渋柿会鹿屋支部

今月のお題 「短け」(みしけ)

青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。

分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!

(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません

 

修理大工   短け柱い  履ます下駄

かがいでっ みしけはしたい   ふますげた

唱 費用は安しどん   仕事ちゃあらつら

     ひよはやしどん   しごちゃあらつら

       中間 紫麓

【解説】鹿児島では大工職を「でっ」と詰めて発音し、修理など何でも屋的な大工を「修理大工(かがいでっ)」と呼んでいます。今話題の欠陥マンションではないですが、頼めば短い柱に下駄のように継ぎ足してくれる場合もあろうかと思います。仕事が『あらつら』とは、「大雑把」或いは「おおまか」の意を表します。

 

 

 浮気亭主  こいで二度目ん 坊主頭

  うわきてし    こいでにどめん    ぼしびんた

唱 丸坊主位れじゃ 魂は入いめだい

    まるぼしぐれじゃ    しょはいいめだい 

        上薗 佳笑

【解説】結婚ン年目、亭主に二度目の浮気が発覚して、またも夫婦に危機が。結局奥方に勝てず、罰として頭を短く丸めて謝罪したものの、さて三度目がありやなしや。


 

短け足す   二人三脚か    抱て走っ

みしけあす ににんさんきゃか でてはしっ

唱 見物人が笑るてん そいが早えかろ

      みてがわるてん    そいがはえかろ

       吉岡 道場

【解説】恒例の運動会風景の一駒。二人三脚走で大きい父兄と小さい生徒が組んで走る事になったが、遅れそうになり、やがて面倒とばかり生徒を小脇に抱きかかえての奮走で見事入賞した様子を面白く詠んだ句です。

 

★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。

★写真:山佐木材写真部