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★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(13)
「CLT開発事業関連」
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CLT等開発事業シーズンの開始です。
ちょっとその前に・・
6月20~21日に空知単板株式会社様 主催の「空知100kmウォーク」が開催され、私も2年ぶりに参加させていただきました。
今年は参加者が1,090名と最大規模の大会となりました。
天候に恵まれ 元気にスタートした参加者は、翌日12時27時間後のゴールを目指して歩き続けました。
タイム・着順を競う大会ではないというものの、私個人的には秘かに目指していた時間はあったのですが・・・・
結果は、目標だった20時間は切れず20時間55分とギリギリの21時間切りでした。区間毎の時間を見て歩行速度を計算してみるとやはり後半には、スタート時に比べ▲1km/h とやはり歳には勝てないのか?と思ったのですが、上位ゴール者の中には72歳という方もおられ、単に自分の運動不足・不摂生の言い訳だったのかと反省。
また今回は、足のみずまめも出来ず、翌日の筋肉痛もなかったのを喜んだのですが、全力を出しきっていなかったのか?とも思われ、再び猛反省です。
大会中は、松尾社長はじめ空知単板株式会社の皆様には、たいへんお世話になりました。
改めて感謝申し上げます。そして来年も宜しくお願いいたします。
さて本題です・・
平成27年度 林野庁委託事業「CLT等新たな製品・技術の開発・普及事業」
7月3日午後5時 表題事業の申請が締め切られました。
当社も「鋼構造建築物へのCLTの利用」を目指し、今年度も応募申請をしましたが、この結果はまだ判っていませんので、次回に発表したいと思います。
すでに当社の採択が決定・公開され、スタートした事業は、次の通りです。
1. (公財)日本住宅・木材技術センター
「平成27年度CLT建築等新たな製品・技術活用建築物実証事業」
この事業を活用してCLTを使った建屋の設計を行います。
現在の当社CLT製造ラインの建屋は「幅はぎライン」を覆うスパン25m桁20mなのですが、今後製造量が増えると材料や製品を置く場所が不足してきます。
そこで、現在の建屋に併設して40m位の保管庫の計画を立てていました。
建設自体は、今年度末~来年度前半の閑散期を考えていますが、この事業において設計だけでも先に進めようということで応募⇒採択に至りました。
設計方針の特徴は、
A 梁間方向フレームにSAMURAIの採用
2棟目の実証とする
B 桁行方向はCLTを耐震壁に採用
C 時刻歴応答解析での設計
というものです。当社の目指すSAMURAI、CLTの実用化に向けての重要な一歩となると考えています。
2. かごしま木づかい推進交付金事業
鹿児島県の補助事業でも開発を進めます。内容としては、大きく以下の二つです。
①CLTを一日も早く使えるようにするため ⇒ 耐力壁での利用
・住宅の耐力壁 壁倍率
・非住宅の耐力壁 せん断試験
鹿児島県工業技術センター様のご協力のもと検討と試験を進めます。
②鋼構造の床にCLTを使えるようにするため ⇒A. 床二時間耐火 性能評価の取得
B. 鋼構造床にCLTを用いた時の遮音や歩行時の環境の確認
国交省から設計法や強度告示が、来年度早期に出される予定となっていますが、その前に少しでもCLTを利用する為の準備や方法の検討が大切と考えています。
耐火試験の速報です!
CLT床の2時間耐火の大臣認定を取得すべく、7月6・9日に床2時間耐火試験の上面加熱試験の確認試験を行いました。この試験結果が良好であれば、今年2月に実施した下面載荷試験結果と合わせることで、2時間耐火の性能評価を得る2仕様を確保できるという流れです。
メルマガの編集の都合により、今回は7月6日の試験結果のみのご報告ですが、無事に合格でした。
今年度中の2時間耐火の大臣認定を取得を目標に今後も試験等を進めていきます。
唐松CLTのご紹介
最初にご紹介した「空知100kmウォーク」の後、6月24~25日に北見市において日本木材学会北海道支部の「北海道におけるCLTの可能性」をテーマとした講演会および見学会が開催されましたので参加し、「北見セミナーハウス」を見学させていただきましたので、写真でご紹介させていただきます。
北海道林産試験場で強度を確認された、唐松CLTでの日本初の建築物です。
設計法は、時刻歴応答解析によるため設計と申請に時間を要したとのことですが、杉とは違ったCLTの表面仕様は意匠材としても十分な仕上がりと思われます。
常務取締役技術本部長 塩﨑 征男