気象庁HPの「令和元年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」によると5月31日ごろ、昨年より5日早く、南九州が梅雨入りしたようです。たしかにその日以降曇りか雨、じっとりとした気候になっています。あれほどわがもの顔で青空を泳いでいた鯉のぼりは姿を消し、紫陽花が静かに咲いているのがふさわしい季節になりました。
これから夏にかけて、いろいろな夏鳥たちも繁殖の時季を迎えているようです。
2017年にこのブログで紹介した、コアジサシ(小鯵刺)もはるばる東アジアからオセアニアにかけての地域から5000km近くの旅をして、志布志湾岸にやってきてくれました。今年は、5月末ごろからコロニーを形成し、抱卵を始めており、6月2日現在約100羽をカウントしました。
現在コアジサシは、鹿児島県版レッドリストでは絶滅危惧種Ⅰ類(絶滅の危機に瀕している種)に、位置づけされており、鹿児島県内での繁殖は確認できないとされている鳥です。
・・これまでのコアジサシブログ・・
参照①:2016年4月ぶらり旅(番外編)「帰っておいでコアジサシ ボランティア活動 in 志布志」
参照②:2017年8月ぶらり旅(番外編)「コアジサシが帰ってきました!」
参照③:2017年9月ぶらり旅(番外編)「コアジサシが帰ってきました!(2)」
ペアが成立すると、砂地に簡単なくぼみを作り、メスは1~3個ほどの卵を産みます。そして、雄雌交代で20日ほど抱卵したあと、雛がかえり、子育てが始まるのです。彼らは主に海の小魚を餌としており、求愛のときも子育てのときも、海に真っ逆さまにダイビングして小魚を取ってきては、パートナーや雛に与えている様子を観察することができます。
折りしも梅雨の季節と抱卵の期間が重なりますが、卵をできるだけ雨に濡らさないよう交代を繰り返すひたむきな姿に、しみじみとした感動を覚えずにはいられません。
ただ、砂地には、雨に削られた跡が生々しく残っており、これからの大雨でさらに広く深く浸食されるのは避けられないことでしょう。また、夏に向けて、大風や大波が砂浜を襲います。自然の影響を強く受ける中での子育て。環境省が実施した調査によると雛が飛べるようになる割合は例年1割にも満たない場合が多いそうです。
また、営巣地は、釣り人やレジャーで訪れる人たちが簡単に入ることができる場所で、入ってきた人に親鳥たちが驚いて、子育てを放棄してしまう恐れもあります。
降りしきる雨に翼を濡らしながら、雛がかえるまでひたすら温めつづける親鳥たちを、せめて人が脅かさないように静かに見守ることができればと思いました。
(次もここから報告できるのか M田)
参考文献:環境省「コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針」
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ueno harumi (月曜日, 08 7月 2019 17:58)
こんにちは。初のコメント失礼いたします。写真や文章に癒されます…。ありがとうございます。もう、コアジサシは雛になって、にぎやか…でいるところでしょうが、志布志大隅は特に先日は豪雨に見舞われました。無事でいる事を願います…。