様のご指導の下各種試験をすでに開始しています。
これらのような 大規模な物件が今後も続くと期待し、次のように進めている当社の計画を簡単に紹介しますと・・・
山佐木材の設備計画
平成27年度のCLT実証事業で採択され、設計と実験を行った「山佐木材株式会社 CLT工場新築計画」上屋フレームにSAMURAI(鉄筋内蔵型構造用集成材)とCLTによる耐震壁を用いた建物の、建築センターによる時刻歴応答解析による大臣認定の審査も終了し、いよいよ来年度着工予定です。
併せて最新型K2iも導入を予定。また、CLTプレスの増設やCLT専用NC加工機の導入など、構造用集成材とCLTの製造・加工能力向上の計画が進められており、前述したような今後、期待される大型物件に対応できるよう準備を進めています。
次は、ソフト面・人材能力の向上が、重要課題ですね。先月号、今月も書きましたが 担当している私自身は 脳疾患の前科を持つ 還暦を過ぎた老人でもあり若い人の台頭を期待しています(笑)
面白いこと、いろいろとやっている山佐木材です。
興味ある方(経験者・未経験者問わず)一緒にやってみませんか?
CLTシンポジウム IN 鹿児島! (出張 何でも鑑定団!の ノリで)
平成29年3月4日開催され、参加してきました。(CLTのリハビリもかねて?)
残念ながら出張移動の飛行機の時間の関係で、佐々木社長が登壇するパネルディスカッションは聴講できませんでしたが、基調講演は2本ともお話を聞くことができました。
武松氏の木造・CLTを使った建築への挑戦する姿勢には、たいへん共感を覚えました。今後の益々の御活躍を祈念しております。
有馬先生のお話は、「目から鱗」とでも言うのでしょぅか。仕事柄、国内の森林資源の現況や木造建築を増やす事の意義についても多少の知識はあったのですが、
1. わが国には資源がない(石油など)と言われていることに対して、森林資源があるという自覚
2. しかし、森林における齢級分布 現在、伐採に適した50年生の分布は多いが若い木が少ない
⇒このまま育っても20年30年先に増えない
⇒伐れる木が無くなる
3. 私たちの孫・ひ孫達の頃には、現在誇れる唯一の資源である「森林」も少なくなる。
循環型資源である「木」は、使って街に炭素を固定すると共に 植えて育てなければならないということを再認識いたしました。
現在では、「使って街に炭素を固定する」という活動・補助は目に見えて活発なのですが、私の目に見えないだけなのか? 植林・育林の活動への注力が必要と改めて考えさせられたお話でした。
ますます加速するCLT:建築計画ですが、有馬先生が危惧される資源(森林資源)の枯渇や、再生エネルギーの利用ということで、山から直接発電所へなど本末転倒の結果とならないよう、限りある資源を大切に、また無くならないよう育てていかなければならないと思います。
常務取締役技術本部長 塩﨑 征男