渋柿会鹿屋支部
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
(注)若い人は鹿児島出身者でもなかなか読めません
女房は旅行 気疲れが除れた 敷かれ亭主
かかはたっ きだれがとれた しかれてし
唱 叱っ人も居らじ まこて極楽
がっともおらじ まこてごくらっ
郷田 悠々
【解説】久し振り好天気になって、かねて計画されていた行楽日和。ツアー参加の奥様に今回は留守を受持った亭主どの。恐る人もなく、心穏やかな休養の一日はまるで極楽のようだと詠んでいます。敷かれ亭主に幸あれ。
旅帰い 気疲れん女房あ 丸で海獣
たっもどい きだれんかかあ まっでとど
唱 腹這たもんが 動かきっせじ
はらぼたもんが うごかきっせじ
東 竜王
【解説】さて、無事旅行からお帰りの奥様、それでも同伴の人々との気配りで御帰宅の途端にどっと疲れが出て畳の大休息。まるで海獣が寝ているようだと亭主どのの含み笑いが目に見えるような一句です。
五月蠅しか 子供み気疲れた 実家帰い
やぜろしか こどみきだれた さともどい
唱 丁度 耳の無 年頃じゃっで
がっつい みみのね としごろじゃっで
尾崎 若狭
【解説】久し振りに子供連れで里帰りした。自然がいっぱいの田舎で大喜びの子供達も少し馴れたらうるさくなって言うことを聞かなくなり気疲れしてしまった様を詠んだものです。
鹿児島の方言で『耳が寝』とは言って聞かせてもそれを理解しない幼な子のことをいいます。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川南北氏にいただきました。
★写真:山佐木材写真部