M田のぶらり旅・「鹿児島県立博物館 蔵出し企画展 大隅半島」

第22回 鹿児島市 「鹿児島県立博物館 蔵出し企画展『大隅半島』」

 これまでの投稿傾向からこのブログで県立博物館の紹介をすることは、皆様の想定範囲には入ってなかったと思う。そこで、わたしが博物館に出入りするようになったきっかけと、現在の状況などをお話ししておこう。

 

 鹿児島県立博物館は、軍服を着て桜島を見つめる西郷隆盛像を正面に見て、国道10号線を左手にちょっと歩いたところ、島津斉彬公を祀る照國神社表参道の右手に静かに建っている。本館はすっきりとした藤色の3階建てだ。鹿児島独特のイヌマキが姿よく植え込まれ、正面と参道側に設けられた水路には緋鯉が泳いでいる。

  

 

 所属している自然保護団体のボランティアイベントで、この博物館に収蔵されている動物の剥製を展示する目的で、お借りしに来たのがお付き合いの始まりだった。何回か出入りさせてもらっていたが、この7月、秋に「大隅半島」をテーマとする展示を計画されていることをお聞きした。

 

 一方、弊社はその大隅半島の真ん中あたり、東に志布志湾を望む肝付町で起業、現在も本社をそこに置いて、事業活動を続けている。昭和40年代後半(1971年頃)社員総出で明文化した創業以来の行動指針がある。今も月初めの全体朝礼をはじめ入社式などの全社行事でそれを唱和しているのだが、そのひとつに「郷土の発展と繁栄の先導者となる」という文言がある。実は、昭和の終わり頃までこの『郷土』は、『大隅半島』とピンポイントの地域限定だったのである。

 学芸員の先生にこの計画をお聞きしたとき、私の中では、長いこと棚の奥に睡っていた大切なものを久しぶりに手にしたような、「原点はここだったんだよなぁ」感に包まれてしまった。

 そして、あれこれ話しているうちに、1時間のおはなしをするはめになって、現在その準備に四苦八苦しているのである。加えて、はなしのテーマが、M田ブログで何回か書いた鳥たちについてなので、ただの苦労話になってしまう可能性も否めない。

 

 企画展 「蔵出し大隅半島」は、大地の成り立ち、植物、動物、昆虫、鳥など、13万点に及ぶ収蔵品の中から、選りすぐりの資料や剥製、標本を展示して11月24日まで開催されている。薩摩半島に比べ少しマイナー感のある大隅半島の大いなる魅力を是非堪能されてはいかがだろうか。

  

 

 そしてきっと、博物館が動物園や水族館にはない魅力にあふれていることを再認識する機会になるはずである。実際、私もこの企画展の打合せに便乗して1階から3階までの常設展示を見学させていただいた。じっくりと一日中でも見ていたいと思うほどの資料の充実と見せ方の工夫に感動した。そして、この鹿児島という大地で生まれ育ったことを実感するのだった。少ないが写真でご紹介したい。

 

 

 そして、展示を見学しているうちに学生時代に聞いていた歌を思い出した。その詩を書き留めておこうと思う。なつかしい元祖フォークソングであります。

 

かるかや かやつり草 わきたつ積乱雲  からすうり 月見草 風わたる草原

この土に 私のすべてがある  この国に 私の今がある

いくたびか春をむかえ いくたびか夏をすごし

いくたびか秋をむかえ いくたびか冬をすごし

 

かもめどり くろ松 岩礁 海岸  かつおどり 海つばめ うねる水平線

この国の 歴史を知ってはいない  この国の未来を知ってはいない

けれども 私はここに生まれた  けれども私はここに育った

  わたしがうたう うたではない  あなたがうたううたでもない 

  わが山々が私のうた  わが大地が私のうた

 

「わが大地のうた」詩:笠木透 曲:田口正和

 

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鹿児島県立博物館の上舞先生、中峯先生に取材のご協力をいただいた。

 

鹿児島県立博物館 

 開館時間   9:00~17:00

 休館日    毎週月曜日(祝日にの場合は翌平日)・年末年始

 入館料    本館 無料

        今回の企画展 無料

        恐竜・化石展示室 無料

        プラネタリウム 年齢により有料 

 ホームページ 鹿児島県教育委員会/鹿児島県立博物館

 

 

(M田)

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コメント: 4
  • #1

    しよ (火曜日, 29 10月 2024 12:38)

    西郷さんの近く、照国神社の参道口のあの建物は県立博物館だったのですね。
    私自身ついぞ興味が向いたことはなかったのですが、ブログを読んで言ってみたくなりました。
    M田さんの公演にも興味が惹かれたのですが、もう終わってしまったようで残念です。
    もしよかったら、youtube等にあげていただけませんか?

  • #2

    けんぞう (火曜日, 29 10月 2024 13:44)

    数が減りつつある野鳥の繁殖保護活動もされていらしゃるんですね。
    郷土の発展と繁栄の先導者
    頭が下がる思いです。

  • #3

    しかまゆきこ (木曜日, 31 10月 2024 23:49)

    そこは、元図書館だったところでしょうか?建物自体が文化財ですね。近くには素敵な美術館もあったと思いますが、もう新しい建物になっているのかな?

    それにしても、13万点の蔵出しとは!さぞ見応えがあることでしょう。真ん中に桜島、かっこいいです。とってもそそられる展示です。会期中に見に行けないのも、野鳥の公演を聴き逃した残念です。

    その歌いいですね。

  • #4

    俊藏 (金曜日, 15 11月 2024 08:31)

    過去1階~行ったことがあるような?記憶にないぐらいですが、行ってみたくなりました。