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★さつま郷句作品抄 渋柿会鹿屋支部
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題:雪
青字は読み方です。声に出して読んでみましょう。
分からない方は近くの鹿児島出身者に読んでもらいましょう!
雪化粧で 今朝ん桜島どま 男前
ゆっげしょで けさんしまどま おとこまえ
唱 肩ん辺かあ 朝日が昇っ
かたんへんかあ あさひがのぼっ
下本地 郷二
【解説】桜島といえば鹿児島の代名詞的な火山。そして多くの県民は単に「しま」と愛称で呼んでいます。立春が過ぎても二月が最も寒い季節。年に何度か冠雪しますが、その凛とした姿を男前と見立てて詠んでいます。
雪く背負るた 猪が谷かい 追出されっ
ゆくかるた ししがたんかい うだされっ
唱 此方へ来んな 猟銃があっど
こっちへくんな てっぽがあっど
諸木 小春
【解説】二月の半ば頃まではまだ猟期。猟友と山に分け入って雪の中に潜んでいた谷間の猪を追い出している光景に、句の作者は猟銃で待ち構えているからこちらには逃げて来るなと心底では案じているのかもしれません。
雪達磨 日が照い出せば 泣っかぶっ
ゆっだるま ひがていだせば なっかぶっ
唱 暖き南国じゃ 直きひっ溶けっ
ぬきなんごっじゃ じきひっとけっ
樋之口 墨矢
【解説】南国鹿児島でもたまには雪の降る日があって、誰かが小さな雪だるまを作って門口に置いてありました。でも日光に当たるとすぐ溶けだして何だか泣きだしているみたいな姿になりましたとさ。
★解説は渋柿会鹿屋支部の有川様にいただきました。