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★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(42)
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1年の経つのが歳をとってからは、妙に早く感じられるこの頃です。今(平成29年12月29日)、こうして書いているのですが、1年前は?と思いだすと全く覚えていないのです。
平成28年12月24日に入院してしまったのですが、12月28日~1月4日まで意識も無かったようで、記憶が全くありません。平成29年は、若干の後遺症を抱えてフラフラと出張を続けていましたが、今年は、健康に留意して頑張りたいと思っています。
再び CLT床耐火認定取得に向けて
平成29年度 CLTを活用した先駆的な建築物の建設等支援事業(追加募集)三菱地所(株)様が応募し採択された「CLT床一時間耐火の性能実証」のお手伝いをしているのですが、1月中旬~2月初旬に実施予定の性能評価試験準備、試験体の製作を12月に建材試験センター様立ち合いの下、行いました。
前年度の同事業で採択され、平成29年盛夏に性能評価試験を行った床2時間耐火構造は、平成29年12月20日付で大臣認定を取得できましたが、それと上面被覆材の材料仕様を同じくした1時間耐火構造バージョンでの挑戦です。1年間で性能評価試験2件は、なかなか忙しかったですが、すでに2件目の試験体製作も終え、後は試験の合格を祈るだけです。
平成29年になってからですが、2時間の試験を8回、1時間の試験をすでに2回、1月~2月にかけて1時間の試験を4回立ち合うことになりますので、8時間×8+4時間×6=88時間。何と試験実施時間だけで約4日間も試験終了を待つことになります。
試験時間以外にも、試験場への移動や前日入り、更に打合せや試験体製作立会も含めるとこの1年にかなりの時間を割いていることになります。
今回合格すると、告示で定められた床1時間耐火構造も含めて、CLTの床2時間耐火が2仕様、1時間耐火も2仕様を使えるようになり、ますます「超高層ビルに木材を使用する研究会」で進めている検討・研究の幅が、広がっていくような感があります。
また、平成29年4月より当社顧問になっていただいた稲田達夫顧問と共に、平成30年度の計画も着々と進めているので、平成30年も耐火試験に費やす日々が増えそうです。
「CLTを活用した先駆的な建築物の建設等支援事業」報告会
日時・場所が決まりました。(未定稿ですがPDF添付します)
1月下旬には正式なものを印刷・募集をされるとのことです。
参加募集・申込みは、日本住宅・木材技術センター様のHP(リンク)等で行われるとのことですので、チェックいただき、奮ってご参加願います。
CLT基準強度が改定されます
すでに皆さんご存知かと思いますが、平成28年3月31日に施行されたCLTの基準強度が改定されます。
詳細内容は、添付PDFを参照下さい。
概要としては
・面外かつ積層方向の曲げ、せん断の基準強度についてです
① 強軸方向 3層3プライ、3層4プライが追加
② 弱軸方向 5層5プライ、5層7プライが追加
という内容です。ラミナの強度は、M60A,BとM30A,Bのままですが、
この改定で 2方向跳ね出しが計算できるようになりますね。
設計施工マニュアルなど改定版となるのか? 頁差し込みとなるのか?
今後も早期に強度区分 60⇒90⇒120とかも出てくることを心待ちにします。
・・・と言っても 当社では、杉材がメインなので今の告示でも当面は、問題はないのですが・・・
過去物件 訪問の旅 Part3
先月号でいくつか挙げた昔の物件の内、近い所かなと「南郷村林業者等健康増進施設体育館」を探していたのですが、全く見つからず当時担当をされていた 旧M木材工業の上司であったM林さんに聞いてみた所 (@_@) すごい勘違いでした。
てっきり合併後の宮崎県日南市となった旧南郷町と思い、今住む鹿屋からだと近いな~と探していたのですが、実は南郷村は、合併後に宮崎県東臼杵郡美郷町となっているず~っと遠い場所だと判明したのです。
12月17日
大分に行く出張の途中にちょっと立ち寄ってみるかと向かったのですが、
日向ICから片道約1時間、いや~遠かったです。
当時は、今ほど道路も整備されていなかっただろうからもっと遠く感じたでしょうね
この体育館も当時、一般的だった湾曲集成材による山形3ヒンジアーチ構造の架構でした。
前回の山国と同様、開いておらず中には、入れなかったのですが、外壁の痛みは感じられるものの集成材自体は、健全な状態の様に見受けられました。これも当時は、NON-JAS の杉集成材です。
この建物は、私のデビュー現場であった「旧山国町林業者等健康増進施設体育館」とほぼ同年代の昭和60年頃に建てられていますので、もう30数年が経っています。
近くにいた方にお聞きしたところ、町に新しい施設が建ってからは、ほとんど使われていないとのことでした。建設地は、川沿いの斜面のちょっとの平坦地で現場に行くには、細い橋を渡るのですが、12mのトレーラー入れたのかな?とかレッカーや資材どこに置いて建てたのかな?という敷地に建てられていました。
当時、前述M林さんから聞いた話ですが、
・現場が町から遠く 施工・建て方は、皆 飯場生活をして建てた。
・村に信号が、1つしか無かったので 小学生が、信号の渡り方を授業で教わる。
など いかに山奥だった(美郷町の皆様 失礼)か・・です。
また、M林さんが担当されたいきさつとしては、その前に現場に入っていた担当者が、逃げ帰ったからとか?これはあくまで噂話ですが・・(笑)
いつか 行きたい 目標
小呂島小中学校(HP)
体育館には、やはり湾曲集成材山形3ヒンジアーチが使われているそうですが、建設は私がM木材工業入社(昭和55年)前なので、すでに37年以上も経っています。
それも 福岡市の沖の小島・・・傷みはどんなでしょうね。
小呂島には、福岡市姪浜から船でしか行けず建方用重機も船で運んだとか (@_@)
日帰りするなら火・木・土・日の朝便で行って昼便で帰るか、釣りを兼ねて現地一泊ですね
小呂島小中学校の体育館は前述の仕様ですが、校舎は旧JISの木造校舎仕様ということですので興味深々です。さて いつ行けるでしょうか?
常務取締役技術本部長 塩﨑 征男