肝付町では秋の声を聞くとすぐに、町中の道端に「えっがね祭り」の幟が立ち始めます。
えっがねとは内之浦地区の方言で「イセエビ」のこと。なんと肝付町のイセエビ漁獲高は10tと県内トップクラスだそうで、めったに口に入らないこの超高級食材を定食に仕立てて、9月から10月にかけて町内あちこちの料理屋さんが、なんと4000円という超リーズナブルなお値段で提供していますよ!というとんでもないお祭り?なのです。(ちなみに今年は第13回)
そこで、つれあいの懐かしの母校高山高等学校最後の運動会が雨で中止になった午後、徒然に過ごすのもなぁと、彼女を内之浦に連れ出すことに。狙い通り喜んでくれました。
雨上がりの涼しい国見トンネルを抜ける道をドライブすること20分。国道448号との交差点を役場支所方向に200m行った右にそのお店はひっそりといさぎよく建っています。看板もなく、暖簾もかからず、装飾と呼べるものなど一切つけず。
実はここ、内之浦町民の第2のソウルフーズ「神田のチャンポン」を食べさせてくれる神田食堂なのです。
この地では「ラーメンはまつわき、チャンポンはかんだヤド!」が呪文のようにささやかれているのです。
今日のお昼を、4000円の超リーズナブルな「えっがね定食」ではなく、庶民として堂々チャンポンを食そうというのであります。
店に入るとカウンタ―に8席、テーブル席8席、ちょいとした座敷2席。
すべて空いていたので今日はやっぱり休みかなと思って、おくに声をかけると、にこにこと小柄なおばちゃんが出てきて営業中とのこと。注文を取って、左奥の使い込まれた厨房で手早く2つ作ってくれました。
さっぱりとしたしょうゆベースのスープに軽いとろみが付けてあるのがここの特徴。
具材は内之浦産かまぼことさつま揚げ(テンプラという)、イカ、豚肉に野菜類がたっぷり入っています。熱々のとろとろスープを蓮華で掬って口に入れると、柔らかなやさしい味が広がり、とろみ特有の温かさに初秋の冷涼感が増幅されるような、もう夏はとおに過ぎたんですぞ感が高まってくるのでありました。
ここは元々建設業を営まれていたのですが、三十数年前おばちゃんが病気で倒れて建設現場の手伝いができなくなったので、食堂を始められたのだそうです。働き者の歴史ですねぇ。
今日は調子に乗って、チャンポンとご飯、どちらも一杯半ずつと梅干1個いただきました。長年変わらない懐かしい味ご馳走様でした。
(M田)
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川上出身還暦者 (日曜日, 25 10月 2015 09:28)
内之浦のマツワキラーメンは帰省の度に食べに行きます。
最高に美味しいです!
志布志のマルチョンさんやラーメン秀さんも美味しいですが、私はマツワキラーメンが好きです♪
マツワキラーメンを食べるためだけに格安航空券で帰省したいくらい、美味しいです!
しかし、チャンポンも好きです!生駒食堂のチャンポンは食べていました。
今度の帰省には神田さんのチャンポンを食べに行きます。
M田部長さん、情報ありがとうございました。