M田次長のぶらり肝付町の旅・高山とやぶさめ

梅雨明け宣言より前に台風8号が襲来し、ここ肝付町にもいよいよ本格的な夏がやってきそうです。

台風前の町中をぶらりとしていると、ちょっとカラフルな陶板を見つけました。 

メインストリートに建つ「高山橋」の欄干を飾る親柱です。

肝付町高山で900年の歴史を持つといわれる流鏑馬の様子が、見物人の顔や馬場の水路側に挿してある緑の枝に至るまでフルカラーで写実的に描かれています。

如何にも昭和、ほのぼのとした暖かみのある感じがいいですよね。ちなみにこの橋は私と同じ年なのです。

 

これより一つ下流に架かっている「新前田橋」にも流鏑馬がデザインされています。こちらは、黒御影石に刻まれたレリーフ。

的板を表す菱形の中に射手の姿がコントラストで表現されています。

人も馬もシャープでプロフェッショナル、パッと見分かりにくいけれども渋いデザインですよね。

鋳物で出来た欄干には、的に向けて矢を放つ瞬間の射手が飾られており、高山川を背景に透かしてみると、10月の流鏑馬本番を彷彿とさせるものがあります。

この橋を渡る中学生の中には、登下校の時、この親柱や欄干を眺めながらいつか流鏑馬に乗る日を夢見ている子がいるのかもしれません。

 

この橋を通り過ぎて、山佐木材の手前に「高良橋」(たからばし)があります。

高山と串良を繋ぐ橋ということからこの名が付いているのですが、縁起の良い名前、是非あやかりたいものだと思いながら毎日通っています。

この橋の親柱にも流鏑馬のレリーフが彫り込まれているのです。こちらは、なにやらスペインの巨匠風の抽象画です。

完成がバブルが弾ける前なので、こんなのも有りでしょという感じで建っています。 

さて、今回3つの橋を見てきましたが、流鏑馬が、高山の人びとにとって大切な文化遺産であり、幹線道路を往来する人に誇りとしたい行事であることかがよく分かりました。時代が変わってもその思いは変わらずに引き継がれていることにあらためて感じ入ったぶらりでした。

(M田)