平成27年9月26、27日にマリンメッセ福岡で開催された「住まいの耐震博覧会」に出展、CLTを展示してきました。
住まいの耐震博覧会は、「木造住宅の耐震化」を推進するための提案と情報発信を行う国内最大級のイベントであり、地震国日本の住まいの安全を出来得る限り高めること、そしてその安全性を維持することをメインテーマに行われています。
昨年より、日本CLT協会の展示ブースを任されており、今回はCLT部の村田部長、西牧リーダー、私の3名でCLTパネルによる展示ブース設営にチャレンジしました。ユニック車のクレーンで吊りながらの設営でしたが、大きなトラブルも無く、無事に設営・撤収できました。
CLTを見たことがない方々にも、実物のCLTで空間を作り見ていただくことでイメージが掴みやすかったと思います。
2日間で来場者数約1万人、今注目のCLTということもあり、設計会社や工務店さん、様々な方々とCLTに関してお話する機会がありました。
その中で、「住宅をCLTで建設するとコストが上がるのでは?」という質問がとても多かったです。確かに住宅をCLTで建設すると材料費(おそらく建設費も)は上がります。
木造住宅の建設費は在来工法が最も安いと思います。その理由として、一般流通材の使用比率が高いことや歴史が長く関連業者が多いため、プレカットや施工は合理化が図られ、コストは最小限に抑えられているからです。
一方、CLTの場合はまず在来工法の2倍以上の木材を使用することになります。その為、必然的に材料費は上がります。その為、CLTを住宅に使用するならばCLT工法としてではなく、床や耐力壁として使用することでCLTのメリットが出てくるのだと思います。
日本では、住宅を建設する際は材料費を非常に気にする風潮があります。確かに安いということは魅力的です。しかし、安い高いにはそれなりの理由があると思います。CLTを住宅の2階床に使用し、遮音・歩行振動に関して高水準の住宅を建てられたり、CLTを耐力壁に使用することで、大きな開口部を設けることができ、より魅力的な住宅になります。
大抵の人にとって人生で最も大きな買い物である住宅をコストやデザイン性だけで考えるのではなく、もっと施主に多くの選択肢を与えて、性能面で優れた住宅を建設することで、日本の住宅産業が少しづつ良い方向に変わっていくきっかけになるのではないかと感じました。
興味を持って立ち寄っていただいた方々、主催されたナイス(株)のスタッフの皆様、各ブースで展示紹介されたメーカー様やご担当の方々、本当にありがとうございました。
(西胤)
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