クルーズ船「ボレアル号」で行く南極の旅(3)

 

 アルゼンチン最南端の都市「ウシュアイア」を出て、荒れることで有名な「ドレーク海峡」を二日間かけて南下、細長く南極半島、東シェトランド諸島をめぐり、再びドレーク海峡を北上、出発地のウシュアイア市へ向かう。船中10泊の船旅である。

 

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航路図
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※ボレアル号の概要 

    全長 142.10m   全幅 18m  総トン数 10,944トン 

    メインエンジン 2×2300kw  スピード 16ノット 

    乗組員 144名 

ボレアル号 近景
ボレアル号 近景
ボレアル号 船室
ボレアル号 船室


長い船上生活である。少し船内を散策してみよう。

 

喫茶・談話室

 客室最上階の前方、操舵室の下に立派な部屋がある。広い。この写真は部屋の半分も映していない。有料でカクテルなどが飲める。書棚があって、英語やフランス語の書籍がある。自由に読書や談話ができる。時にはピアニストの演奏も聞ける(夜に行われる演奏会の練習かもしれない)。

喫茶・談話室
喫茶・談話室

 

喫煙場所

 その喫茶・談話室前のデッキに喫煙スポットがある。SMOKERS'   POLE と読める。喫茶室から見ていると、寒い中時々吸う人の姿が。

 南極で物を投げ入れる、放置する(忘れる、風に吹き飛ばされるも含めて)ことは厳重に禁じられるが、愛煙家のために、こういう場所がちゃんと設けてある。

SMOKERS'   POLE
SMOKERS' POLE
喫煙者の姿が
喫煙者の姿が

 

物資置き場

 屋上デッキの後方に物資置き場がある。白いカバーはミネラルウォーター。金網の大きな籠は野菜など、食品。天然の冷蔵庫だ。

 この写真は実は帰りの時。行くときはもっとすごい量だっただろう。

屋上デッキの物資置き場
屋上デッキの物資置き場

 

 救命艇や上陸、周遊に使用したゴムボートも同じデッキにあった。

 必要な時はクレーンで吊り下げる。

ゴムボートと救命艇
ゴムボートと救命艇

 

2019年1月29日(火)

午前8時、緊急船内放送

 「ナガスクジラの群れを発見!  回頭してそちらに向かう」

 残念ながら群れは小さく、それぞれが離れ離れであった。 

クジラの小さな点と、潮吹きがかすかに映る
クジラの小さな点と、潮吹きがかすかに映る

 

午前10時半 再び船内放送 

「今回初めての氷山発見。そちらに向かう」

  氷山の周囲をクルーズ船は一周。1万トンの船にしてはなかなか動きが軽やかである。

初 氷山
初 氷山

 

そして再び船内放送で発表

 「通常2日間掛かるドレーク海峡だが、気象条件に極めて恵まれて、今回半日早く海域に到着。明日朝からの予定を半日繰り上げて、今日午後から実施する。」

 初上陸は大陸ではなく、南シェットランド諸島の「アイチョウ島(Aitho island)」。日本語で愛鳥島かと一瞬思ってしまうが、イギリス海軍のさる部局の略称、H.O.が、その発音からアイチオーAithoとなったものだという。

 完全装備 防寒服、手袋、パルカ、サングラス、浮き輪(ライフベスト)、雨靴

 

先遣隊出発

 上陸先の状況確認  

  上陸ポイント、気象条件、通路、生物の状態、通路の指定などなど

先遣隊が行く
先遣隊が行く

 

ゾディアック(ゴムボート)乗船

 いかにも剽悍な姿のゴムボート、軍用にも使われるというゾディアックボート。まず雨靴を消毒薬に十分浸して、両脇を支えられて合図に従い、ボートに乗り込む。参加者全体を約30人4班に分け、2班ずつ上陸、残り2班は最初の全員が帰船後出発する。ゾディアックの数の問題もあるかしれないが、上陸地の環境負担を過重にしないねらいもあるとのことである。

ゾディアックボートへの乗船
ゾディアックボートへの乗船

 

(佐々木 幸久)

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コメント: 1
  • #1

    股上です (金曜日, 10 4月 2020 13:21)

    乗客は全員日本人ですかね?