「にしつぐ日記」でおなじみ西胤さんが大分県庁から当社に研修に来られて、はや9ヶ月。
山佐木材の制服を着て、お客様に工場案内をしたりして、すっかりなじんでいるけれど、研修期間もあとわずか。
メルマガで西胤さんを紹介していなかったことにハタと気付き、いまさらですが色々とお聞きしました。
■名前:西胤 謙吉
(ニシツグ ケンキチ)
■部署(役職):技術本部(企画係長)
■担当:CLT等の新技術開発事業
Q1 自己紹介をお願いします!
大分県庁から1年間、派遣研修で山佐木材㈱に来ています西胤謙吉(ニシツグ ケンキチ)です。
地元は大分県中津市というところで、黒田官兵衛が初代城主である中津城や福沢諭吉が幼少期を過ごした福沢諭吉旧居がある地域です。
また、最近では“鶏の唐揚げ”が話題になり、近所の唐揚げ屋さん(本業はお肉屋)にも観光客がたくさん来店していて、驚いているところです。昭和60年生まれ、おとめ座のB型です。
Q2 山佐木材に研修に来ることになったいきさつは?
大分県の林業のセクションでは、「課題解決型派遣研修」という制度があります。これは、海外輸出、素材生産、製材品の国内流通等、その時々の課題解決のために、その分野でのリーディングカンパニーに派遣研修している制度です。個人的には課題を解決するというより、可能性がある分野を学び、大分県の林業県政に如何に活かしていくかを考えるための制度と捉えています。
今年度のテーマが「CLT」ということもあり、山佐木材㈱さんに派遣依頼をしたところ、受け入れを快諾していただいたため派遣研修先に決定し、県庁内で派遣研修者の公募があり、応募し派遣研修として来ることができました。
Q3 派遣研修はどうですか?
早いもので9ケ月が過ぎました。本当にあっという間の9ケ月でした。まだ、鹿児島観光もほとんどしてないような…
担当する業務として、CLT関連の開発事業と来客者への工場等の案内等を担当しています。当初は分からないことが多く戸惑いましたが、事業を進める中で実践的に学び、馴染んでいくことができました。ただ、やはりCLTとなるとほとんどが建築の分野になる為、建築や構造が分かっていないと深く理解できないところもあることに改めて気づきました。私が担当している業務は来客者や行政等に対して説明することが多いので、自らが理解できていないことがあると、説明できないため、この都度勉強が必要になります。そういった面でもやりがいがある事業を担当させてもらっているなと感じます。
CLT関連の開発事業では主に3つの事業を担当しており、塩崎常務や村田部長をはじめ、様々な方々と関わりながら仕事を進めており、この3つの事業は何とか今年度中に終わられなければというような感じです。残り3カ月で他にも、製造や製材、機械について等、この機会に学んでおきたいことがたくさんあり、慌ただしい平成28年のスタートになりそうです。
Q4 山佐木材についての感想は?
社員の方々は優しい方々ばかりで、4月に来た当初の緊張はすぐになくなり、一緒に仕事をさせていただいています。夏過ぎから1月にかけて繁忙期となり、この時期は本当に忙しく、常に工期と戦っており工程会議も緊張感があります。また、製材、製造、工務、CLTとある程度社内で独立採算性を取っているため、それぞれの部署での収益改善や営業等、力を持っていると感じます。
私が来てから、社内で怒鳴り声が聞こえるようなことは一度もなく、仕事には厳しいですが温厚な方が多く、非常に良い職場環境だと感じます。社員の方々が気軽に声をかけてくれるので非常に居心地が良いです。
Q5 これからの林業・木材産業について、一言お願いします
林業のうち素材生産に関しては、商業ベースで考えると投資回収期間が長い産業です。昨年度、定年された上司がことあるごとに「君たちの世代は林業の職員が様々な仕事があってうらやましいな。自分らが若い頃は造林ばかりしていた」とおっしゃっていました。このように林業は世代をまたいで行われる産業です。先代から豊富な人工林資源を引き継いだ我々世代が次の世代に何が残せるのかが大きな課題だと考えています。利用期を迎えた国産材の利用法、再造林に関しては今後の林業経営を考慮した植栽本数、また、不在村林家の対策も必要です。
林業が盛んな九州で仕事ができるという恵まれた環境にいることを自覚し、現在の林業と数十年後の次世代の林業をより良い方向に進むために、非常に小さいがその一役を担っているという誇りを持ち日々の仕事に打ち込んでいきたいです。
Q6 新年にあたり、これからの抱負をどうぞ!
少しは自炊し、健康的な食生活を送る。
体を鍛え、筋肉をつけ、大人の男としてステップアップする。
■おかげで技術本部が回っています
大分県にあってはCLT利用について熱心にお取り組み中です。昨年度から当社も仲間に入れて戴いていろいろな勉強会が行われました。そのような中で、「県職員の研修を受け入れてくれるか」というようなご相談がありました。大分県庁では中国木材やその他に職員を派遣して取り組んでおられることは知っていました。また当社は以前高知県庁の方々を受け入れたことがあり体験済みです。
昨年2月鹿児島市で九州経済連合会が主催するシンポジウムがありました。各県から産学官集まっておられましたが、大分県庁からも若い人が参加していました。派遣研修のことについて「実は私も立候補しています」とのこと。
前振りが長くなりましたが、そのときの「若い人」が、本日の主人公である西胤さんです。当社「技術本部」の核になる存在です。実は文字通り核であって、おかげで技術本部が回っています。西胤さんを見ていて、県庁職員の質の高さを感じます。3月末には大分県庁に帰りますから、彼が抜けたあと4月からどうしようと頭を悩ませています。
このところ主としてCLTのことについて、当社も様々な技術や情報の取得がありました。その殆どに西胤さんは立ち会っていますから、彼の得た知識、情報は恐らく膨大なものになっていると思います。4月以降県庁でどんな活躍をするか、大分県庁訪問が楽しみになりそうです。(佐々木社長)
■いつも明るい好青年
大分県庁からの職員派遣が来るので技術本部に配属すると佐々木社長から聞いた時には、どんな人が来るのか?と少し不安な思いもあったことを覚えています。ところが、やってきた西胤さんはというと、実にハキハキとした明るい性格。そしてすぐに会社に溶け込み、人に好かれる性格の好青年でした。おそらく1年先に山佐木材に入った私より社員との交流は幅広いような気がします。
仕事に関して言えば、書類管理・処理能力については、県庁職員というだけのことはあり私よりも数段高く、現在当社で受けている事業の一つを全て担当してもらっており、今年1年どれほど助かったことかと感じます。
現在、技術本部として防耐火・接合強度・音などに取り組んでいますが、おそらく今まで担当した事もないような事業・内容にも積極的に取り組んでもらえました。一つの新しいものを作り出して使えるようになるには、そうしたものの積み重ねが大切だということを山佐木材で体験し感じてもらえ、それが今後の役に立ってくれれば良いなと思っています。
山佐木材以外においても、時々、日本CLT協会のスタッフ業務に私の代理として参加いただいたこともありますが、そうした活動においても西胤人気は高かったようでした。残り3ヶ月となってしまいましたが、一緒に頑張って今年度の各種事業を無事終了させたいと思っていますので 宜しくお願いいたします。
最後に 私にとっては同じ部署で、席も目の前ということもあり、とても「イジリ易い」同僚であります。(塩﨑)