太平製作所様には、かねがね大変お世話になっています。
同社は木工機械、合板製造機械で名だたるメーカーです。特に合板では名南製作所様とともに、我が国のみならず世界中にその名を轟かせています。技術面でも品質面でも素晴らしい会社です。
先般、同社本社工場を訪問しました。木工機械を作っている大阪工場は行ったことがあるものの、合板機械を作っている本社工場はこれまで行ったことがなかったのです。大変意義ある訪問が実現したのですが、その経緯と内容をレポートします。
私は、京都大学名誉教授の小松幸平先生のおかげさまで、ヨーロッパ(オーストリア)でのCLTの工場や使用事例を、2000年というまさにその黎明期に見学する機会を得ました。
その後なんとかこれを商品化したいと色々取り組みましたが、いかんせん規格の壁は厚く、日の目を見ることが出来ませんでした。時に利あらず、また私の力不足もありました。
時が移り、世界的規模でCLTの需要が広がり、ようやく国内でも実用化への機運が高まってきました。当社でも改めてこの事業化に取り組むこととしました。
太平製作所の成田会長は、国産材のこれからの活用策として、CLTに大きく着目しました。最近盛んになったCLTに関する各種研究会、講演会への参加はもちろん、海外のメーカーや建設事例の視察にも出かけておられます。
私の視点からは、木工部門、合板部門を持つ同社は、CLTの生産機械メーカーとしては、ベストポジションにいると思われました。このようなことから当社のCLT生産の設備開発を依頼しました。会長自ら陣頭指揮をとって事に当たられました。
そのような中、成田会長様のご提案で、太平製作所様、名南製作所様、太平ハウジング様の役職員の方々と情報交換を開いていただきました。
会社を訪問して玄関先に立ってまず驚いたのが「歓迎板」で、同社で試作された立派なCLTに「歓迎」の文字がありました。
そして玄関から中に入ると、事務所の皆様が一斉に立ち上がり、丁寧な挨拶をしていただいて、すっかり恐縮してしまいました。
交互にご挨拶を交わしたあと、太平製作所様から中間発表として、同社の技術陣入魂のCLTプレステスト機によるCLT製作の実演がありました。
一流の機械メーカーの社員さんたちが、実に折り目正しい行動や作業ぶりで目を奪われました。
当社側からは私と製造部長の村田が、木材加工の林業の現況、あるべき姿、そしてCLTの実用化見通しなどを発表しました。
大変有意義な交流会を持つことが出来ました。太平製作所様には心から感謝いたします。
(代表取締役 佐々木幸久)
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