メールマガジン第21号>完成物件紹介

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★【完成しました!】 鹿児島市 A様邸
 

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・建築設計・施工監理:Architecture Studio Nolla / 鷹野  敦 + 鷹野真紀子 様

・構造設計:Hf Structural Design / 福山  弘 様

・施工管理:株式会社ブルケン九州様

・躯体工事:山佐木材株式会社

・延床面積:103.7m2

・建築面積:60.4m2

・建物構造:木造2階建

・建物用途:住宅

・竣工: 2015年4月

 

【設計の鷹野様よりコメント頂戴しました】

今回は、表現的に突出した建築作品というよりも、求められる機能や性能をひとつずつしっかりと考え折衷させた、あくまでも一般解としての住宅を目指しました。

特に、鹿児島の自然環境の中で快適な室内環境をできるだけ機械に頼らずに整え、長持ちする住宅にしたいと考えていました。

立方体に近い建物の形や四周に張り出した庇、自然換気を促す間取りや断面構成、夏の日射を軽減する二重の屋根など、基本的な建物の構成はその考えから導き出されています。


木材利用の観点では、外壁を構成する厚さ105mmの集成材厚板パネルと、純粋な柱・梁による内部架構の組み合わせが特徴です。

集成材パネルに複数の機能(構造・断熱・気密・内部仕上げ)を担わせることで、外壁構成の単純化を図り、高性能・高寿命な住宅を標準的なコストで作ろうと試みました。

集成材のみの外壁は、熱貫流率などの数値的な性能においては劣りますが、ここではマッシブな木の動的な調温調湿効果によって室内環境を適切に保つことを意図しています。

また、構造的に外壁が全ての水平力を負担することで、一般的な在来工法の約2倍の耐震性能と、耐力壁のない可変的な内部空間を実現しています。

木質材料それぞれの特性を生かし、適材適所に組み合わせて使うことで、機能的・経済的且つ新しい木造が生まれ、木材のさらなる普及に繋がっていくのではないかと思います。(鷹野)



【鷹野  敦様 略歴】

2002          鹿児島大学工学部建築学科卒業

2004          鹿児島大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了

2004-2008 NKS Architects 勤務

2008-2009 Helsinki University of technology, Department of Architecture, International Wood Program 在籍

2009-2010 池田設計 勤務

2011-2013 Aalto University, Department of Forest Products Technology, 研究員

2012           Aalto University, Department of Forest Products Technology, Master's Program 修了

2012-         Architecture Studio Nolla 主宰

2014-         Aalto University, Department of Architecture, 研究員兼講師


【建方の様子】



Photo credits: 針金洋介

Construction Photo credits:Architecture Studio Nolla