今月のお題 「炬燵」(こたつ)

渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

 

着膨れっ 炬燵ち埋った 雪日和

きぶくれっ こたちいかった   ゆっびよい

唱 顎どん乗せっ 一日中てテレビ見

   あごどんのせっ    ひして  テレビみ

       種子田 寛

 【解説】気象庁の長期予報によると、今年は暖冬気味との話もありましたが、何と年の瀬には記録的な寒波がやってきました。震えながらの渋滞旅行よりも、自宅でのんびりと炬燵に入っての正月休みで英気を養うのも一興ではなかったでしょうか。

「炬燵に埋まった」との表現、それに酒好きには持って来いの雪日和と併せた情景が目に見えるようです。

 

風呂上い 炬燵ち抱かせた 温きパンツ

ふろあがい  こたちだかせた  ぬきパンツ

唱 ずうちせん内ち 幼児い着せっ

    ずうちせんうち  ちんこいきせっ 

        樋口 一風

【解説】風呂上がりの幼児が湯冷めして風邪をひかないように予め着替え用の下着やパンツを炬燵で温めている様子を「炬燵に抱かせた」と巧く詠んでいます。

 

家族中をば 不精者れなけた 掘炬燵

けねじゅをば  ふゆごれなけた  ほいごたっ

唱 電話が鳴ろが 出っ奴は居らじ

   でんわがなろが  でっとはおらじ

       岩﨑 美知代

【解説】掘り炬燵にはいっていると自然に眠くなって、いつしか億劫な気分になり、家族全員が不精者のようにごろり寝てしまうことも。たとえ電話が鳴っても誰も出ようとしないで「おい、誰か出て」を軽い口喧嘩になるのがオチのようです。

鹿児島では不精を「ふゆ」、不精者を「ふゆごろ」又は「ふゆしごろ」と軽蔑した言葉で表現します。


★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。

★写真:山佐木材写真部