4月初旬、里の桜が散り終わるころ、肝付町国見山系では、アケボノツツジが開花の時期を迎えます。薄いピンクのその花に魅了されている山好きな人々は数多いようで、町観光協会が「アケボノツツジ群落お花見ツアー」の募集を開始したところ、たちまち定員に達したとのお噂でした。ただ、このツツジの開花時期は気象条件により前後するため予想は難しく、このツアーがドンピシャだったかは不詳です。
4月下旬の休日、アケボノの咲き残りでもあればという下心で、家人と甫与志岳に登ってみました。ポピュラーな姫門登山口から。案内看板には山頂まで60分の表示があります。
ここからの登山道は、よく整備されており、迷うような心配はありません。ただ、尾根道に出るまでは結構急な登りが何箇所かあり、呑みすぎ+運動不足+久々の登山者にとっては息が上がることしきりでした。
アケボノツツジばかりが花ではないぞ、登りながらそこに咲く花々を撮影すると称してしばしば足を止め、息を整えながらの山行となりました。それで今回は出会った花たちを紹介することにします。
登山道の湿った林床に、透明感のある白色をしたギンリョウソウ(銀竜草)。暗い山道に透けるような白さでうつむいて立つ姿から、ユウレイタケとも呼ばれるそうですが、見つけるとなぜかうれしくなる花のひとつです。
フデリンドウ(筆竜胆)。少し日当たりのよい斜面に一輪だけ咲いていました。高さは5~6cm。とても小さな春に咲くリンドウです。落ち葉をどかして撮影。
ヤマルリソウ(山瑠璃草)。花の直径は1cmあまり。花色が薄桃色から瑠璃色に変化するそうです。道脇に何箇所か群生していました。
甫与志岳山頂から国見山方向へしばらく歩いたところに、咲き始めのミツバツツジ(三葉躑躅)を一株見つけました。ゴールデンウイークに見ごろを迎えるツツジです。アケボノツツジは見られなかったけれど、こちらも山に登らないと出会えない花です。
息も切れ切れでしたが、心地よい風の中、楽しいぶらりとなりました。
(次は海が呼んでいるか。M田)
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