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★【連載】やまたすく通信(2) 社有林に行ってきました
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唐突ですが、実は山佐木材も社有林を持っています(社員でも知らない人が多い?)。
何かと林業業界に提言をしてきた当社ですが、「他所様のことをとやかく言う前に自分のところから」ということで、先日確認してきました。4月に入社してから3ヶ月(もう?まだ?)、真っ先に取り組みたかったことなのですが、なかなか行く時間を取れていませんでした。社有林のある地域の森林組合さんにも無理をお願いして、4か所を回ってきました。丁寧にご対応頂いた森林組合の職員様方にこの場を借りて御礼を申し上げます。
なぜ自分たちだけで見に行かないのか、と言われそうですが、土地勘がないのもありますが、一つには施業履歴をきちんと確認したかったこと、多面的に情報を集めたかったことがあります。個人的には、森林管理は、一にも、二にも、現状・現場把握、色んな人の意見を聞くこと、と考えています。地域特性(気候、地味・地形、生活習慣、現場従事者の状況、施業方法等々)が色濃く反映されて今の森林があるわけですから、そこを無視して現状・現場把握はできません。身内だけだと偏ってしまいますので・・・と前置きが長くなってきたところで本題^^;
今回は、南大隅(根占、田代、錦江町方面)に行ってきました。台風一過、天気に恵まれて何より!!
写真:会社から根占に向かう途中。遠くに立ち込める暗雲。今日のこれから暗示しているのか?!
まずは旧田代町の1か所目。
おお!作業道が入ってる!!(そんなレベルで感動して良いのかというのはさておき^^;)
おおお!!地籍調査の杭も!!
日本中、アクセスが悪い、所有境界が確定しない山がほとんどですので、ある意味1か所目で感動してしまいました。幸先良い感じです。道を補修すれば、すぐさま何かしらの活動はできそうな林分でした。
さすが鹿児島、というべきか、下層木の繁茂が半端なかったです。あとは、和歌山と比べると林齢の割に存立本数が少なくて、その割に単木の太り方が物足りない感じ?今までの和歌山感覚からするとスカスカの印象。その光の影響による下層木なのでしょうが、台風の影響のせいか樹高も低いし、風の影響は大丈夫なのかな?等々想いを巡らせながらでした。
枝打ちも、過去3回ほどの間伐もされていた履歴を確認してきました。う~ん、それにしても久々の山はやっぱり楽しい!
写真:既設作業道と地籍調査の境界杭
写真:比較的若い林分。下層木が繁茂
2か所目は林道沿いでアクセスという意味では悪くないのですが、なかなかに厳しそうな林分。
時間の都合で林道から見るだけになりましたが、う~ん、どこから入ろう…。斜面上側にも別の林道があるらしいので仕切り直しで再度見に来る必要がありそう。
写真:林道端から眺める程度、無念。林齢的には60年生以上。
続いて3か所目。
水源地があるため道がしっかりあってこちらも感動!土場にできそうな場所もありました。
未舗装道を中に入っていくと…おおっ!!なかなか立派な林分が^^
こちらもやはり下層木がびっしり。樹高もそこそこですが、本数密度は低い。木肌を見てもそんなに悪い印象は受けませんでしたが、今後太って材積が増えていく可能性があるのか、一部ヒノキもありましたが大径材にして経済的に価値のある状態で成長していくのか(腐れや虫が入らないのか等々)、あるいは、あんなこともこんなこともできるんじゃないかな~と考えながら後にしました。
パッと見は立派でしたが、今後の管理方針を考えないといけないことに変わりはありません。しばらく歩き回りたいところでしたが、こちらも後ろ髪惹かれる想いで後にしました。
写真:未舗装道を入っていくと、土場にできそうな場所が。水源地用の管理道があるのが幸い。
写真:一部は80年生以上の林分も。森づくりの方針は社内の仲間と議論しながら考えたい題材
最後は、県道沿いから遠く眺めるばかりの林分。
ここはどうにもこうにもアクセスのしようがない!!><
どうしてスギを植えたのか…
こういういわゆる「経済性を求める林業のできない林分」も山ほどあると思いますが、どうしたものでしょうか(だから新しい法律が作られたのでしょうが。。)。
同行頂いた職員さんにもたくさんご意見を頂きながら、帰途につきました。
写真:アクセスできません!!
(実際には下部に砂防ダムがあるので、行くことは可能とのことですが。。)
今回の社有林踏査を通じて、やはり感じたのは林業のできる林分、できない林分を整理する、ゾーニングする必要性があるということ。和歌山でも痛感していましたが、今の技術や能力と活動できるキャパも考えながら、一方で森づくりを考える楽しさも感じながら、社有林の管理方針を考えていきたいところです。
最後は余談ですが、帰途、すぐそばに大河ドラマ「西郷どん」でも有名な「雄川の滝」がありましたので一瞬寄り道^^ 上から眺める展望所だけでしたが、ダブルの虹を見ることができてちょっとラッキーな気分に。良く見る写真は下から眺める景色のようなので改めて家族で行ってみたいスポットです。皆さまもぜひ!!
写真:雄川の滝展望所からのダブルレインボー。 右側、果てしなく続く直線道路を見ながら「さて、色々とどうしていこうかなぁ」と思いに耽りました。
(新永)