今回のお題:台風(うかぜ)  渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

前触れが  大かで恐怖い  凄げ台風

まえぶれが ふとかでびびい すげうかぜ

唱 何年振いの   超大型ち

  なんねんぶいの ちょうおおがたち

有川 南北

 

【解説】鹿児島には『蜂の巣が低い年は台風に用心』とか『台風の直前の蜂の巣に親蜂は居ない』などの諺があり、そのとおりとすれば今年の秋は再度台風の襲来が気になります。それにしても沖縄付近を北上してくるテレビ情報等には多分に恐怖がつのります。

 

台風ん度び 心配やき辛さん がんたれ家

かぜんたび せわやきのさん がんたれえ

唱 体育館に   何時も逃げかた

  たいっかんに いっもにげかた

  上原野風呂

 

【解説】亭主に甲斐性が無いばかりに今でも築ウン十年の借家住まい。雨戸の戸締りもガタピシとままならぬ建て付けのため、台風の都度指定の体育館に避難して一夜を明かす有様、その方が安全でしょう。「がんたれ家」とはボロ家と同義語です。

 

帰い便   飛ばじ台風と  島め泊っ

もどいびん とばじうかぜと しめとまっ

唱 船も出らんし  財布も空っぽ

  ふねもでらんし ふぞもからっぽ

前田 セツ

 

【解説】永年の夢が叶ってやっと南の島に遊びに来たものの、折悪しく台風と鉢合わせになり足止めをくって帰れなくなり、暫時滞在する羽目になったもどかしさを面白く詠んだ句です。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。