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★さつま郷句作品抄   渋柿会鹿屋支部
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 題:行楽(でばい)

 

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

味噌樽が  全面塗装を   して行楽っ

みそだいが ぜんめんとそを してでばっ

唱 気味が悪りごっ 濃ゆ濃ゆ塗っ

  きぞがわりごっ こゆごゆなすっ

堂園 三洋

 

【解説】連休、そして行楽の季節。鹿児島では行楽のことを「でばい」と言っています。「味噌樽(みそだい)」とは、あまり遠出をしない主婦のことで、「煤け女房あ(すすけかかぁ)」と同じような使い方をします。

久しぶりの化粧に念が入り過ぎて、かえっておかしくなった様子をおちょくっています。

 

花行楽   到着たときゃ瓶な 空れけなっ

はなでばい ちたときゃびんな かれけなっ

唱 飲んせかすれば 花は二の次

  のんせかすれば はなはにのつっ

  藤後 一碧

 

【解説】花見バスを仕立てて出発と同時に、うしろ座席で酒盛りが始まり、現地に到着した頃は揃ってご酩酊の男性組。帰路はみな尿意を催して都度停車の繰り返しにさすがの女性組から不満の声が。

 

尻端折っ  貝掘い賑ゃけ   浜行楽

しゆつぶっ けほいにっぎゃけ はまでばい

唱 股ん合間かあ  桜島も笑るちょっ

  またんあいかあ しまもわるちょっ

村田 子羊

 

【解説】着物の裾が潮に濡れないように端折っての潮干狩り。賑やかな集落の浜行楽の風景が見えるようです。鹿児島では「端折る(はしょる)」ことを「つぶる」、「貝」を「け」と略して言います。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川様にいただきました。