メールマガジン第3号>役員挨拶

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★役員からのメッセージ   専務取締役 神田 稔
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木材の不易流行

「不易流行」は、蕉風俳諧の理念の一つとして松尾芭蕉が唱えたものですが、木材利用にたとえると木材の不易流行とはどんなものなのでしょうか。

今年は、第62回式年遷宮の年であり、今年も長野県上松町(あげまつまち)の山が、遷宮の用材を伐り出す「御杣山」(みそまやま)と定められ、伐採された巨大な桧は、木曽から伊勢まで運ばれ、伊勢市内を神領民の手によって神宮まで奉曳されました。

社殿等に使われる桧は1万2千本ともいわれる膨大な量で木曽の国有林から切り出されましたが、今年は地元伊勢の宮域林からも700年ぶりに、100年ほど前から計画的に準備した桧が切り出され造営に利用されました。これこそ木材そのものを利用する不易の骨頂ではないでしょうか。

木材を流行として研究し、長年広く使われたのが、造作用集成材や合板と称されたものであり、MDF等です。それらは住宅内装や家具製造にきわめて便利で安価に提供され、大いに利用されてきました。

我が社は、平成になり大断面集成材という木材利用の流行に進出しましたが、これまで1000件を超える建造物にそのものを提供してきました。その流行の歴史の長さは第61回式年遷宮から第62回式年遷宮までの不易利用の期間とほぼ時を同じくします。

これからの木材流行は、CLT(直交集成板)やLVLとなりそうで、我が社のブログにも、また木材関係の研究・情報誌にも多々登場してくることでしょう。20年後の第63回式年遷宮時点の我が社の木材流行はどのようになっているか楽しみでなりません。

(専務取締役 神田 稔)


「不易流行」・・・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の中で得た理念。

「去来抄」に「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」とあり、「不易」はいつまでも変わらないこと、「流行」は時代に応じて変化することを意味します。