10月20日(日)、朝方に少し雨が降ったものの「流鏑馬には雨は降らない」との言い伝え通り、昼近くには快晴となりました。
いつもは閑散とした通りも、この日ばかりは大勢の見物客であふれます。
街中をパレードしてきた流鏑馬武者行列は、昼前に四十九所神社に帰ってきます。いよいよ正午過ぎに流鏑馬祭りの神事が始まるのです。
流鏑馬は、国家安泰、五穀豊穣、悪疫退散を祈願する一連の神事の中奉納される年占いの儀式です。祝詞が奏上された後、齋弓が射手へと渡され(弓受けの儀)、少年は神の使いとなって騎乗疾走するのです。
3つの板的が用意された長さ3町(330m)の馬場を3回駆け抜けながら合計9本の鏑矢を射、当たった数で豊作を占います。
馬場には、射手の掛け声と馬が疾走する蹄の音、矢が板的に命中した音が響き、当たると同じに観衆のどよめきが起こります。
今年、射手の吉松大志君は見事9本中8本を的中させました。
9月に初めて馬にまたがった少年は、大きなプレッシャーにも負けず、怪我にも負けず、ひたむきに練習を重ねました。
ひたすら真砂を馬場にまいて無事を祈る父親。乗馬を始め弓の扱いから様々な作法まで教えてくれる保存会の方々。練習を見守るボランティアや町の人々。多くの人の支えに応えて、みんなに大きな感動を与えてくれました。
肝付の大祭流鏑馬は終わり、秋は深まっていきます。
*取材に対してご協力くださいました流鏑馬保存会、肝付町役場の皆様に感謝申し上げます。
(M田)
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