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★新年のご挨拶 代表取締役社長 有馬 宏美
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新年明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になり、誠に有り難うございました。配信しておりますメルマガをご愛読賜り厚くお礼申し上げます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年11月より急速に新型コロナによる感染者数が減り始め、ほぼ2年にわたるパンデミックも乗越えられたのではないかと思えるほどに、ここに来て社会経済の活動や日常生活を取り戻す動きにあります。ただ完全に終息した訳でもなく、新たな変異株「オミクロン株」の市中感染が確認され、再び感染拡大の危険性も含んでいるようです。
本年もようやく正月を迎えられましたが、年末の忘年会これからの新年会とふだん関わらない人と接する機会が増えますので、「第6波」が現実味を帯びてきています。その山をできるだけ小さくするためためには、引き続き感染対策を徹底することがきわめて重要と言われています。
それにしてもこの2年の期間の中で、観える世界、風景、人々の考え方やライフスタイルなどだいぶ変化しました。多くの人は感染拡大を防ごうと、外出や仕事、また人との交流をやめる、減らすことに必死に取り組んできました。
その一つはweb会議ではないでしょうか。これまでは事あるごとに打合せ・会議・講演会等と出張が多くなされていましたが、今では会社の中で移動時間もなく行われるというようになりました。未だ不慣れなこともありますが、辺鄙な本土最南端にいる私共にとりましては有難い媒体になったと思われます。他方、私共の仕事の中におけるCLTや集成材など木質材料を活用した構造建築業では、計画設計段階から現場建設までの間、どうしても現地現物を確認しながら課題解決していくことも多く、対面での営業、技術的なやりとりは大事なコミュニケーション・ツールのひとつであります。今でもそうです。
ただ今後のウイズコロナにあっては、さらに仕事の仕方の変革が求められているように思われます。60歳を過ぎた私もこれまでなんとかエクセルやメールでやり取りしていましたが、どうもそれだけではすまない、いつでもどこでも確認できないという非効率な場面が会社全体で広がっているようです。ここに今年取り組むべき課題があるように思います。
昨年来政府においてはデジタル化、デジタル庁の推進が進められているように、私たちの仕事の中でもデータとデジタル技術の活用を加速化し、製品・技術ノウハウをより早く、より的確にサービスできるシステムへ変革していくことは避けては通れない流れだと考えています。例えひとつ小さなの導入でもどのような変化がもたらされるのかをしっかりと確認し、周知することでお客様そして社員の理解を得られるよう努めていきたいと思います。
もう一つの課題として、「ウッドショック」。このウッドショックによる影響も昨年春以降続いていますが、いま少し先の見通せない状況下にあるように思われます。ただ地域によって多少状況が異なるということを耳にします。皆様のところでは如何でありましょう。一時混乱した情勢が少し沈静化の方向へと向かっているのでしょうか。もともとこの第3次ウッドショックの原因が国内事情によるものではないのですから、すぐさま解決できる対症療法はなく、多くの製造工場では労基法内で最大限できる"残業時間"で対応するしか方策はなかったのではないかと考えられます。
日本の建築、主に住宅建築にはたくさんの木材が使用されています。課題はその多くを容易に調達しやすい外材に依存した住宅関連のサプライチェーンの中で、国産材が未だその調達先として整備されていないところにあるだろうと推察いたしております。
ご承知の通り、国産材は戦後植林された豊富な資源として、有効活用する時期に入ったと言えるまでになりましたが、一方で山村での過疎化、高齢化が進んで林業に携わる人材不足が深刻化し、また森林所有者が地域外に居住したり、或いは自分の所有する森林の存在や場所を知らないことも多いため、森林の持続的経営をさらに困難にしている状況にあります。もちろん政府も手を拱いていたわけでなく、「森林・林業再生プラン」を策定し、路網整備、森林施業の集約 化、人材の育成、木材の安定供給と利用等必要と考えられる様々な施策を施して、下がり続けた自給率の回復を図り、40%近くまで上昇するまでに至っています。
ただ、今回のウッドショックによって再認識したことは、人手不足の解消も最重要課題のひとつですが、国内の林業林産業においては諸種の環境問題にも取り組みつつ、グローバル商品である「木材」に関わる以上収益を生み出す産業、普通の業として戦略的に力強く成立するよう変化しなければならないということではないでしょうか。その中で現在の木材高騰がいつまで続くか解りませんが、いずれは需給バランスがとれる形の中で落ち着くと思われ、今回の経験を活かし、直面する課題解決するために我々自身の生産形態・業態の変革を行うと供に、ウッドショックによって一時先細りした原木の直流システムを元の形に戻すだけに留まらず、山側に一歩も二歩も近づいて共に協働する形で、国産材を安定供給できる体制を模索構築することを課題として考えて参りたいと思います。
今年も様々な課題や壁にぶつかろうと思いますが、皆様のお力、お知恵を借りながら精一杯進んで参りたいと思います。何卒より一層のご支援ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。
(代表取締役社長 有馬 宏美)