━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★【シリーズ】CLT(Cross Laminated Timber)(48

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

技術報告会2018が開催されました

 平成30年7月10日(火) 13:00~17:00

東京大学弥生講堂 一条ホールにおいて (一社)日本CLT協会の技術報告会が、今年も満員の参加者をお迎えして開催されました。

 

プログラムはこちら

 

 今年度、私は、施工技術合理化WGの幹事をお役御免となっていますので発表はなく、山佐木材からは「製造加工WG」の幹事を担当している村田部長が発表を担当しました。

 

 同じWGでも3年もやっていると内容が、ますます詳細な項目の検討に入っていきますので またしばらくすると実務者への手引書Part2なんてのも発刊されたりするかもしれません。

 しかし こうしたWGや各種委員会を開催し、会員や研究者によってますますCLTの技術面が充実していくことは、ありがたいことだと考えています。

 


日本CLT協会 H30年度からの事務局メンバー 受付の様子です  
日本CLT協会 H30年度からの事務局メンバー 受付の様子です  
製造加工WG 村田部長の発表の様子です
製造加工WG 村田部長の発表の様子です


CLTパネル工法 中高層設計委員会

 やはり、どうしてもCLTパネル工法というと中高層建築物を思い浮かべます。

 まだ検討半ばでもありますので詳細は控えますが、日本CLT協会には、表題に書いたような委員会が設けられCLT中高層建築物の設計に関して検討が進められていて、昨年度には6階建てのフルCLTパネル工法での設計が行われ(意匠・構造・積算まで)、おおよその傾向がつかめています。

 

 引き続き、今年度は混構造。上4層をCLTパネル工法とし、下層2階をRC造とした混構造での設計(意匠・構造・積算まで)を実施し、昨年度実施したフルCLTパネル工法6階建てとのコストや設計に関する内容について検討を行うとして、すでに7月12日には2回目の委員会が開催されています。

 

※写真はインターネット 日本経済新聞の掲載写真より
※写真はインターネット 日本経済新聞の掲載写真より

 

 

海外の事例をみても、中高層となるとフルCLTというよりも、鉛直荷重は軸材料で受け、CLTは、床・屋根に使用されるケースも多くみられます。

 


 全て・・ということでもなく、構造に応じた材料の使い方というのも大事なことだと考えます。また前述のような混構造とすることで、上部4層ですので 耐火構造も1時間で済みます。1時間耐火構造で良いとなると、個別認定ではなく、平成 12 年 5 月 30 日建設省告示第 1399 号) (最終改正 平成 30 年 3 月 22 日国土交通省告示第 472 号)の告示での床などの耐火1時間構造告示と、先の平成26年に改定された壁の耐火構造告示とで対応が可能ですので、より身近な中高層への道が開かれるのではないでしょうか?

 

詳しい内容は、次のURLより・・

http://www.kakunin-ipec.co.jp/news/pdf/告示1399号耐火構造.pdf

 


株式会社 鳥取CLT発足

 平成12年に任意団体日本CLT協会を立ち上げた3社の内の1社、協同組合レングス様がこの7月1日をもって株式会社鳥取CLTに組織を改編され新たなスタートをきられました。設備・従業員・認定等はそのまま引き継がれるそうですが、今まで36mm×1m×2mのサイズ限定だったのですが、サイズ・厚さをより大きなものが製造できるように10億円の設備投資をされるそうです。

2018年2月6日 日本経済新聞電子版より
2018年2月6日 日本経済新聞電子版より

「軸組とCLT」

今まで有りそうで無かった資料とその講習会が、開催されます

(一社)JBN全国工務店協会と(一社)日本CLT協会の共催にて「軸組の中にCLTを使うには?」という内容の資料を作成し、全国にて講習会が開催されます。

 

このテキスト ¥200です

なかなか人気で 後は、講習会でないと手に入らないとの情報もあります。

講習会の詳細は、以下を参考にして下さい。

 

 

http://www.jbn-support.jp/wp/images/43fab0df2a8c5239ae325cb3a8846539.pdf

 



遠くて近い 過去物件

東京基督教大学礼拝堂

 この物件は、私が北海道の砂川工場に出向する前なので、平成2~3年頃でしょうか?

 意匠設計は磯崎新アトリエ、構造設計は、法政大学の青木繁先生が監修されたと記憶しています。

2か月前の過去物件でご紹介した「龍神村林業者等健康増進施設体育館」もそうですが、当時新しいもの好きの上司のおかげもあってCADは、あったものの2次元CAD。

 

 龍神村もこの東京基督教大の物件も立体フレームで、それを平面CADで描いていたのですが、おかげさまで立体を平面に展開して図化する力は、この時期に培われたのかもしれません。この後も立体フレームでも2次元CADで施工図を描いてきました。

 この物件は、今も私が住む千葉の船橋の家から最も近い物件で 車で2~30分くらいの所の現場に通いました。

 

 

青木先生のご指導の下

接合試験を旭川にある北海道立林産試験場で実施しました。

H型鋼を介して集成材を接合するという接合方法でした。

 


 

 

球を3つ重ねたような建物形状なのですが、

このフレームの外R半径、

球の重なる界面や妻面のRの半径が全て同じに設定されていて、当時 設計担当をされた方に対して「頭が良い人もいるもんだ」と感心させていただきました。

※同じRなのは、奥の2つの球体です

 


 

今回特に、立寄ったということではなくCLTが出てきた頃ですので平成25年頃の訪問です。以前お世話になった会社の近郊の物件視察ツアーで立ち寄った折に20年ぶりくらいに訪問する機会があり、懐かしさを感じました。


 

船橋の家からは近いのですが、鹿児島からは、なかなか船橋は遠い感じです。

 

常務取締役技術本部長 塩﨑 征男