今回のお題:西瓜(すか)  渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

向く迷よた 西瓜割や見物人を 棒で叩っ

むくまよた すかわやみてを  ぼでどえっ

唱 キャーち娘御を   殴ろて掛っ

  キャーちおごじょを なぐろてかかっ

有川 南北

 

【解説】おなじみ西瓜割りを詠んだ句。目隠し三回まわった途端にあらぬ方向に向かって棒を振り上げたので、周囲の見物人は思わず半分逃げ腰に。でも打ち損じたあとは安堵感も加わって大笑いとなりました。

 

吝嗇が切い  西瓜あ全部   転倒けっ

けちがきい すかあねっかい はんとけっ

唱 透けっ見ゆいめ 薄す切らいこて

  すけっみゆいめ うすきらいこて

  金井 一馬

 

【解説】夏の或る日、家族連れの来客があり、倹約家の女房どの冷蔵庫から西瓜を切ってのおもてなし。然し薄く切りすぎて、乗せた皿に全部横に倒れていました。大袈裟な表現で狂句味を出した句です。

 

晩の西瓜  幼児い食せたや 大水ず出っ

ばんのすか チビいかせたや うみずでっ

唱 食せたが悪りち 婆様ん小言

  かせたがわりち ばさまんこごっ

上山 天洲

 

【解説】幼いうちは就寝前に水分を与えないように言われてきました。『寝小便で布団類を汚した』ことを『大水が出た』と揶揄して戒めています。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。