我が社の施工実績にも木造校舎がずいぶん増えてきました。
また、平成25年度、木造3階建校舎の大規模な燃焼実験が実施されたことは記憶に新しいところです。建築基準法の見直しで木造校舎への取り組みがさらに進むことになるのでしょう。
ちょうど50年ほど前のこと、私(昭和33年生)が小学校に上がるころから、木造平屋建てから鉄筋コンクリート造へと校舎の建て替えが始まったように思います。その頃の新校舎が今建て替えの時期を迎え、木造校舎へと回帰しているところなのでしょうか。
この夏の早朝、肝付町川上地区を訪ねてみました。
ここに豊かな森に囲まれた木造校舎があるのです。切り妻、下見板、瓦葺き。あの頃はどこの学校もこんな作りでした。
しみじみと懐かしさが湧いてきます。
近づいてみると花壇の上にはシュッと控え壁が建っています。高い床下にももぐったことがあったなぁ。
この校舎は、昭和24年に建築され、2回改修されたそうですが原型は変わっていないようです。築後六十数年にわたって、子供たちを見守ってきた温かな歴史を感じます。この地域のじいちゃんが入学する頃に出来た校舎ですので、子、孫まで3世代、或いは4世代はここで学んだことになります。
まっすぐに伸びた廊下を見たら、四つん這いで友達と競争しながらぞうきん掛けしたことを思い出しました。
教室の扉を開けて、子供たちが走り出て来るような気がします。しかし、残念ながら、板張り廊下を走り回る足音は聞こえてはきません。生徒数が減り、現在、この学校は休校になっています。
実は、平成21年春、この木造校舎は、国の有形文化財に登録されました。「その外観が国土の歴史的景観に寄与すると認められた」からだそうです。
しばらくは、そのままで授業も行われてきたのですが、今では地域の皆さんの手によって、校舎の内外もきちんと清掃・整備されています。小さな学校を自分たちの宝物のように大切にされている気持ちが伝わってきました。
市街地より標高の高いこの地区、朝は特にさわやかで、校庭でラジオ体操をしたくなるほどでした。
つづく(M田)
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川上出身還暦者 (月曜日, 26 10月 2015 10:50)
私の頃はプールはありませんでした、あそこは技術部屋でした。
運動場の真ん中にセンダンの木がシンボルで生徒の憩いの場所♪
唯一のイベントが小中合同の運動会でした。
川上地区皆さんが運動場に陣取り、お祭りみたいに賑やかなでした。