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★新年のご挨拶 代表取締役 佐々木 幸久
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新年明けましておめでとうございます。
昨年も大変お世話になり、誠に有り難うございました。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
CLTに明け暮れた昨年
いささかオーバーですが、まさに昨年の林業・木材業界では「CLTに明け暮れた一年」であったように思います。視察の多さもかなりのものでした。基本的に来るもの拒まずの姿勢なのですが、一日に5組の視察が重なったこともあり、さすがにそのときはてんてこ舞いでした。一年を通すと200組を超えるかもしれません。二十余年前の非木造大型建築(大断面集成材事業)を始めた時は、国内初のスギ構造材のJAS工場だったこともあって、3000人を超えた年がありました。それに次ぐ盛況ぶりです。
塩﨑常務、村田取締役にはCLT絡みの講演要請も多いようです。時としてロートルの私などにも声がかかるほどです。塩﨑常務の「シリーズCLT」に詳らかなように、今年は法的な整備が整って、いよいよCLTを用いて普通に設計し建築できるようになります。これら視察や講演会に参加された方々により、新しい木造建築の動きが起って欲しいと思います。
技術進歩が停滞してきたこの10年
振り返って十年余り前、姉歯事件という建築業界ではとびきりの事件がありました。一時動こうとしていた材料・構法の自由化とも言うべき性能規定化への流れはぴたりと止まりました。役所による様々な規制強化はがんじがらめと言っても良いほどであり、とても新しい技術開発など出来そうもない機運になりました。
この事件は経営にもダメージを与えました。そしてその2、3年後にはあのリーマンショック、世界的金融恐慌が勃発、まさに弱り目に祟り目、一段と苦境に陥ることになりました。
当社も間の悪いことにちょうどかなりの金額を投じて製材工場を新増設、操業を始めて間もなくこの大不況に直面、まさに苦境に呻吟しました。当時、大断面集成材工場が、当社を含めて九州内に3社ありました。鹿児島県、宮崎県の各1社がこの荒波の中で消えていきました。多くの人材やノウハウが高価な設備と共に雲散霧消しました。教訓をも残しましたが、誠に惜しいことだったと思います。
当社はまさに時の氏神、救世主とも言うべき方に巡り会って、周囲にご心配とご迷惑をおかけしたもののご協力により危機を脱却、ここ数年そのときの傷から回復しつつあります。
満を持して新しい事業分野へ
CLTについてはこれまで再々述べてきたように、2000年(平成12年)小松先生のご案内でKLHの工場を見学して、「これからの商品だ」と認識しました。それ以来細々と商品化を試みていたので、この商品とは心情的に誠に親しい関係にあります。
CLT事業については一昨年設備を整え、この一年試験的な操業を続けて経験とノウハウを積んできました。いよいよ今年は、設備と要員の補充も行い本格的に事業化していきたいと思います。
二十余年前に新事業をスタートして、その部門の売り上げが積み上がると共に、既存分野にも刺激があり、併せて売り上げは大きく伸びました。久々の新事業の本格化で、成長戦略を本格化したいものと念じています。
(代表取締役 佐々木 幸久)