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★【シリーズ】バイオマスについて(27) 代表取締役 佐々木幸久
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林業の推進役として県内各地に森林組合があります。その元締めとして、鹿児島県森林組合連合会(以下県森連)があって重要な役割を担っています。
新年早々ご挨拶に伺って、幹部の方々と暫くお話をしました。
その時の話の中で衝撃的な発言がありました。「森林組合がお相手できる山主さんは2割くらいしか無いかもしれない」というのです。4割くらいかもしれないということは、地元の森林組合の人からも聞いて、驚きながらもさもありなん、と受けとめていたのです。それが2割とは。大変驚きました。
そこで県森連の今後の方針として、Yさんから説明があったのは次の通りです。
各森林組合の事業量確保や増大する木材需要への供給のため、その2割の山を皆伐する。そして皆伐後は再造林を働きかけるが、今の原木価格では皆伐しても再造林の費用まで賄えないので、補助金等で皆伐費用を補填して、円滑な再造林を進める。
なお補助金だけでは不足なので、民間でも資金を作る必要がある。「佐々木さんたち製材側も丸太購入に際し、1m3当たりいくらかの金(例えば100円)を拠出して欲しい。山側も原木出荷の際に同じように拠金して、これら民間資金と補助金を併せてその費用に充てたい。
1m3当たり100円だと、当社の製材量から年間500万円になります。少なからぬ負担です。それでもそれが今後の末永い森林林業の育成に有効に働くならば惜しくはありません。しかしYさんから説明されたその対策は明らかに誤っています。
ほんの何年か前、林業行政は「需要拡大」さえやればそれで良い、という時代から大きく転換、放っていても木材需要はうなぎ登りになるかもしれない時代になりつつあります。わずか2割の、持ち主のはっきりした優良な森林は、あっという間の短期間に食いつぶしてしまいかねません。
私たちの先輩たちは、全国津々浦々に膨大な森林資源を作り残してくれましたが、私たちの世代はそれを伐り尽くし、あとにはげ山と幼令林と、大量の手つかずの(全く手を付けられない不良な)山を次世代に残すことになりますが、それで良いものでしょうか。
そこで私は率直に申しました。「Yさん、確かに金も出しましょう。しかし皆伐補助金に金を出すのは反対です。森林組合の事業量確保を2割の山の皆伐で賄おうというのは明らかに間違いです。早晩行き詰まります。なぜ残り8割の山は手を付けられないのですか。その理由は何ですか」
その席におられるYさんほかの幹部の方々ももちろんそれは何が原因か良く分かっておられます。縷々お話し下さいますが、その見解も私ともほぼ共通していて、余り違いはありません。
「だったらそっちを解決して森林組合の事業確保をしましょうよ。何より先行き発展性があります。それなら私も微力ながら割り当て分を喜んで出します。」
お屠蘇気分もさめやらぬ幕の内、アイデアは溢れんばかりに出てきそうです。それを実行に移していくのも楽しそうな気がしてきます。Yさんたちに話した時は些か支離滅裂だったと思いますが、内容を少し整理して再録します。
以上のようなことをYさんたちと話して、夢の溢れる県森連ビルを後にしたことでした。
(佐々木 幸久)