去る3月20日、秋田県能代市「秋田県立大学木材高度加工研究所」を訪問しました。所長の飯島泰男先生がこのたび退任されることになり、先生のご講演とお別れパーティーに出席するためです。
16時からの講演では同研究所の広い講義室が満席でした。全国北から南までよくこれだけの方々がと、感嘆しました。
飯島先生はその学識の豊かさと、独特のご性格で全国の関係者と幅広い交流があります。先生の活躍期は、木造建築とスギ利用への関心が高まる時期と重なり、活動の舞台は全国にまたがるものでした。
私達も二十余年にわたってスギの構造用集成材、木造建築の事業を行ってきた中で、構造については森林総研接合研小松幸平室長(当時。京都大学名誉教授)に、材料・材質については飯島先生に相談すれば、まさに魔法の杖のように、何らかの解決策が見えてきたものです。
最近学会誌の論文を見て、ため息が出ることがあります。林産学は学問でもありますが、同時に工学でもあり、技術でもあって欲しいと願っています。
その点、飯島先生は学問の世界に身を置きながらも、実用化の視点を必ず持っておられたと思います。改めてご講演を聴いていても、近年の木材関係の様々な変遷に殆ど先生は関わり、付き合ってこられたのだなと感じました。
パーティーも賑やかでした。この頃酒にめっきり弱くなった(家人に言わせると杯のピッチが速すぎる)ため、私はパーティーだけで失礼しましたが、後に聞いたところでは、二次会は1ヶ所で入れるところが無く、3ヶ所に分かれて行われた由。その3ヶ所を先生はすべて回られたとのこと。さすがは飯島先生です。
(代表取締役 佐々木幸久)
コメントをお書きください