平成27年4月、肝付町に「鹿児島県立楠隼中高一貫教育校」が開校します。
公立としては全国でも珍しい全寮制の男子校だそうです。県立高山高校の敷地内に新設される学校で、校舎・体育館は高山高校を改修して使い、寄宿舎と食堂棟などは木造で新築され、このほど竣工したとのことでした。
舎棟は木造2階建てで、構造用大断面集成材をはじめ、床材として国産集成材厚板パネル、構造用製材、羽柄材等、山佐木材の木材製品も数多くご利用いただきました。
ある日、町の防災放送で、11月24日(月)10時から2時間だけ、特別に肝付町民に舎棟見学が許されるという情報が流されたので、完成後の様子も見たかったこともあり行ってきました。
外構工事や渡り廊下はまだ工事中でしたが、舎棟は完成し、一部の部屋は家具も入れてありました。応募する児童生徒の見学会はもう始まっているのです。
防災放送で見学会の情報を仕入れた肝付町民は、10時を待たずに続々とやって来ます。我が町にできる、全国から生徒を募集する全寮制男子校への関心の高さの現れでしょう。
駐車場の整理や受付は準備室の先生方が当たられ、説明を求めれば順路に従い案内しておられました。建物もしっかりしていますが、先生方も立派だなぁと感じ入りました。
玄関からまっすぐの突き当たりが、ちょっとした体育館ほどもある広い食堂です。
全校生徒が三食をともにすることになります。
ここに納められる野菜などの食材は、地元のものを主体に使われるそうで、役場も農家もうれしいやら忙しいやらで、もうみんなで取りかかっていると聞いています。
また、偉い栄養士の先生が体も頭もどちらも良くなる特別献立を作って子供たちに給されるという噂もあります。いまから何を食べても手遅れの年齢とは分かっていても、年に1回ぐらい町民参加の大バイキング大会などをやってほしいものです。
各室も廊下も、床は桧小節のフローリング、腰壁は杉材で統一されています。地元の杉と桧から暖かさが伝わってくる内装です。できたての白っぽい色が年を経ることで深い黄金色に変わっていくのでしょう。それも楽しみです。
生徒たちの居室はゆったりと作られています。奥の机も棚もスギ集成材で拵えてあり、ベッドにも収納スペースがたっぷりとってあります。中学から入学した子供は6年間ここで過ごすのです。
一人一室。おろかな親心から思わず、寂しくないだろうかと、いらぬ心配をしてしまうのでありました。
個室ばかりでなく、みんなで学習する部屋も用意されていました。
なんと言ってもここは学校なので、学業が第一なのです。全国から応募して入学する子供たちは難関大学を目指して勉強に励むのでしょう。
でも、多感な彼らが肝付で過ごす年月が、地元の空気や文化とふれあいながら楽しめる時間であるように、地域住民として見守っていければと思いました。
やはり、町や学校の思う壺にはまったのでしょうね。
(M田)
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