今月のお題 「新焼酎」(しんじょつ)

渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません


新焼酎を   十五夜ん月と    差しで飲っ

しんじょつを じゅごやんつっと さしでぬっ

唱 虫の声ずい   まこて良か晩

  むしのこえずい まこてよかばん

平中 小紅

 【解説】鹿児島には『八月梅雨しゃ倉だおし』という古いことわざがあります。つまり稲作には八月の日照りが必要で、雨が多いと作柄が悪く倉が倒れると諭したものです。ところで今年は天候不順。でも、焼酎の醸造元では例年どおりまろやかで美味い新酒が出回るようになり、飲ん兵衛にはたまらない季節になりました。


切い残けた 胃が新焼酎ん   匂ぜ覚ん

きいのけた いがしんじょつん かぜおずん

唱 嘗い程度で   飲ませち言出っ

  なむいていどで のませちゆでっ

  安藤孟宗竹

【解説】何気なく受けた健康診断にひっかかり、胃の一部を切除する羽目になったものの、その後順調に回復しつつある日、見舞いの飲み友達から新焼酎を嗅がされて眠っていた焼酎の虫が目覚めた図であります。

 

新焼酎ち   余計な事つ言で  空いなっ

しんじょつち よけなこつゆで からいなっ

唱 雉も鳴かんな  打たれんちゅ申す

  きじもなかんな うたれんちゅもす

  津留見酎児

【解説】珍しい新焼酎を入手。ひとりでゆっくり味わって飲めばよいものを、つい自慢げに飲ん兵衛どもに打ち明けた途端、試飲が弾み、たちまち空瓶が残ったという句です。


★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。

★写真:山佐木材写真部

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