今月のお題 「梅雨」(ながし)

渋柿会鹿屋支部

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

 

洗濯物が 居間めも割っ込だ 梅雨時

あれもんが  いめもせっくだ      ながしどっ

唱 部屋を通い度し 頭て冠めっ

       へやをといかし  びんてかんめっ

       吉岡 道場

【解説】鹿児島では梅雨のことを通常「ながし」と呼んでいます。今年は沖縄より一足先に入梅した「梅雨」の句を取り上げてみました。

この時期、子供さんがいる家庭では洗濯物の干場に苦労しておられるようで、今にも割り込んできたさまを「居間めも」と表現しています。

 

 

毎日雨   蜘蛛も網張い  疲れかぶっ

めにっあめ   こっもあんはい    だれかぶっ

唱 何度張ってん  直きずぶ濡れ

     なんどはってん  いっきすぶぬれ 

        有川 南北

【解説】獲物を捕るために、巣網を張っても、その都度雨に濡れて網が台無しになる昨今、人間様ならばさぞおつかれで、休む日もあろうにとひそかな同情を寄せて詠んだ句です。

 

 

鉄砲水      一迫舐めっ   梅雨しゃ終ん

てっぽみっ     ひとさこなめっ    ながしゃすん

唱 何や彼いやち   事ん多けこっ

     ないやかいやち    ことんうけこっ

       垂野剣付鶏

【解説】例年、水に関わる事件が起きないと梅雨は明けないと言われており、今年も入梅早々に口永良部の噴火避難騒ぎ。今後土石流の被害などないまま沈殿化してほしいと願うものです。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。

★写真:山佐木材写真部