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★肝属木材事業協同組合主催講演会
株式会社中島工務店・中島紀于社長ご講演
「完結型林業を目指して」
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株式会社中島工務店様は、岐阜県中津川市加子母(かしも)を拠点に、建築、土木を中心に、生コン、コンクリート二次製品、プレカット、集成材などの事業を意欲的に展開されています。
当社とは以前から交流があり、お互いに視察などを実施してきました。
最近では、木造3階建て校舎の火災実験のときにも大変お世話になりました。
今回、中島紀于(のりお)社長をお招きしての講演会が実現しましたので、その概要をご報告します。
◆日時:平成26年2月13日(木)15:00~17:30(終了後懇親会)
◆場所:高山やぶさめ館(肝属郡肝付町)
◆主催:肝属木材事業協同組合、鹿児島県中小企業団体中央会
◆共催:大隅地区国有林懇話会、鹿児島県木材協同組合連合会
当日は、県内の林業、木材、製材業者、行政の方々など50名を超える方に参加いただきました。
前半のパートでは、九州森林管理局の西林寺隆氏(地域木材情報分析官)より「森林・林業の現状と課題」として、主に林野庁の施策や木材需給の現状について、鹿児島県環境林務部の德永彰一氏(かごしま材振興課技術補佐)より「かごしま材の利用推進」として、鹿児島県における各施策の状況についてご紹介いただきました。
後半のパートは、本日の基調講演、中島氏による「完結型林業を目指して」です。
かしもに生きる
中島社長の講演は、中島工務店の本社がある場所、岐阜県「加子母(かしも)」の紹介から始まりました。
現在は吸収合併により中津川市になっていますが、加子母は元々人口3200人の小さな村。全体の95%が森林で、住民の多くは林業に携わっており、製材会社が14社あるとのこと。古くは江戸時代から加子母ひのきは伊勢神宮「式年遷宮」の御用材として納められてきたそうです。
木でできるものは木でやればいい
中島社長のお話の中で印象的だったのは「建物を木造でもっとつくればいいのにと思う。木造の建物は古くならない。この建物(高山やぶさめ館、2004年完成)も10年経っているそうですが、古くなっていない。木造の住宅は住むのに体に良い、心に良い。木でできるものは木でやればいい。家づくりは木が絶対いいと思う。」という言葉でした。
必要なだけの木をきって大切に使っていきたい
アイヌの言葉に「食べるだけの魚を捕る」という言葉があるそうです。
現在、国の補助金による大規模な木質バイオマス発電施設が各地に計画されていますが、「山にそんな材木は無い。あんな買取価格が長く続くはずがない」と意見されました。
補助金の使い道については「必死になってやればやっていけるようにしてほしい」。また「林道を舗装してどんな雨でも山を荒らさないようにしてほしい」 と間近に森林を見ていらっしゃる社長ならではの主張だと感じました。
講演会は、質疑応答も含めて3時間近くに及びました。
終了後の懇親会にも40名近くの方が参加され、中島社長の奥様にもご参加いただき、とても賑やかな宴となりました。加子母に行ってみたいという声が多くあがり、鹿児島から名古屋まで、ジェットスター就航により片道7000円前後ということもあり、本当に実現しそうな気がしました。
今回の講演会が肝属と加子母の交流のきっかけになったようで嬉しく思います。
最後になりましたが、当日は講師の皆様をはじめ、中央会、肝属木事協組合員、大隅地区国有林懇話会員、やぶさめ館スタッフの皆様、その他ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
肝属木材事業協同組合 事務局
山佐木材(株) 佐々木(真)