今月のお題 「天気」(てんき)

渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

 

菊日和   行楽ろも財布が  足す引張っ

きっびよい でばろもふぞが  あすそびっ

唱 子供ま食お食お  家内やダメダメ

  こどまくおくお  かなやダメダメ

有川 南北

 【解説】10月は二度も大型台風が接近しました。が、幸い、大した被害もなく、やっと晩秋らしい日が続いて島津磯御殿の菊便りも聞かれる昨今、次の連休に家族の行楽を計画に及んだものの、最近諸物価値上がりの煽りで予算がままならず、結局財布の中味不足で中止と相成りました。

 

仕出屋を  度々と天気が  振い回えっ

しだしやを はいとてんきが ふいまえっ

唱 花火ゃ鳴ったが  怪し空模様

  はなびゃなったが あやしそらもよ

  福冨 野人

【解説】秋は運動会のシーズンで仕出屋さんの書き入れ時。予定通り決行を知らせる早朝の花火は鳴ったものの、どうも空模様が怪しく、折角の儲けがフイにならないよう、定まらぬ天気に困惑しているさまを詠んだものです。

 

良か天気  桜島ん灰を見て 布団干し

よかてんき しまんへをみて ふとんぼし

唱 ドンち噴た限い 油断な出来じ

  ドンちひたぎい ゆだんなでけじ

  折田さくら

【解説】霜月になると北西の季節風が吹いて、桜島の降灰は決まって大隅半島の方に流れてきます。近年、噴火の回数が増えて、或る程度慣れてはいるものの、洗濯物や布団干しには四六時中気をつかっていないと真っ黒に汚れてしまうという生活の一句です。


★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。

★写真:山佐木材写真部