7月に入りました。梅雨前線は日本列島の真上を横切って、局地的な大雨など活発な活動を続けています。そんな季節の中で、志布志湾沿岸の浜辺で繁殖を始めたコアジサシたち。その後の報告をすることにします。
5月末、コアジサシ100羽ほどが志布志湾に注ぐ河口近くの砂浜に飛来し、6月初旬には抱卵を確認することができました。その後、コロニーの中の鳥たちは少しずつ種類と数を増やし、6月10日過ぎには、ベニアジサシという岩礁で繁殖するといわれている種類も100羽を越えて加わり、卵を抱き始めたのです。このコロニーで少なくとも4種類200羽以上をカウントしました。
コアジサシは、産卵後20日ほどで雛が孵るとのことです。その日を楽しみに待つことに。
そして、抱卵を確認してから、ちょうど3週間たった夕方、見守っている方たちの一人から雛の写真が送られてきました。早速親鳥が雛に餌を与えている姿もとらえられています。これから次から次に孵化していく時期に入るのでしょう。
ところが、野生の厳しさは、人の手の届かないところにあるようです。
2日後の朝、コロニーが天敵のタヌキかイタチのなかまに襲われて、卵も雛も、親たちすらも姿を見ることができなくなってしまいました。残っていたのは、薄く掘られただけの砂の巣ばかりでした。
この志布志湾岸のなかで、営巣する場所をほかに見つけることができるのか、営巣しても雨や波、そして外敵から卵や雛を守り育てることができるのか。5000kmもの旅をしてこの海岸を選んだ鳥たちに、ここでもう一度子育てを見せてもらいたいものです。
季節は梅雨の真っ只中。こちら大隅半島では、紫陽花の盛りは過ぎ、蓮の花が開き始めました。鹿屋市串良支所の大賀蓮の蕾も雨に似合います。
(次回は悲しい思いはしたくない。 M田)
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