今回のお題:浴衣(ゆかた) 渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
家族中しっ 揃ろた浴衣で 六月灯
けねじゅしっ そろたゆかたで ろっがっど
唱 手にな銘銘 似たよな団扇
てになめんめん にたよなうっば
久永 時盛
【解説】陰暦六月。鹿児島の各地では昔から神社や通り会などで「六月灯」と称する夏の夜祭りで賑わいます。この句は薄暮の夕涼みがてら、家族揃いの浴衣で六月灯の夜店見物に出掛ける一家の姿を詠んだものです。
湯治の宿 浴衣でビール 言うこちゃ無し
とっのやど ゆかたでビール ゆこちゃのし
唱 最初ん一杯が 何ちゅはならじ
はなんいっぺが なんちゅはならじ
川村 三生
【解説】忙しかった田植えの仕事もようやく終わり、疲れた体を癒しに今日は近郷の温泉に湯治の一泊。ゆったりと湯から上がり、浴衣に着替えて冷たいビールをギューッと飲むその美味いこと。何とも言えませんなあ。甘露甘露。
浴衣をば 着れば相撲取い 見ゆい女房
ゆかたをば きればすもとい みゆいかか
唱 俺い言わすれば まっで西郷さあ
おいにゆわすれば まっでせごさあ
米元 年輪
【解説】女性も中年を過ぎれば縦横のバランスが崩れ、今ではすっかり肥満の奥方。浴衣も幅広くなって、まるで関取のようだと笑っている句です。維新の西郷さんを鹿児島県民は「西郷さあ(せごさあ)」と「西郷どん(せごどん)」の愛称で呼んでいます。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川様にいただきました。