メールマガジン第5号>バイオマスシリーズ

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★【特集】バイオマスについて(5) 代表取締役 佐々木幸久
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ヨーロッパの木質発電

ヨーロッパでは、我が国と対照的に次のような原則に従っているようです。

  1. 小規模分散
  2. 熱主体、発電従
  3. 発電効率は求めないが熱効率を追求する

さる案内者が「小規模分散が成功の秘訣」と言っていました。

(オーストリア・ギュッシング郡にて)

 

一方、我が国では、大半が「大規模、発電主体」という選択肢をとってしまっています。様々な「懸念」の声を聞きます。その「懸念」は「燃料の木材を集めきれるだろうか」というものです。その対策として「主伐もやむを得ない」という施策をとる自治体が出てきて憂慮しています。

 そういう中で、先日熊本県庁を訪問したところ、「懸念」を越えて、明確に「否定」との見解を示されました。つまり、熊本県内に大規模な発電専用施設設置を「禁止はできない」にしても、少なくとも「歓迎しない」方針を持っておられるようです。これは大変新鮮に感じ、多いに賛同を覚えました。

 

【視察先1】

スイス バルタースヴィル(Baltarswil)熱電併給施設

ボイラー

①1200kw 熱供給専用

②2000kw 熱供給専用

③4200kw 熱電併給(発電は630kw=発電効率15%)

熱供給ボイラー(1200kwと2000kw)
熱供給ボイラー(1200kwと2000kw)
ボイラー(4200kw)
ボイラー(4200kw)

 

【視察先2】

オーストリア ガイスホルン(Gaishorn)

 Cycleenergy社 熱電併給+ペレット製造

道路を挟んで大手林業会社マイヤーメルンホフ社があり、道路下を通した配管で、チップ、おが粉が2時間当たり6トン送られてくるとのことでした。

  • ペレット 年間30,000トン生産
  • ボイラー 10,000kw 2基
  • 発電   4,200kw 2500世帯に送電
  • 熱はペレット生産の乾燥と隣接マイヤメルンホフ社へ送っている
ペレット配送タンクローリー
ペレット配送タンクローリー
ヤード
ヤード

 

次回は、ヨーロッパの給熱インフラの紹介と発電専用の合理性・非合理性について書きたいと思います。

(代表取締役 佐々木幸久)