メールマガジン第37号>兵庫県宍粟地域視察

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★兵庫県宍粟(しそう)地域へ行ってきました

 林業、製材、バイオマス三位一体の経営を学ぶ(最終回)

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視察2日目、この日は協同組合兵庫木材センターを見学させていただきました。



 

(感想) 

 (協)兵庫木材センターでは柱材、間柱材を主に製材、加工されていました。ここではしっかり天乾在庫を持ち、乾燥コストを下げる取り組みを行っていました。

 製品倉庫にも製品ストックがしっかりあり、これもまた販売の強みだと思いました。(山佐木材(株)製材部 森田) 


 製材用丸太はその日のうちに搬入し製材され、計画的に効率よく生産されている。製品の方では既製サイズ出荷はもちろんだが、地元企業と連携した特殊製品への取り組みや生産工程で出る端材などを上手く活用し製品化するなど多様な商品作りにも力を入れていました。営業の方でもこれらの商品を武器とし、更なる販売強化へ取り組まれていたのが印象的でした。

 伐採から製品出荷まで各工程の利点を最大限生かし、無駄なく効率良く、いかに生産量を上げるかを常に考え、実行されている姿には身の引き締まる思いでした。自分自身を見つめ直し、今まで以上の働きができるよう取り組んで参りたいと思います。((協)きもつき木材高次加工センター 笹原) 

 


その後、場所を移動して兵庫木材センター山崎工場へ。

こちらで八木社長に講演していただきました。講演後の意見交換では質問がたくさん出ました。

 

(感想)

 このたびの宍粟地域は、非常に内容の濃い刺激的な視察研修でした。

 木質バイオマスの燃料チップという新たな売り手市場の需要で、素材生産と加工の供給側は少し売り方が変わってきているように感じました。これまでの原木市場売り中心で末口直径の計測による体積取引にチップ向けの重量取引の視点が加わり、原木市場での計測方法の慣習だけでバイオマス向けは価値も含めた歩留まりが200~300%になるという八木社長の言葉は、まさに目からウロコで衝撃的でした。

 原木生産時の造材も、バイオマス向けの材が採材に加わったことで、いい意味での余裕が生まれ、更に生産効率アップに集中できていると感じました。素材生産現場も加工施設も、生産性や付加価値をより上げるためにどうしたらいいか、儲かるところを見つけてしっかりと儲けようという姿勢が伝わってきました。

 林業・木材産業全体を見渡した時に、これまでの柱や梁桁向けの優良材供給を前提とした様々な商取引や生産・加工の習慣を当たり前のこととしない目で見られるようにしたいと思います。お陰さまで非常に有意義で勉強になる視察研修となりました。ありがとうございます。

(高知県東京事務所 小野田) 


 先日は大変貴重な視察に参加させて頂き、ありがとうございました。八木木材さんの徹底した経営スタイル、徹底しつつも地域事業体を大事にする姿勢、将来に向けて人材育成に志向されている姿、どれをとっても大変貴重な示唆を頂いたと思っております。

 現状の製材事業体として木材調達の課題であるとか、山側が製材事業体に供給する際の課題というのは肌身で感じておりますが、山側の素材生産事業体が木材加工に参入することで全く異なる木材利用(チップ、バイオマス、モミ、広葉樹、工務店との付き合い方)という次元に達しておられる所に大変刺激を頂きました。

 今回、山佐木材様の築いてこられた人脈が現れたような視察で、様々な皆さんとお知り合いになる貴重な機会を頂きました。頂いた示唆、ご縁を活かして、自社の経営にも活かして参りたいと思います。

(マルカ林業(株) 新永)

 


 先日は、素晴らしい研修会に参加させていただき、ありがとうございました。中身の濃い素晴らしい研修であったため、企画、実行についてはご苦労されたこととご推察します。第一線で奮闘されている方々の普段聞けない本音の話が聞くことができ、普段の研修とは全く異なるもので、感動することばかりでした。

 社長自らチッパーとグラップルを操作され作業されていたり、チップ作業は社長のテリトリーで、他の人は立ち入らせない。経営しながら、年間一億以上の破砕を一人でしている。社長から話をお伺いし、仕事、木、地元、現場が本当に好きな人であると強く感じました。

 八木社長の話と行動は、総てが理にかなっている。各々仕事をしっかり専門に分け、その道のトップを目指させる。また、その期待に答える為、若い人達が努力されている姿に感動しました。製品販売・方式は総て比較し最良の売り方をしている。それらを愚直に実践している。特別な考えのものは全くないが、この行動力・実践力は誰でも真似できません。

 今回、得た考え方、情報を長崎県内でも伝え、地場の活性化、林業産業化を進めて行きたいと思います。本当に、素晴らしい研修を企画いただきありがとうございました。今後とも、御指導、お付き合い、よろしくお願いします。ありがとうございました。

(長崎県農林部林政課 古藤)


視察研修を終えての感想

・ バイオマス材が単なる林地残材の有効利用から、新たな産業としての有望資産であることが再認識することができたこと。

・ 林地残材の有効利用のみでなく、さらに踏み込んだ、バイオマスエネルギー産業へ積極的に取り組みについて強く関心が高まったこと。

・ 丸太原木として販売である従来の販売体制のままでは従来の価値しか生み出すことができないが、丸太のチップ化という一歩踏み込んだ取り組みでこの新しい産業から生まれる新たな価値を享受できる可能性を感じたこと。

・ チッパーの導入判断を伺った時の回答が、「現在の生産量で収支計算することではなく、チッパーを導入することで新たな知恵と価値が生まれ、新たに生産量が見込める事を含めて導入判断をすることできる」との前向きなご回答をいただいたこと。

 収益を上げている現場を目の前で見学できた今回の視察研修の端々から、経営には常に向上心と創意工夫、技術の改革が必要であることが感じることができ、非常に意義深い視察研修となりました。

 今回の視察研修の機会を作っていただいた方々やご協力いただいた方々には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。

(長崎県林業公社 狩野)


(最後 事務局より)

 今回の研修を企画してから開催するまで、八木社長、そして奥様には大変お世話になりました。また、到着後は八木専務、春名課長、福原課長、八木課長、その他たくさんの方々にお忙しい中ご案内いただきました。本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 また、今回の視察には、東京、兵庫、和歌山、長崎、佐賀、鹿児島、と各地から、様々な形で木材に関わる方々が参加くださいました(年齢層も様々でした)。暑い中での視察でしたが、どなたも体調を崩さず、ケガもなく、事務局としても一安心でした。

 皆様から内容の濃いの視察であったと感想を頂戴しました。またどこかでお会いする機会もあると思いますので、そのときにはお互いの近況など報告できれば嬉しく思います。今回はありがとうございました。

(肝属木材事業協同組合 事務局 佐々木真理)