CLT建物見学会に参加しました

季報「ウッディストのたより」2014年新年号紙面に掲載した内容です。

写真と最後の一言を追加し、ブログとして再掲載いたします。

11 月30 日、銘建工業(株)様と高知おおとよ製材(株)様によるCLT 建物の構造見学会(高知県長岡郡大豊町)に参加しました。

高知おおとよ製材(株)様の社員寮となる三階建ての共同住宅(部屋数5 戸)は、CLT(高知県産スギ製)の壁、床、屋根で構成されており、独立した柱や梁はありません。

国内で初めてCLTを構造躯体として使用した建物ということで、当日は全国から約300人もの見学者が訪れており、注目度の高さを実感しました。

CLT は国内では基準強度が定められていないため、時刻歴応答解析という構造計算を行い、国土交通大臣の個別認定を取得して確認申請に出すという方法がとられています。

接合には引きボルト接合という方式が用いられています。建て方工程については、CLT の細かいピースを地組みして幅の広い壁状態にしたものをクレーンで吊り、ボルト孔に落とし込むという方法で組み立てられています。

引きボルトの間の金物はせん断受け用
引きボルトの間の金物はせん断受け用
重厚な床と引きボルトの大きな座金が印象的
重厚な床と引きボルトの大きな座金が印象的

通常の木造軸組工法が約一週間かかるところを地組みしてから二日間で建て方が終了しています。将来的にCLT がより大きな壁、床単位で作られることになれば、さらに工期が短縮されるものと思われます。

建物内部の迫力
建物内部の迫力
このままでもクールな雰囲気ですが外装は塗り仕上げになるそうです
このままでもクールな雰囲気ですが外装は塗り仕上げになるそうです
裏側(出入り口側)から側から見る
裏側(出入り口側)から側から見る

この日のうちに鹿児島に戻らなければならず見学会を終えると急いで空港(関空)に引き返しました。うどんを食べる時間はありませんでしたが、途中目に入った紅葉が割ときれいなのが印象に残りました。

(建設部 小松)