全国で「木育キャラバン」というイベントが行われているのをご存じでしょうか。
「木育」を推進する東京おもちゃ美術館がおもちゃセットを貸し出し、キャラバン的に各地で移動型おもちゃ美術館を開催するというものです。
この木育キャラバンを鹿児島でも開催できないかと、2020年に実行委員会を立ち上げて、「木のある暮らしを、明日につなごう」をコンセプトに2022年に第1回目を開催し、今年は11月16・17日に西原商会アリーナ(鹿児島アリーナ)のサブアリーナにて3回目の開催をすることができました。
実行委員会は、ヤマサハウス、山佐木材、鹿児島大学の先生・学生を中心に立ち上げ、初回開催を経て、現在は、KKB鹿児島放送、ウッドショップ木心里、芸術と遊び創造協会かごしま支部にも参加いただいて、毎月オンライン等で打ち合わせをしながら、少しずつ形を作ってきました。
おもちゃセットは貸し出してもらえますし、当日はディレクターの指示もありますが、協賛金の募集、会場の準備確認、広報、ワークショップ募集、ボランティア募集などは実行委員会側で行う必要があります。チラシを作って、実行委員で数を数えて封筒に入れて、宛名シールを貼って、とだいぶ地道な作業を経て鹿児島市内の幼稚園・保育園・小学校にお届けしています。
会場全体の様子
おもちゃで遊んでもらうことがメインのイベントではあるのですが、もう一つの目玉はワークショップです。
おかげさまで今年はこれまでよりも多い17のワークショップに参加していただきました。ふだん木工や建築など木にかかわるお仕事をされている方々が多いですが、最初はどれだけ人が来てくれるのか心配、とおっしゃっていた方も、始まるやいなや整理券を求めて行列ができるという状況に嬉しい悲鳴、小さなお子さんが作れる車、家、カメラ、キーホルダー、木琴、木のたまごなど趣向をこらして準備して臨んでくださいました。
東京おもちゃ美術館からたくさんのおもちゃがやってきました!
当日のボランティアについては、木育に関心のある方々が無償で参加してくださっています。特に鹿児島県の木育インストラクターの皆さんは、子どもたちと遊ぶのが上手で適度な距離感で見守りをしてくださいました。
また学生ボランティアについても、今年は鹿児島大学と第一工科大学の学生さんが参加してくれました。学部は様々でしたが、設営から後片付けの掃除まで、しっかり対応してくれて有難かったです。
ワークショップでものづくりに集中する子どもたち
ありがたいことに、2日間で約1800人の方に参加いただきました。運営スタッフは2日間で約200人が関わりましたので、合計2000人。一人もケガなく安全に開催できたこと、笑顔がたくさん見られたことが何よりでした。
また、昨今、木材業界や建設業界も人手不足に大変苦慮していますが、木育イベントにこれだけの人を集める力があることに、希望が持てると思っております。子どものころから木に触れてもらい、企業側も働きやすい環境を整え、少しでも多くの方に木に関わる仕事を選択肢のひとつに加えてもらえたら嬉しいです。
当日は鹿児島県内の他の市町村から自分たちの地域でも木育キャラバンを開催できないかとイベントの視察にいらっしゃっていました。鹿児島市だけでなく他の場所でも開催できるようになる日が近そうです。機会がありましたら、ぜひチェックしてみてください。 (М理)
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