二百十日を過ぎ、秋の気配が少しずつ濃くなっていく季節となりました。これから、あれよあれよと日が短くなって、夜長の一献が実に楽しみになるのであります。
9月サツマイモ(当地では「からいも」という)の収穫が始まると、同時に新焼酎の仕込みが始まり、焼酎蔵からは甘いもろみの香りが漂って来る。取りあえずビールは控えられ、いきなり正統派お湯割りをいただくことになってまいります。そのとき、グラスの横には、どんぶりにたっぷりと盛られた塩ゆで落花生があれば十分。あと秋刀魚の塩焼きに大根おろしが添えてあれば申し分ないけれども、これは贅沢というものです。
さて、そんなことをあれこれ考えながら、畑の道を散歩していると、この時期限定のなんとも可憐な花を見つけました。
サツマイモが朝顔に似た花をいっせいに咲かせています。蔓の生育状態にもよるのでしょうか、一面お花畑のような畑もあれば、ほとんど花のない畑もあります。この花の終わる頃、芋の収穫が始まるのです。
柔らかな緑の葉の下に花を付けているのは、落花生です。しぼんだ花から地面に向かって子房柄(しぼうへい)が伸びているのが見えます。これがあのピーナッツを育むことになるのです。この株はまだ小さいので秋の中頃に食べ頃の実を着けることでしょう。大きな株は高さは50㎝以上になります。このころが採り時。畑の中でおじちゃんやおばちゃんが手作業でむしり取る風景が、またいい感じなんです。
台風がきても土の中の芋や実は大丈夫。大風に悩まされてきた南九州ならではの作物なのですね。
(今夜ははやく帰ろう M田)
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