メールマガジン第27号>研究室だより

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★【大学研究室だより】南京林業大学・小松幸平先生より

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(日本語)南京林業大学 材料科学・工学院 木構造建築工学部

(中国語)南京林业大学 材料科学与工程学院 木结构建筑工程

(英語)Nanjing Forestry University (NFU), College of Materials Science and Engineering, Departments of Wood-Structure Architectural Engineering


お久し振りです。私は現在南京林業大学の材料科学・工学院、木構造建築工学部という所で大学院教育のお手伝いをさせて頂いています。勤務期間は年に3ヶ月です。こちらの大学は欧米と同じ9月始まりですので、それに合わせて南京に来るように計画しています。

 

南京林業大学は1902年に三江師範学校として創立され、その後様々な変革を経て1985年に現在の江蘇省教育庁直轄の公立大学の形態に落ち着いたようです。現在、この大学には22の学院があり、それぞれの学院の中に合計60の学部が組織されています。学生数は全学で3万人以上だそうです。

 

これから、私がお世話になっている材料科学・工学院、木構造建築工学部を紹介します。

【写真1】南京林業大学の正門写真
【写真1】南京林業大学の正門写真
【写真2】南京林業大学構内の一村15幢宿舎
【写真2】南京林業大学構内の一村15幢宿舎


【写真1】が大学の正門写真で、後ろに見える背の高いビルが学生の寄宿舎の一つです。学生はほぼ全員が寮生活のようです。構内には学生の寄宿舎、教員の宿舎、食堂(沢山あります)、銀行ATM、売店、床屋、診療所など生活に必要な機能が殆ど備わっていますので、南京林業大学村の構内から外に出なくても何とか暮らして行けます。ちなみに私は【写真2】に示す一村15幢(塔の意味らしい)という宿舎の4階に住んでいます。


林業大学らしく、大学の構内には学名などが表記された沢山の多様な樹木が植栽されており、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。【写真3】が材料科学・工学院の建物に向かう並木道、【写真4】が材料科学・工学院の建物正面です。どことなく、北海道大学のキャンパスに似ています。


【写真3】材料科学・工学院への並木道
【写真3】材料科学・工学院への並木道
【写真4】材料科学・工学院の建物正面
【写真4】材料科学・工学院の建物正面

 

私の研究室は、宿舎と同じ4階にあります。比較的古い4階建ての建物にはエレベータが設置されていません。ノートPCや資料の入ったリュックを背負って宿舎と研究室を往来すると、4階分の階段を少なくとも2回ずつ上り下りすることになり、足腰と心臓の強化にはもってこいのトレーニングです。

 

【写真5】私の研究室
【写真5】私の研究室
【写真6】学生さん達のいる実験室のある建物
【写真6】学生さん達のいる実験室のある建物


【写真5】が私の研究室です。一人では持て余すほどの広さです。机の上には新しいレノボの卓上型PCが用意されていましたが、OSが中国語なのでもっぱら自分のノートPCを使っています。

 ちなみに中国ではGoogle系の検索システムは規制されていますので、使えるのはマイクロソフト系の検索システムのbingか、中国最大手のbaidu(百度)です。山佐木材のHPはGoogle系の検索システムを利用しているようで、管理の厳しい大学の研究室では山佐木材のHPを見ることはできません。宿舎に戻るとやや規制の緩いブロードバンドが設置されていますので、M田部長の名文やM理さんの旅行記を楽しむことが出来ます。

【写真6】が学生さん達のいる実験室のある研究棟です。うまく行けば来月頃、H型鋼で門型フレームを組んだ実大部分実験用の水平加力試験装置(25トン水平ジャッキ+10トン鉛直ジャッキ)がこの研究棟内の実験室に設置されるかもしれません。今回、私を招聘してくれた木構造建築工学部主任の闕先生が、数年前に京都大学生存圏研究所の生活圏構造機能分野で1年間木構造の研修をした成果が、今南京で花開こうとしています。私もその成り行きに注目しています。


今回はこの辺で。次回以降の研究所だよりで水平加力実験他を報告できるかもしれません。