渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
野暮な奴 新婚家庭い 毎晩訪っ
やぼなわろ しんこんかてい めばんきっ
唱 遠慮くしみつ 少た考えにゃ
しんしゃくしみつ ちったかんげにゃ
石野 蟹篭
【解説】鹿児島の方言で「わろ」とは「やつ」と同義語で、この句は新婚の家庭に何故か毎晩やって来る野暮な訪問客にうんざりしている様子が伺われます。楽しい新婚さんの迷惑を考えて少しは遠慮してほしいものです。
国会の 野暮な野次いな 腹が立っ
こっかいの やぼなやじいな はらがたっ
唱 論戦言どん 貶し比んご
ろんせんちゅどん けなしぐらんご
下本地 狂二
【解説】国会は政治資金と献金問題等で紛糾。さきに複数の大臣が辞めたと思ったら、又も同様の疑惑が浮上し、挙句には追求した野党側も疑いが発覚しそうで、本来の論議そっちのけの野次が飛んで悪口のなすり合いにテレビ中継を見ていて腹が立ちます。
通夜ん座で 祝んごっ飲ん 野暮な上戸
つやんざで ゆえごっのん やぼなじょご
唱 後ちな酔ろっ 踊ろちしでっ
のちなよくろっ おどろちしでっ
堂園 三洋
【解説】知人のお通夜の席に畏っていた御仁に、御目覚ましの缶ビールが出てきた。はじめは遠慮がちに戴いていたが、そこは好物のお酒。そのうち緊張がほどけてすすめられるままに酔いが回り、遂には祝い酒のようになり、踊りが出そうな様子を滑稽に詠んでいます。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部