渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
ビキニ娘を 両棒餅屋へ追込だ 大雷
ビキニごを ジャンボへうくだ
うがんなれ
唱 そーれ走れち 嗤る雷さあ
そーれはしれち わるかんねさあ
棈松 睦酔
【解説】鹿児島市で唯一名の売れた磯の海水浴場。その入り口付近に昔から両棒餅屋(じゃんぼや)というお休み処があって、誰でも一度は串刺しの両棒餅を食べたことがあると思います。
揚句は、急に空模様がおかしくなって、忽ち夕立と雷鳴に海水浴場で蜘蛛の子を散らすように近くの木陰や売店に逃げ込む様子を空の雷様が眺め、慌てふためいているビキニ娘をわらっているのを想像して詠んだ句で、程なく平穏になったことでしょう。
パーティーを 暗闇みなけた 大雷
パーティーを くらすみなけた うがんなれ
唱 ダンスん衆どま 抱っ付たまんま
ダンスんしどま だっちたまんま
入来 創雲
【解説】こちらはパーティーの最中の出来ごと。予期しない俄かの雷鳴と停電騒ぎで、復旧送電までは、さぞお困りでしたろう。
大雷 鍬も藪べ投げっ 土堤い匍っ
うがんない くわもやべなげっ ずべいほっ
唱 恐怖っ団子虫し なったとん如っ
びびっだんごむし なったとんごっ
倉元 天鶴
【解説】昔から雷様は金属目(かねめ)のものに落ちると言われており、畑仕事さなか激しい雷雨に、慌てて鍬も放り投げて近くの土手凹みに匍いつくばって難を逃れたさまが、死んだふりをするダンゴムシのようだと冷やかした笑いの句です。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部