渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
塾々ち ママん夢かい 苛されっ
じゅくじゅくち ママんゆめかい こなされっ
唱 遊っ間も無し 可哀相た子供
あすっまものし ぐらしたこどん
堂園 三洋
【解説】新学期が始まってわが子に対する教育ママの夢と期待がより高まって複数の塾に通わされる子供の悲哀を詠んだ句です。苛されることは「苦しめされる、さいなめされる」という意味の方言で、少し子供が可哀相にも思われますが子供も案外と息抜きの方法を知っているかも知れません。
浮気夢 抱っ付っみたや 肥満妻
うわきゆめ だっちっみたや だんべかか
唱 何ゆしやすかち 蹴い飛ばされっ
なゆしやすかち けいとばされっ
田中未来
【解説】浮気の夢をみて、相手に抱き付いたところで目が覚め気が付いたら隣に肥満な妻の体がありました。途端に妻の一喝をくらい布団場外に飛ばされた亭主どのの様子を面白く詠んだ句です。鹿児島では肥満な人をだんべと言っています。
何の夢 叫っ亭主を 揺い起けっ
ないのゆめ おらっとのじょを ゆいおけっ
唱 霊が憑たよな 気味悪の寝言
れいがちたよな きぞわりねご
諸木美舟
【解説】先程まで静かに寝入っていた亭主が何かの悪霊に取り憑かれたように変な呻き声をあげて叫び出しました。傍の家人は気味悪いと揺り起こして正気に戻したのですが、どこの家でも時々このような事はあるようです。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部