令和5年3月9日、宮崎観光ホテルにて「宮崎銀行ふるさと振興助成事業」表彰式が執り行われました。弊社を含め宮崎・鹿児島両県の13社が表彰を受けました。
この宮崎銀行ふるさと振興助成事業とは、宮崎銀行様が地域産業の開発と振興に貢献することを目的として設立し、「産業開発部門」「地方創生部門」「ベンチャー企業部門」「学術研究部門」の4部門で助成を行っております。
今回、第41回目の助成先として弊社が「産業開発部門」の『国産材を使ったCLTの開発・製造・設計・施工』で表彰を受けることとなりました。
これからも国産材を使ったCLTの開発・製造・設計・施工を一体的に取り組み、地域における産業の担い手として活躍してゆく所存であります。
(森田)
当社では国産材の需要拡大を目指してCLTに関する研究開発を続けておりますが、木構造振興(株)に申請した提案が今年度の補助事業に採択され、第一回目の委員会を開催することになりました。
(事業名「令和元年度合板・製材・集成材国際競争力強化・輸出促進対策のうちCLT建築実証支援事業のうちCLT等木質建築部材技術開発・普及事業」)
委員長は「超高層ビルに木材を使用する研究会」の会長でもある稲田顧問です。
森林総合研究所様、福岡大学様、鹿児島県工業技術センター様、ならびに委員の皆様のご協力、ご指導をいただきながら、柱梁鉄骨造・CLT床構造のビル型建物向けに、CLTを用いた制震壁システムの開発を行います。
今回はコロナ禍の中ということもあり、ZOOMを使ってのオンライン開催といたしました。 委員長の稲田顧問も自宅からの参加でした。
委員の皆様、大変お忙しいにもかかわらず、出席率100%で開催することができ、貴重なご意見を頂戴することが出来ました。
ご意見を受けまして、これから各種実験をしていく予定です。成果についてはメルマガでもお知らせしたいと思います。
(事務局)
10月19日(土)、当社が事務局をつとめる「超高層ビルに木材を使用する研究会」の第7回総会、記念シンポジウムが下記のとおり福岡で開催されましたので、ご報告いたします。
■日時:10月19日(土)13:15~
■場所:電気ビル本館 地下2階7号会議室
〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2丁目1番82号
■主催:超高層ビルに木材を使用する研究会(https://tyoukousoumokuzai.jimdo.com/)
■内容
(1)13:15~13:45 総会
(2)14:00~14:10 シンポジウム開会挨拶
(3)14:05~15:00 特別講演
「CLTの抱える課題と今後の展開」
京都大学生存圏研究所教授 五十田 博氏
(4)15:00~17:30 パネルディスカッション
「進化する建築・進化する木質構造-CLTの課題と今後の展開-」
(5)18:00~20:00 意見交換会 「大名やぶれかぶれ渡辺通り店」
■ 第7回定時総会
研究会の定時総会は、シンポジウムの前に開催され、全議案が承認されました。
設立7年目を迎え、法人会員25社、個人会員40名となりました。
研究会に興味があられる方は、入会歓迎いたします。研究会ホームページ
■記念シンポジウム
「進化する建築・進化する木質構造 -CLTの課題と今後の展開-」
■ 特別講演「CLTの抱える課題と今後の展開」
(京都大学生存圏研究所教授 五十田 博氏)
今回は京都大学の五十田先生に、基調講演をお願いしました。
海外の事例紹介、そして日本の状況、告示や耐火規定等の改定などを踏まえ、今CLT建築はどのような課題を抱えているか、また今後どのような展開が期待できるかについてお話をいただきました。
■ パネルディスカッション
基調講演のあと、稲田会長をコーディネーターとして、パネルディスカッションが行われました。
ディスカッションの前に、お一人ずつご発表いただきました。
「林野庁補助事業へのこれまでの取り組みと今後」
超高層ビルに木材を使用する研究会会長
稲田 達夫氏
稲田会長からは、これまでの林野庁委託事業・補助事業における取り組み紹介、そして今年度の取り組もうとしている床専用CLTパネルの開発状況について紹介されました。
「山佐木材DOL実験棟の設計と建設」
山佐木材株式会社 技術開発室長
桐野 昭寛氏
弊社・技術開発室より、山佐木材工場内に建設したCLTによる実験棟の紹介が行われました。接合には平成30年度林野庁補助事業で開発したラグスクリューボルトを使用するなど、コスト削減を意識しています。
「CLT床2時間耐火被覆技術について」
旭化成建材株式会社 材料技術グループ長
早乙女 一美氏
早乙女様からは、CLT床の耐火被覆について、これまでの耐火試験から得られた結果と仕様を紹介いただきました。また松尾建設様工事により得られた重量面、施工面の課題についての検討状況についてもご紹介いただきました。
「建設現場におけるロボット等の活用」
清水建設株式会社 生産計画技術部主査
中島 忠大氏
中島様からは、建設現場の課題を解決するためのロボット開発状況を、実際のロボットの動画をもとにご紹介いただきました。連装ビス打ち機など既に現場で活用がはじまっているものもあり、今後の展開が期待される内容でした。
パネルディスカッションの様子(左から稲田会長、五十田先生(京都大学)、早乙女氏(旭化成建材)、中島氏(清水建設)、桐野氏(山佐木材))
この研究会は、必ず懇親会もセットで開催され、非常に高い出席率になる特徴がありますが、今回も懇親会の方が先に定員に達し、賑やかに開催されました。
ご参加いただいた皆様、手伝っていただいた皆様、ご協力、誠にありがとうございました。
(事務局 佐々木 真理)
こんにちは。CLT部の西牧(にしまき)です。
1月29日火曜日と30日水曜日の二日間 東京ビッグサイトで開催されました東京都主催の『モクコレ2019』に初出展して参りました。
モクコレは日本各地の地域材を活用した建材や家具などの製品を、東京での木材利用の拡大を目指し開催されている展示会で、今回は40都道府県が参加し各地域を代表する木製品が数多く並べられ、会場は終始大盛況でした。
私共は鹿児島県チームとして、鹿児島県木材協会連合会様主導の下、奥建具様(家具・建具)、クリスタル鹿児島様(不燃注入木材)、黒松製材建設様(住宅メーカー)、さつまファインウッド様(国産2×4材製造)、ドリーミー大和様(造作材メーカー)と一緒に鹿児島の優秀な木材を一生懸命PRして参りました。
会場が東京ということもあり、今回は弊社の強みである大型木構造体のモックアップは実現出来ませんでしたが、CLTやSAMURAI集成材等の模型やサンプル、パネル展示などを行い、ご来場いただきました方々に大変多くご興味を持って頂きました。
一日目(29日)の開会式では、東京都の小池都知事も出席され、大都市東京での木材需要の拡大について発言され、今後の木材業界の大きな期待を膨らませつつ、身の引き締まる思いで2日間の展示会をしっかりとPR致しました。
ご来場して頂きました皆様、各ブースのご担当者の皆様、また主催されました関係者の皆様、
本当にありがとうございました。
(CLT部 西牧)
こんにちは。CLT部の西牧(にしまき)です。
1月19日(土)と20日(日)の二日間、マリンメッセ福岡で開催されました、越智産業様主催の『アイラブホームフェア2019』に初めて出展して参りました。
今回の弊社展示内容は、CLTをメインとした接合部模型と、鉄骨構造高層ビルの床にCLTを採用した1/15スケールの構造模型を展示し、PR致しました。
展示会は大盛況で、弊社ブースにも数多くの方に足を運んでいただき、CLTや木材産業の新たな可能性に
ついて色々なお話を頂きました。
地元九州ということもあり、木材産業の皆様からはたくさんの言葉を頂きましたが、中でも『九州を代表して頑張れ』などの励ましの言葉も頂、うれしくもあり身の引き締まる思いで今後も邁進してまいります。
ご来場して頂きました皆様、各ブースのご担当者の皆様、また主催されました越智産業株式会社の皆様、本当にありがとうございました。
(CLT部 西牧)
こんにちは。建設部の中野です。
平成31年1月21日と22日の2日間、一般財団法人日本建築センター主催のBCJ技術セミナー『構造設計シリーズ/木造編(基礎Ⅱコース)』に参加してきました。
(昨年7月に同セミナーの基礎Ⅰコースに参加したときのブログはこちら)
この研修は、中大規模木造の構造設計を行うための講義と演習に取り組むセミナーで、大断面集成材ラーメン構造による3階建ての事務所ビルの構造設計について、実践的な演習を行いました。
1日目は、東京都市大学の大橋教授、(株)山田憲明構造設計事務所の山田様に教えていただきました。中規模木造を設計するにあたって、計画の段階で考慮しなければならないことから、構造設計の概要、材料の決定、荷重・外力条件を決定してからの仮定断面の決定までを行いました。
2日目は、東京電機大学の朝川准教授、(株)日建設計の瀧口様に教えていただきました。1日目の続き、応力解析をする際の入力する数値の変換から、断面検討までを主に行いました。
2日間にわたって中大規模木造の構造設計の流れを学んでみて、建物を木造にするときには計画の段階から考慮するべきことがたくさんあって、応力解析する際には数値の置き換えが重要になってくることを改めて実感しました。実際に計算をしてみて、特に、計算過程で必要な数値を前の計算からひろってくることの大変さがわかりました。(いろんな計算をしていく中で複雑になっていくので…)総合して、もっと勉強しないといけないと感じた2日間でした。
講習が終わったあと、東京の建築を何か見に行こうと思いましたが、寒すぎてあまり遠くまで行く元気が無く、東京駅周辺を見に行きました。東京駅はもちろん、駅周辺に立ち並ぶ建物も駅に使われている煉瓦を引き立たせていてとても綺麗でした。
(建設部 中野)
10月12日(金)、当社が事務局をつとめる「超高層ビルに木材を使用する研究会」の第6回総会、記念シンポジウムが下記のとおり福岡で開催されましたので、ご報告いたします。
■日時:10月12日(金)13:15~
■場所:TKP博多駅筑紫口ビジネスセンター701会議室
■内容
(1)13:15~13:45 超高層ビルに木材を使用する研究会 定時総会
(2)14:00~14:10 シンポジウム開会、主催者挨拶
(3)14:10~15:00 基調講演
<基調講演>「世界の動向 環境・木造・森林」
京都大学大学院建築学専攻助教 小見山 陽介氏
(4)15:10~17:30 パネルディスカッション
「大規模ビル型建物への木材の活用促進に向けての道筋-建設コスト削減と需要拡大-」
(5)18:00~20:00 意見交換会 博多炉端「野が海」
■ 第6回定時総会
研究会の定時総会は、シンポジウムの前に開催され、全議案が承認されました。
設立6年目を迎え、法人会員25社、個人会員46名となりました。
■記念シンポジウム
「大規模ビル型建物への木材の活用促進に向けての道筋 -建設コスト削減と需要拡大-」
■ 基調講演「世界の動向 環境・木造・森林」
(京都大学大学院建築学専攻 助教 小見山 陽介氏)
今回は京都大学の小見山陽介先生に、基調講演をお願いしました。
東京大学大学院を修了され、ロンドンの設計事務所勤務のご経験をもつ36歳の若き建築家として評判の先生です。
海外の事例や、ご自身がデザイン監修として携われた「松尾建設本店新社屋」の事例から、「なぜCLTが採用されたのか?」を中心にお話いただきました。
■ パネルディスカッション
基調講演のあと、稲田会長をコーディネーターとして、パネルディスカッションが行われました。
ディスカッションの前に、お一人ずつご発表いただきました。
「大規模ビル型建物への木材の積極活用に向けて」
超高層ビルに木材を使用する研究会会長
稲田 達夫氏
今回のディスカッションは、コスト削減を一つのテーマとしており、建設費のコストダウンや、CLTそのもののコストダウンなど、現在林野庁の補助事業等で取り組んでいる方法などが紹介されました。
「鉄骨梁とCLT床の接合方法の改良について」
福岡大学工学部建築学科
助教 倉富 洋氏
倉富先生からは、鉄骨梁とCLTの接合方法について、これまで研究会で実施してきたスタッドボルトとエポキシ樹脂による接合方法と、新たにLSBと高力ボルトを用いた接合方法の実験結果が紹介されました。
「CLTを用いた事務所建築事例」
株式会社 大匠建設
代表取締役社長 井上 真一氏
井上社長は、実際に自社事務所にCLT工法を採用されましたが、施工計画から完成までの工程説明、実際にオフィスとして使用している感想などお話くださいました。
「CLTを用いた集合住宅事例」
株式会社 センチュリーハウス
代表取締役社長 加治木 百年氏
加治木社長は3階建の共同住宅をCLT工法で建設されましたが、施工は簡単であったとの感想と、CLTの需要拡大にはコスト削減を徹底的に研究するべきとのことで、共同住宅で実際にかかった金額を開示してお話くださいました。
「大型ビルの可能性」
三菱地所株式会社
住宅業務企画部CLTユニット
主事 海老澤 渉氏
海老澤様からは三菱地所CLTユニットの取り組み、また現在宮城県仙台市に建築中の「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」(木造+鉄骨造、10階建)について詳細に紹介いただきました。
パネルディスカッションの様子(右から稲田会長、井上社長(大匠建設)、海老澤氏(三菱地所)、倉富先生(福岡大学)、小見山先生(京都大学)、加治木社長(センチュリーハウス))
この研究会は、必ず懇親会もセットで開催され、非常に高い出席率になる特徴がありますが、今回は懇親会の方が先に定員に達し、賑やかに開催されました。
(事務局 佐々木 真理)
★当日配布した資料をこちらからダウンロードいただけます。
いつもお世話になっております。
CLT部の西牧です。
9月7日(金)・8日(土)の2日間、沖縄コンベンションセンターで開催されました「新洋建材フェスタ2018」に、宮崎県の吉田産業様のブースを間借りして、弊社のCLTを一部展示させて頂きましたのでご報告します。
近年、沖縄ではコンクリート造から木造への意識が高まっていると聞いてはいましたが、今回 吉田産業様のブースの木構造物の展示には、かなり多くのクリエイターの方々に興味を持ってご来場頂きました。木造建築並びにCLTにつきまして熱心に見学・ご質問を頂き、これからの沖縄の木造建築に少しでもお力になれるようPRいたしました。
私にとって沖縄の展示会は初めてで、巷での木造ブームの話をご来場いただきました方々の熱意で実感することが出来、今までの中低層コンクリート造建築物に関しましては、今後CLTの使用による木造または混構造建築へ、あまり抵抗なく変わって行けるのではないかと感じました。
また7日の夜には 出展業者含め150名程の盛大な懇親会が開かれ、建築に関わる色々な分野の方々と意見交換並びに親睦を深めることが出来、大変楽しく過ごすことが出来ました。
今回ご来場頂きました皆様、出展業者の皆さま、また主催の株式会社新洋の皆さま、このような機会を頂き、CLTをPR出来ましたことに深く御礼申し上げます。
沖縄コンベンションセンターのすぐ横に素敵なビーチ(宜野湾トロピカルビーチ)が広がっておりましたが、足すら浸ける暇なく慌ただしく終わってしまいました。次回訪れるチャンスがあれば時間の余裕と水着をしっかりと持って挑みたいと思います。(涙)
(CLT部 西牧)
こんにちは。2回目の投稿です。山佐木材新入社員の中野です。
平成30年8月6日から8月10日の5日間、「平成30年度 公共建築物等木材利用促進研修」に参加しました。
この研修は、公共建築物等の木材利用促進を図るため、中大規模の木造建築物の設計に当たっての制度、木材や木質建材の特性等についての知識及び木造建築の構造設計についての基礎的な技術を習得させ、中大規模木造建築物の構造設計及び発注等ができる者を育成することを目的に行われました。
ちょうど3年前にも意匠設計をする方を対象にした研修が行われ、当時、当社に大分県庁から研修に来ていらっしゃった西胤さんが参加されていました。
今回は入社したての私が参加させていただくことになり、大変光栄であるとともに、当社の名前を背負って参加させていただく初めての機会で緊張感もありました。
(上図)高尾駅(1927年竣工木造平屋建て)
研修場所は森林技術総合研究所(東京都八王子市)で、参加者の方は全国各地から来ていて、地方公共団体職員の方18名、民間企業の方17名、計35名での研修でした。研修中は、木造利用促進法などの法律のこと、構造設計の演習、木造の防耐火・耐久性や木材・木質材料のことなど木材に関するいろいろな講義がありました。
(上図)研修所・講義室の様子
講義のほとんどが座学でしたが、4日目には木造建築物(大月市立大月短期大学 木材校舎)の見学がありました。木造校舎の木材には大月市と山梨県の県産材を多く使用したり、床にはCLTとLVLで作ったボックスビームが使われていたり、木の特徴や持ち味を生かして適材適所に木材を使い分けていました。個人的には、建物内部に使われていた縦型日除けルーバーが光の量を調節している様子が良いなと思いました。
(上図)大月市立大月短期大学の校舎
講義を終えて、講義の先生方や一緒に参加した方たちからの話であったのは、「木造の構造設計者が少ない」ということでした。その理由として、昔からの固定概念(木造の構造設計が難しい、等)があること、木材の入手が困難であること(JAS認定工場の少なさ)や今のCLT工法の構造設計のやり方が複雑であることなどが考えられ、それらの改善が必要であるということでした。
今回の研修を通して、木材を建物に使う上で知っておくべきことをたくさん学びました。これからますます日本に木造の建物が増えていく中で、材料メーカーの当社がどのように仕事をするべきか、考えさせられる研修でした。
また、この研修では各地の林業系の方々、設計の方や同じ材料メーカーの方たちとお話をさせていただき、有意義な時間を過ごすことができました。
これからの自分の仕事に生かせるよう、講義の内容を復習しておきたいと思います。
(建設部 中野)
こんにちは。初めて投稿します山佐木材新入社員の中野です。
平成30年7月23日から24日にかけて、一般財団法人日本建築センター主催のBCJ技術セミナー『構造設計シリーズ/木造編(基礎Ⅰコース)』に参加しました。
この2日間のセミナーは毎年、木造の構造設計方法の理解と基本的実務の習得を目標に行われていて、構造設計を行う上で大事である手計算での壁量設計を学ぶために参加しました。
私個人のことですが、東京に一人で行くのが初めてで、しかも入社して初めての出張であったので緊張していましたが、思っていたよりスムーズに行くことができました。
また、東京の気温は鹿児島よりも高いと聞いていましたが、日焼け防止のために長袖で出発。
失敗しました。暑すぎました。(結局、半そでで過ごしていたので日焼けしました。)
このセミナーには30~40人の方が参加されており、その方たちの多くは、行政のお仕事をされている方々ということでした。
1日目には、株式会社細田工務店執行役員 齋藤年男様の講義で、基準法の仕様にのっとった壁量計算、四分割法、N値法を主に行い、2日目に東京都市大学教授 大橋好光先生と斎藤様の2名の講義で、性能表示による壁量計算、存在床倍率の確認、横架材接合部の確認を行いました。午前中2時間半、午後3時間半、合計6時間の講義でした。
講義は、基本的にはテキストに沿って講師の方々が解説をして、実際の建物を想定した演習を解いてみる、という形でした。講義を聞くだけでなく、演習まで行うことでより理解が深まりました。
計算式の成り立ちや、実際に構造設計を行うときに気を付けておくべきことなど、テキストには書いていないことまで解説してくださり、内容が頭に入りやすかったです。構造設計の基礎の基礎を学べた、良い機会になりました。
また、このセミナーの許容応力度設計編にも参加する予定ですので、今回のセミナーで学んだことを復習しつつ、許容応力度設計の勉強も進めていきたいと思います。
(建設部 中野)
久しぶりに東京に行ってきました。
林野庁に申請した提案が今年度の補助事業に採択され、第一回目の委員会を開催することになったためです。
(事業名「CLT等新たな木質建築部材利用促進・定着事業のうち新たな製品・技術の開発」)
6月26日(火)、東京は晴天で30度を超える暑さ、当社が契約している「ビステーション新橋」という新橋駅ビル内の会議室で実施しました。
委員長は「超高層ビルに木材を使用する研究会」の会長でもある稲田顧問です。これまで取り組んできている「鋼構造オフィスビル床のCLT化」について、更なるコストダウン、施工性を目指して、主に鉄骨とCLT床の新接合法の開発、CLT床相互の新接合法の開発、新耐火被覆方法の開発を行います。
委員の皆様、大変お忙しいにもかかわらず、驚くべき出席率で開催することができ、貴重なご意見を頂戴することが出来ました。これから1年をかけて、構造実験、耐火実験をしていく予定です。成果についてはメルマガでもお知らせしたいと思います。
(事務局)
(おまけ)
現在、六本木の森美術館で開催されている「建築の日本展」にも行ってきました。
展示の一番最初が「可能性としての木造」となっていて、おお!と思いました。
有名な建築の模型や図面が多数展示されており、多くの建築に触れることができます。
「建築の日本展」の券に「スカイデッキ無料券」というものがついていたので、展望台かな~と何気なく入場しようとしたら・・・スタッフの方に「カメラと携帯以外は全てコインロッカーに預けてください。熱中症防止のため、飲み物をお持ちでしたら飲んでからロッカーに預けてください」と言われて、え?何事??となりながら進むと、何やら専用のエレベーターに乗って、行き着いた先は・・・
六本木ヒルズの屋上でした!
眺めよかったです!
2月7日(水)、かごしま県民交流センターにおいて「鹿児島県森林・林業振興大会」が行われました。当社から社長が活動事例を発表することになっていましたので、私も初めて参加しました。
会場に到着すると、既に多くの方が集まっていました。やはり林業・木材関係者が多く、合い間に何人かの方にご挨拶することができました。
第1部は、大会会長である三反園知事の挨拶、来賓祝辞、各種表彰、スローガン採択などがありました。森山裕議員の祝電として紹介された文面がかなり長く、強い期待が感じられたこと、ベテラン揃いの表彰者の中で若い方がお二人「きこり達人」として表彰されていたことが印象的でした。
第2部は、特別講演と活動事例発表です。
特別講演は、京都大学フィールド科学教育研究センター 長谷川尚史准教授による「イノベーションの視点から日本林業の将来を探る」という講演でした。
林業は、少ないエネルギーで木材という物を作り出すことの出来る貴重な産業だが、現状では森林所有が小規模分散していることで生産性が上がらない、国内林業の存在意義や森林を所有するということについての価値認識にギャップがある。一方で技術は確実に進歩しており、林業機械、作業システム、情報管理などにより、「森林クラウド」「森林の倉庫化」なども可能な時代になっているというお話がありました。
私にとっては初めて聞くような言葉もありましたが、林業=安全、儲かる、社会貢献の側面もある、ということになれば、森林を所有して運営してみようとする企業も出てくるのかな、と思いました。
当社からは活動事例として「円滑な木材調達と新しい木材需要をつくる」という題で社長が発表いたしました。
27年度の同大会では「CLT建築の普及に向けた取り組み」として発表しましたが、そこから2年経過し、その間、実に色々なことがありましたが(今回は20分の発表なのでその辺りは省略)、CLT床2時間耐火の大臣認定取得、鉄骨造オフィスビルへのCLT床施工などを経て、昨年秋には新設備を導入することができました。
これからも当社にとっては様々なチャレンジが続きます。地域の皆様にご支援いただきながら、また数年後?の活動事例で発表できることを楽しみにしたいと思います。
(M理)
(おまけ)
大会終了後、肝属木材事業協同組合の定例会を鹿児島市「おおすみ美食市場」で開催いたしました。組合員である岡本孝志社長が頑張っています。
人も食材も大隅から行っていて、お店の雰囲気も良く、店員さんたちも感じが良くて元気が出るお店でした。
☆興味のあるかたはぜひ!
下地島空港旅客ターミナル 天井材としてCLT採択
宮古島市の下地島空港活性化対策について、沖縄県の公募に際して三菱地所の提案が採択された。沖縄県との間で基本合意書が締結され、三菱地所はここに旅客ターミナルを建設することになった。自然景観を活かし、環境の観点から木造が選択され、天井材としてCLTが決まった。光栄にも当社が材料製作、加工・架設をお引き受けすることになった。
(下地島空港完成予想図)
起工式に出席
10月11日朝、私、榎原専務、村田部長、小城リーダー4名、伊良部大橋を経由し、建設予定地に設えられた会場テントに到着。元請け会社の国場・大米JVさんの隣に私たち4名の席が設けられ、名前も掲示されていた。
地元の方は、かりゆし姿ながら、外は皆スーツ姿で強烈な日差しと猛烈な暑さで、昨夜重ねた泡盛ロックが効いて式の間はもうろう状態、何とか玉串だけは作法通り奉納。式が終わって立ち上がったら、汗がスーツを通り抜けて椅子がびっしょり。
三菱地所谷澤専務様は施主挨拶の中で、宮古島のすばらしさに惚れ込んでいること、この自然環境を活かすことを願っていることなどを話される。その中で日建設計、元請け国場・大米JVへの感謝と今後の期待を述べられたのは当然ながら、CLTのこと、そして当社の名前も出して下さり、感激する。立派に仕上げてご厚志に応えようと深く期することだった。
(佐々木 幸久)
10月28日(土)、前日開催のシンポジウムのエクスカーションとして、肝付町にて当社の新工場見学会を塩屋先生の講演付きで開催しました。
前日、鹿児島市内に宿泊した私達は、鴨池港から8時15分発のフェリーに乗り、大隅半島へ移動しました。せっかくの錦江湾だったのですが、季節はずれの台風22号の影響で朝から雨模様。せっかくの桜島も雲で隠れています。ところが参加の皆様とお話しすると、大隅半島に行くのは初めてで楽しみ、フェリーから海を見ると癒される、鹿児島で台風に遭遇するなんて貴重だ、等々、何やら意外と楽しんでいるように見受けられました。
9時には垂水港で待っていた送迎バスに皆様をお乗せし、10時には山佐木材に到着。
工場見学会は定員を50名としていましたが、結局は70名もの皆様にお申込みいただきました。会場やバスの都合により、一部お断りした方もあり誠に申し訳ございませんでした。またの機会にお待ちしております。
■CLT工場棟の見学
CLT工場棟は、鹿児島大学の塩屋晋一先生開発の鉄筋集成材SAMURAIをフレームに、CLTを耐震壁に使用した建物です。特殊な工法ということで、時刻歴応答解析を行い、大臣認定を取得しています。設計については平成27年度「CLT建築物等新たな製品・技術を活用した建築物の実証事業」に採択されました。
CLTの加工を担う工場で、CLT専用の加工機が入ります。
(建物概要)山佐木材CLT工場棟
・延べ床面積:982.25m2
・構造:木造ラーメン工法+CLT耐震壁(※梁間方向 鉄筋挿入集成材)
・設計ルート:時刻歴応答解析(評定)
・CLT:耐震壁として使用。使用量:約12m3
サイズ:T150×W3,300×L1,895mm、T150×W1,955×L3,790mm(5層5プライ)
・設計:(意匠)有限会社建築支援ファイル様
(構造)鹿児島大学 塩屋晋一様、黒木構造デザイン事務所様
・施工:国基建設株式会社様
■モルダー棟の見学
こちらはSAMURAIではなく、通常の大断面集成材を使用した建物です。
ラミナの一次切削を担うモルダーラインが入ります。
工場見学後、高山やぶさめ館に移動いただいて、お弁当を食べたあと、塩屋先生の講演会です。
この日の受付は、みすず&あかねです。
■塩屋教授の講演会
高山やぶさめ館の多目的ホールで塩屋先生の講演会を開催しました。
塩屋先生は昨日に引き続き。途中で広い会場に変更しましたが、結局こちらも満席でした。
資料は3種類。
過去の木材+鋼材による集成材の研究をまとめた資料や、塩屋研究室の皆さんで視察された最近の海外の木質構造の動向についてもご紹介いただきました。
下2枚の写真は、午前中見学いただいた山佐木材に建築中の工場2つを比較したものです。
どちらも25mスパンの工場ですが、左は通常の大断面集成材、右は鉄筋挿入のSAMURAI集成材を使用しています。右写真のオレンジ色の部分はクレーンのガーターで、クレーンの荷重も耐えるように設計いただいています。並べると違いが分かります。
■懇親会
そして14時40分という明るい時間から高山温泉ドームの宴会場で懇親会。
塩屋先生から「森伊蔵」の差し入れをいただきました!(塩屋先生、ありがとうございました!)
先ほど昼食だったような気もしますが、気にせず「乾杯」!
懇親会の最中から、台風の影響で段々と風雨が強くなり、解散して送迎バスで空港へ向かった皆様から、飛行機欠航という速報が飛び込み、ある方は鹿児島にもう一泊、ある方は福岡まで移動して一泊、ある方は最終便に変更して深夜に帰宅、等々、皆様かなり大変な目に遭われたようで、大変恐縮しております。が、どなたも一言も不満をおっしゃらず、かえってこちらの心配などしてくださいました。本当にありがとうございました。
この日の翌日、会社の駐車場が大雨で湖と化し、「油断大敵」とM田部長が早朝つぶやいたとか。。
でもまぁ、製品や生産には影響なく、社用車の水没ぐらいで済んでよかった、、ことにしましょう。
(事務局 佐々木 真理)
10月27日(金)、当社が事務局をつとめる「超高層ビルに木材を使用する研究会」の第5回総会、記念シンポジウムが鹿児島大学で開催されました。
例年、研究会の総会にあわせて、ゲストをお迎えして講演いただいておりますが、これまでは本部を置いていた福岡大学で開催していました。今回本部所在地変更にあわせ、初めて鹿児島で開催してみようかということになり、4月に実施した理事会で、シンポジウムの内容を話し合いました。
いくつか進行中のCLTプロジェクトの担当者に話をしてもらったらよいのではないか、広報次第で人はかなり集まるはずなので大きな会場でやろう、せっかく鹿児島まで来ていただくのだから翌日に山佐木材のCLT新工場も見学できるようにしてはどうか等々、話が盛り上がり、鹿児島県も主催に入ってくださることになり、講師・パネリストの方々もお忙しい中、快くお引き受けいただいて、半年の準備期間を経て、添付のような魅力的なプログラムが実現しました。
会場は、研究会副会長である鹿児島大学・塩屋晋一教授に世話人を引き受けていただき、鹿児島大学内の「稲盛会館 キミ&ケサメモリアルホール」で開催できることになりました。
安藤忠雄氏設計の建物で、建物内に見えるたまご?の中がホールになっています。
ここに入るのは私達も初めて。当日手伝ってくれた鹿児島大学の学生も入るのは初めてということで、準備の前に、まず施設見学。
シンポジウムの定員は、当初150名と設定していましたが、結果的には県内外から220名を超える方にご参加いただき、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。鹿児島大学からも先生や学生さんに多数ご参加いただきました。誠にありがとうございました。
以下、内容を少しご紹介します。
■ 第5回総会
研究会の総会は、シンポジウムに先立ち、工学部の教室にて開催され、全議案が承認されました。
設立5年目を迎え、法人会員20社、個人会員46名になり、9月に開催した松尾建設様の新社屋の見学会には、研究会の皆様にも多数参加いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
■CLTシンポジウム開会
開会にあたり、3名の方にご挨拶賜りました。
・超高層ビルに木材を使用する研究会 稲田 達夫 会長
・鹿児島県環境林務部 次長 大重 健次 様
・鹿児島大学 副学長 近藤 英二 様
■ 特別講演「ヨーロッパを中心とした木造建築の潮流」
(鹿児島大学工学部建築学科准教授 鷹野 敦氏)
トップバッターとして、鷹野先生にご講演をお願いしました。鹿児島大学大学院を修了後、フィンランドのアアルト大学(旧ヘルシンキ工科大学)に留学して博士号を取られた評判の先生です。昨年鹿児島大学の准教授に着任されました。
今回は海外の状況から今後の木造建築の潮流についてお話いただきました。「木は21世紀のコンクリート」という、このシンポジウムのキーワードとなるようなワードを出していただきました。
■ 特別講演「鉄筋集成材SAMURAIによる山佐木材CLT工場棟の設計と建設」
(鹿児島大学工学部建築学科教授 塩屋 晋一氏)
塩屋先生が開発された鉄筋集成材SAMURAIを使用した建物について紹介いただきました。
SAMURAI第一号は18mスパンの倉庫(2014年7月建設)、そして第二号が現在建設中の25mスパンの山佐木材のCLT工場棟です。
これら2件の建設により、鉄筋集成材の構造性能および設計施工について、様々な検討が重ねられていることが分かるお話でした。
■ パネルディスカッション「大規模木造施設へのCLT利用の課題と展望」
講演のあと、稲田会長をコーディネーターとして、パネルディスカッションが行われました。
ディスカッションの前に、お一人ずつご発表いただきました。
「第5回総会・記念シンポジウムの開催に当たり」
超高層ビルに木材を使用する研究会会長
稲田 達夫氏
研究会発足当初「夢を語り合う」ことからスタートし、具体的に6階建て事務所の建設実現まで漕ぎ着けたことに対する御礼と、今後更なる改良についてもご支援賜りたいことについて稲田会長からお話がありました。
「三菱地所のCLTユニットの取り組み 沖縄の空港の建設プロジェクト」
三菱地所株式会社
住宅業務企画部(兼)新事業創造部
CLTユニット 三村 翔氏
2019年春に開業を目指す沖縄の下地島空港旅客ターミナルの屋根構造材にCLTを使用する計画についてお話いただきました。
沖縄のシロアリ被害リスクを想定し、防蟻実験を実施していることも紹介されました。
「(仮称)泉区高森2丁目プロジェクト」
株式会社 竹中工務店
木造・木質建築推進本部
部長 麻生 直木氏
S造マンション10階建ての床にCLTを使用する計画についてお話いただきました。2時間耐火の大臣認定取得に向けての取り組みも紹介されました。
「松尾建設本店新社屋建設プロジェクト」
株式会社 インフォメディア
代表取締役社長 山崎 心氏
佐賀の松尾建設様の新社屋6階建ての床にCLTを使用したプロジェクトについてお話いただきました。実際の施工の様子を動画で流しながら説明いただき、今回のためにつくられた専用スタッドなど工夫された点についても紹介されました。
「小・中・大規模施設における木材の活用事例」
株式会社 三菱地所設計
構造設計部 兼 デジタルデザイン室
主事 海老澤 渉氏
ご自身が担当された物件や、海外で視察した大規模木造建築についてご紹介いただきました。また、実際設計してみて木造に対して思うことなども率直にお話してくださいました。
パネルディスカッションの様子(左から稲田会長、三村翔氏(三菱地所)、麻生直木氏(竹中工務店)、山崎心氏(インフォメディア)、海老澤渉氏(三菱地所設計))
この研究会は、必ず懇親会もセットで開催されるという特徴がありますが、今回は鹿児島大学内の食堂「エデュカ」にて、約70名の方に参加いただきました。刺身、黒豚、鶏飯など鹿児島らしいものも用意していただきました。
会場となった鹿児島大学の食堂棟は、集成材を使用しており、以前に当社が手掛けた建物です。構造材だけでなく、壁のレリーフも当社木工部(当時)にて製作したのだそうです。今は木工部が無いので、このような製作は難しそうですが、20年以上経つ今も良い雰囲気です。
今回は、主に建築に関するシンポジウムでしたが、分野を問わず、多くのお問い合わせを頂戴いたしました。遠方からも多数ご参加いただき、関心の高さを感じました。今後とも研究会として様々な発信に努めたいと思います。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
研究会に興味があられる方は、入会歓迎いたします。研究会ホームページ
(翌日「嵐の?エクスカーション編」につづく)
事務局 佐々木 真理
★当日配布した資料をこちらからダウンロードいただけます。
★日刊木材新聞にも紹介されました。
今年も9月16日(土)、17日(日)の2日間に渡り、マリンメッセ福岡で開催されたナイス株式会社様主催の『住まいの耐震博覧会・木と住まいの大博覧会2017』に、鹿児島ブースと日本CLT協会ブースの2ブースに出展して参りました。
今回は九州を直撃する台風18号と重なり、多少の不安もありましたが、大きな被害も受けず、無事に2日間開催されました。来場者数は悪天候にも関わらず1万人超えの12,925人と大盛況で、建築物の耐震や木材使用に関心が高いことを実感致しました。
日本CLT協会の展示スペースを頂き、今年で4年目となりますが、なんと今回初めて『ディスプレイ特別賞』を頂きまして、ご来場いただきました多くの方々から高い関心のもと高評価を頂けたこと、心より感謝申し上げます。また内装協力頂きましたドリーミィ大和株式会社様、CLTの展示協力頂きましたウッドエナジー協同組合様、有難うございました。
今年は弊社規格最大寸法 幅2000mm×高さ4000mm のCLTを使用して迫力あるスケール感をPR
また鹿児島ブースは今回で2回目の金賞を受賞し、鹿児島県木材協同組合連合会様主導のもと、県内木材関係各社のみんなで知恵を出し合い全力で取り組んだ成果が表れた物と感謝・感激しております。
年を重ねるごとに、CLTへの知識も大分広がり、以前は『CLTって何ですか?』という質問も多かったのですが、今年は『こんな感じに使用できないか?』や『このような建物を建てたいがCLTで出来るか?』などの具体的な質問も多く、少しずつ普及してきているのを感じ取ることが出来、うれしく思いました。
ご来場して下さいました皆様、主催されたナイス(株)のスタッフの皆様、各メーカーや地域のブースの担当の皆様、本当にありがとうございました。
(CLT部 西牧)
9月21日(木)から30日(土)まで実施された今年の「秋の全国交通安全運動」。
9月29日(金)午後4時からは肝付町東部消防分団詰所前交差点において、警察や交通安全協会、役場、県交通安全協会肝付地区メンバー、高山ソフトボールスポーツ少年団のみなさんなどが集まり、「交通安全,地域安全街頭キャンペーン」が行われました。
当社からは安全運転管理協議会・社内青年部より2名が参加しました。
参加者は街頭で交通安全の旗を持ち、子ども達が道行くドライバーに対しチラシと飲物等の配付を行い安全運転を呼びかけました。
当日は肝付町のご当地ヒーロー「大隅戦士ハヤブサキング」さんも応援に駆けつけ、キャンペーンを盛り上げてくれました。これには子ども達も大喜び!
悲しい交通事故は突然やって来るものです。秋の全国交通安全運動は終わってしまいましたが、引き続き交通安全に対する意識を高め、今後も無事故が続くように努めます。
(戸口田)
今年も「いぶすき菜の花マラソン」に参加しました。
昨年は当社から5名が参加し、当メルマガでも特集が組まれるほど大変盛り上がりましたが、今年は一緒に参加しようとしていた3名のうち、1名(S原)がエントリーに失敗、1名(K松)が大会前夜に体調トラブルと、結局当社からは私と製造のN崎さん2名の参加になりました。
(1/19編集部追記: あとで分かったのですが、集成材部の若手H高君が、「僕も参加していたのに・・」と悲しそうに言っていたそうです!知らなかった!すみません! ということで、当社からは+1名の3名参加でした!)
N崎さんは毎年複数のフルマラソンに参加するようなベテラン。フルマラソン2回目の私は、文字通り『自分との戦い』となったわけです。
とはいえ、すべては想定内でして、心地よい高揚感とともに大会当日を迎えました。一人でも参加するつもりでしたので、一人で達成感を味わって来ました。
大会当日、早朝の天気予報が雨でしたので、雨対策は万全でしたが、雨が上がった後、気温が上昇するのか、予想以上に寒いのかが予測できず、不安の中スタートを迎えました。
天気予報通りスタートと同時に雨は上がり、結局予想以上に暖かい一日となり、暑さに苦しんだ方も多いようです。
結果は6時間40分ぐらいで、もちろん完走しまして、練習の感触では5時間台の予定でしたが、努力に勝る天才なしとはよく言ったもので、練習不足を痛感しました。
後半はどこかのランナーのTシャツの背中に書かれていた【痛くても!!しねへん!!】を唱えながら、痛みに耐えゴールしました。
ゴールと同時に、『来年はもー走らん!』と思いますが、半日経つと何となく今年の反省をしたりして、来年に備える私がいました。
(さて来年はどうなるか?N時)
今年も10月22日(土)~23日(日)にかけて、かごしま県民交流センターにて「第17回かごしま木材まつり」が開催され、山佐木材もひとブースお借りして、会社PRと出店販売をいたしました。
二日間ともあいにくの雨でしたが、予想以上にお客さんが多く訪れ、天気の良かった去年よりもかなり忙しかったです。毎年、会社PRの他に何を出店販売しようか迷うのですが、今年は、有馬常務手作り「ヒノキのまな板」を目玉商品として出店販売いたしました。
最初は、「こんなにあるけど、どれだけ残るのだろう・・・売れ残って、帰りの車に載るのだろうか・・・」と心配していましたが、それを裏腹に完売する大盛況でした。(最後はたたき売り)
来年の木材まつりまでまだ一年ありますが、さっそく来年の目玉商品を考えていきたいと思います。
(製材部 森田(悠))
今年も、「住まいと建築展」、「かごしま木材まつり」、「おおすみ木材まつり」の3つ同時出店という荒業を成し遂げるべく、準備を進めておりましたが、おおすみ木材まつりの出店が雨のため中止になり、CLTボルダリング(滑り台付きにバージョンアップ?)のお披露目は、残念ながら来年に持ち越しとなりました。やや中途半端に終わってしまった新商品開発はまた来年頑張りたいと思います。
(M理)
10月21日~23日の3日間、かごしま県民交流センターで開催された「かごしま住まいと建築展」に参加してきました。22日~23日の2日間は屋外で「かごしま木材まつり」も開催され、山佐木材は両方に出展するということで、CLT部、製材部、建設部から数名が交代で参加しました。
「かごしま住まいと建築展」は、鹿児島県の住宅・建築センター主催で毎年行われており、県民1人1人に鹿児島の木材利用の状況やその可能性を知って頂くためのイベントです。
当社のブースでは今話題のCLTや集成材の製造・施工について展示しました。CLTに関しては今まで以上に身近に感じて頂けるように、JAS認定の中でも一番薄いサイズのものから二番目に大きいサイズまでのものを揃えてみました。(一番大きいものは運べなかったので…)
CLTをテレビでは見たことがあったとしても、実物は中々見る機会がない中、たくさんの人に実物を触って確認して頂くことができました。
「集成材?木を貼り合わせたら剥がれるんじゃないの?」という疑問を多くいただきました。
当社は、JAS認定を受けた工場で、徹底した品質管理のもと構造用集成材を製造しています。JAS規格は集成材の外面の品質だけでなく、見ただけではわかりにくい接着性能、強度性能、ホルムアルデヒド放散量などについて、試験方法と適合基準が定められています。
現在のJAS規格で認められている接着剤を使い、基準を守って作った集成材であれば、一般的な使用環境では50~70年は当然で、実際にはそれ以上もつだろうと言われています。特にレゾルシノール樹脂接着剤は、木材接着剤の中で最も優れた耐久性を有すると言われています。
他にも、多くのみなさんに様々なご説明をすることができて、こちらもとても良い経験になりました。
多くの方といえば、鹿児島県知事の三反園知事にも山佐木材のブースに来て頂きました。CLTや次世代の材料でもあるSAMURAI集成材の話にも耳を傾けてくださいました。
一方、外では「かごしま木材まつり」が実施され、雨の中、有馬常務がしっかりと山佐木材のブースを守ってくださいました。外が雨だっただけに、人も少ないのかなとも思いましたが、お昼頃は結構人が集まっていました。
建築展では、例年、建築関連の講演会も実施されます。今年は京都大学の五十田先生と名古屋の阿部建設の阿部社長が講演されました。両講演とも立ち見のお客様が出るほどの盛況ぶりでした。
天候にも関わらず、小さい子供から大先輩のみなさんまで、たくさんの方々にお越し頂き、私たちが作る未来の材料の話を聞いて頂いてありがとうございました。そして主催者の鹿児島県住宅・建築センターの皆様、お疲れ様でございました。また来年もよろしくお願いいたします。
(営業本部・小城)
19年前にニュージーランドに行ったときは、既にニュージーランドの国立林業研究所(NZFRI)が民営化され、そしてすべての国有林と国営木材加工工場が、フレッチャーチャレンジに売却されていました。
今回訪問したSCIONは、民営化されたFRIの後継組織であったことを知りました。フレッチャーチャレンジ社の巨大な工場も今回見学したRED STAG、その他の会社に分割されたということでした。これらの経緯はよく分かりませんでしたが、激しい国際的競争原理の中で様々な最適解を求めて変遷していったのでしょう。
20年以上前のあの大胆な民営化は、当時の政権による国柄を替えるほどの行政改革の一環と受け止めていました。もちろんそれは事実でしょう。
ここからは私の想像です。かつてニュージーランドは林業を以て立国すると決意しました。その決意の下、関わった林業研究者たちの覚悟はすさまじいものでした。世界中からこれはと思われる樹木を探してきて、広大な試験林にその苗木を植えました。その遺跡が今回ツアー2日目に訪ねた「レッドウッドフォレスト」です。
気候風土との適性、林業面での経済性、木材加工原材料としての適性など、あらゆる面から科学的合理的多角的に検証検討して、結果的に外来樹種であるラジアータパインを選定しました。
そしてそのラジアータパインにも矢継ぎ早に品種改良を進め、様々な目的にかなう多数の品種が作られました。
このラジアータパインを国木として決定し、国有林を初めとして全国的に造林しました。そして伐採できるまでに成長するや、このやや特異な材質を持つ木を、きちんと合理的に利用するノウハウを確立するために、ついには国営による巨大な木材加工会社まで設立しました。
まさに近代日本立国を図った明治の功労者たちの如くにです。この時期のニュージーランドの行政官、研究者達が何と志が高く有能で、そして果断であったことか。
私たちが訪問した約20年前というのは、恐らくその目的をほぼ完全に達していて、おそらくは達成感に満たされた中、激しい民営化の流れに潔く静かに身を委ねていたという状況にあったものと思い至っています。
これらのプロジェクトが進行中あるいは完成期の頃に、この地に身を置かれたのが九州大学の若き学徒であった堤寿一先生だったのだと思います。先生は謹厳で武士的雰囲気のある方でしたが、まさに林業立国のために取り組んでいるニュージーランドの林学研究者たちの志に傾倒し、共感と深い敬意を覚えておられたのではないかと思うことです。それに比べると自国の林業、林学の世界は一体どうしたか、と歯がゆいものがあったに違いないのです。
今回の旅行で今のバブルの様子を見ていて、直感と想像から思い切って言うのですが、この国はあの頃を分水嶺として、武士的な国から商人的な国に転換したのではないか、ふっと沸いてきた感想です。
(記憶に残る昼食)
○スバイシーポーク+ご飯
アジア系の店 砂糖でベタ甘、辛い、汗があふれる 10.8$
○インドカレー
インド人が多いのだろう。様々な種類があって、うまかった。3度食べた。広大な野菜畑があったが、カレーの具材としてインド人達が作ったものだという。 10~13$
○昼なのにモーニング!
煮た豆とソーセージ、炒り卵、ベーコン、バターを塗った食パン
安くてうまかった 9.9$
(記憶に残る夕食)
○マオリ観劇と食事
ディナー料金69$+ワイン割り勘10$
他に団長外からワイン差し入れ
料理は、鶏、豚、羊肉、魚、芋、野菜の蒸し焼き。カレー、シチュー、麺、サラダその他
ディナー料金はホテルに付け、ということになった。翌朝ホテルでこの分精算しようとしたら、「既に支払い済み」と言う。??? 誰や彼や問い合わせて、何と荒川団長がぼそっと「俺が二人分払ったかも知んない」。えっ!!??。だって英語はすごく堪能な人なのに。
マオリ劇に皆さん参加して、楽しそうだった。ちなみに有名な戦いの前の儀式、「カマテ、カマテ、カオーラ、カオーラ」とは、「生きる、生きる、死ぬる、死ぬる」という神聖なもの。コマーシャルなどで使うのは罰当たりなことのようである。
○オークランドにて最終晩餐 レストラン「モリタ」 日本人経営
120$
ニューシーランド最後の夜。心残りの無いように、まさか割り勘負けをしないようにと言うわけでは無かろうが、みんなまあ良く呑むわ呑むわ、ついに料金一人頭120$に。
参加者中ただ二人の女性、M女史と父娘で参加された宮崎県M木材の娘さんとは、二人ながら英語も堪能で、いつも笑顔でありながら気品があって、とかく放縦に流れがちな男どもの気を引き締めて、視察団の品位を汚さない上で大変功労があったことを記して、この報告記を閉じることにします。
(「ニュージーランド再訪記」完)
代表取締役 佐々木 幸久
10月15日(土)、当社が事務局をつとめる「超高層ビルに木材を使用する研究会」の第4回総会、記念講演会が福岡大学工学部で開催されました。
この研究会は今年で設立4年目を迎えました。福岡大学工学部の稲田達夫教授を中心に、主に九州内の有志10名ほどで設立しましたが、会員の皆様からのご紹介や、趣旨にご賛同いただいた方々からの入会希望により、法人会員14社、個人会員51名になりました。事務局として皆様のご支援に感謝申し上げます。
例年、10月の総会にあわせてゲストをお迎えして講演いただいておりますが、今年は宇都宮大学の中島史郎教授と林野庁木材産業課の服部浩治課長補佐に講演をお願いしました。
■日時:10月15日(土)13:00~会員受付開始、14:00~一般受付開始
■場所:福岡大学 工学部11号館 1階1111教室
■内容
(1)13:30~14:00 総会
(2)14:15~16:00 総会記念講演会
<基調講演>「中高層建築物の木造・木質化の可能性」
宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科教授 中島 史郎氏
<林野庁講演>「都市の木質化のための新たな技術の活用」
林野庁木材産業課木材製品技術室課長補佐 服部 浩治氏
(3)16:10~17:30 パネルディスカッション「鋼構造オフィスビル床のCLT化について」
<パネリスト>
稲田 達夫氏 福岡大学工学部教授
中島 史郎氏 宇都宮大学地域デザイン科学部教授
服部 浩治氏 林野庁木材産業課課長補佐
麻生 直木氏 (株)竹中工務店東京本店設計部構造部門部長
佐々木幸久氏 山佐木材(株)代表取締役
(4)18:00~20:00 懇親会 福岡大学内フォレスト(中央図書館1階)
以下、内容を抜粋してご紹介いたします。
■ 稲田会長挨拶
・研究会は丸3年経過。サステナブル建築物等先導事業に11件が採択されるなど、研究会が始まった頃に比べると、中・大規模木造建築に対する動きは非常に活発化している。来年は新しい建物の見学会等が活発に催され、それらが口火となって、今後大規模物件の木質化が急速に広まることを期待している。
・中島史郎先生について
自分が「木材工業」という雑誌に投稿した記事を、山佐木材の社長が読んだことが研究会設立のきっかけであるが、「木材工業」に寄稿しないかと仲立ちをしてくださったのが中島先生。 このことが無ければ研究会も無かっただろう。
■ 基調講演「中高層建築物の木造・木質化の可能性」(宇都宮大学地域デザイン科学部 中島史郎教授)
・6~10階建ての建物の3分の1を木造で建てると仮定すると、新たに55万m3の木材需要、11階以上の建物の3分の1の床を木質化すると仮定すると、さらに135万m3、合計すると200万m3の木材需要が生まれる計算になる。
→CLTを使用することにより更に木材使用量は増える可能性
【木造建築物の中高層化 国内事例】
つくばの建築研究所内に建設された枠組壁(2×4)工法6階建て試作棟
・1~2階は2時間耐火のため21mm厚の石膏ボードを3枚ずつ両面に被覆
・耐力を高めるため12mm厚のカラマツ合板を両面に張り、CN65釘を50mm間隔で千鳥打=壁倍率14倍相当
・内壁側に北米で開発されたMidPly Wallも使用
・通しボルト(タイダウン金物)を使用
【木造建築物の中高層化 海外事例】
カナダ ブリティッシュ・コロンビア大学の18階建て学生寮「Brock Commons」
・1階とエレベーターシャフト部分はRC造
・柱は集成材、床はCLT
・you tubeで施工の様子を見ることができるが、施工スピードはかなり早い
(音が入っていますのでご注意ください→)
・コロンビア州の法律Wood Fast Actにより木材を優先的に使うことを定めていることも背景にある
■ 林野庁講演「都市の木質化のための新たな技術の活用」(林野庁木材産業課 服部浩治課長補佐)
・2014年11月に国交省と林野庁が一緒になってCLT普及に向けたロードマップを発表
・今年は3/31付と4/1付でCLT関連の告示が施行され、材料基準強度、一般的な設計法、燃えしろ設計法が示された「CLT元年」と言える
・供給体制としては、現在、国内に7つのCLT工場
・鉄骨造の床や、耐震壁といった部分的利用にも期待
▲平成28年7月末現在のCLT工場分布図(平成28年9月に㈱中東もJAS取得)
■ パネルディスカッション「鋼構造オフィスビル床のCLT化」
防耐火、建設コスト、CLTの可能性、日本の林業経営、超高層ビルへの木材活用、先導的プロジェクトへの支援策のあり方等の課題について議論がなされました。
パネルディスカッションの様子(左から稲田会長、佐々木幸久氏(山佐木材)、中島先生、服部課長補佐、麻生直木氏(竹中工務店))
この研究会は、必ず懇親会もセットで開催されるという特徴がありますが、今回は福岡大学内のレストラン「フォレスト」にて、約40名の方に参加いただきました。大変盛り上がり、このあと二次会、三次会・・という方たちもいらっしゃったようです。(いつものこと)
当日の様子は、日刊木材新聞にも掲載されましたので、あわせてご紹介いたします。
ご参加、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。研究会への入会希望は事務局までお願いします!
事務局 佐々木(真)
ニュージーランド2日目(2016年6月8日)
アグロドームで羊の毛刈ショー
午前中希望者で「アグロドーム」に行くことに。牧畜や農業の国ニュージーランドの情報発信基地として効果的な施設です。広大な敷地があって、体験農業的な事も出来るそうですが、私たちは観光施設の木造館へ。ここで羊の毛刈りなどの出し物を見ます。
観客は中国、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド国内。日本人は私たちだけで、全体で最も少ない10人。それぞれの言語の同時通訳者がつきます。ガイドさんの紹介で日本語担当者に挨拶。
弁士が立ってショーが始まりました。この司会が大男で芸達者で、早口で良くしゃべる。それを同時通訳が必死で訳すのを、我々はイアピースから聞くのです。いささか野卑な盛り上げぶりで観客も大喜び。
ころころと羊を転がしながらの毛刈りも自ら実演、19種類の羊のお披露目、外に出ての牧羊犬による羊の追い廻しなど、大したエンターテイナーぶりです。
驚いたのが、仕事としての羊の毛刈り。
羊の毛刈りは大変儲かる仕事だというのです。
その刈り賃は1頭当たり2NZ$とのこと、えっ150円?その値段で本当に儲かるの?
弁士によると毛刈り職人は1日9時間労働で600頭の羊の毛を刈る、つまり1頭当たり1分かからないわけで、その効率に2度目のびっくりです。確かに600頭やれば、1頭2ドルでも1200NZ$、10万円以上の日当になります。年100日なら1000万円、150日なら1500万円以上の年収で、確かに「儲かる仕事」と言えそうです。
しかし1人1日当たり600頭で、年間150日の仕事量を確保するには9万頭の羊が必要です。こういう人が何百人もいて、それぞれが十分な所得を得ているのならば、畜産から食肉、繊維までの巨大なサプライチェーンが出来ていることになります。圧倒的な効率を背景にした、圧倒的な国際競争力が背景になければ出来ることではありません。もっともそれが出来ているから国際競争力が出来たとも言えるのでしょう。
しかし一頭の羊を1分で丸裸に出来るとは。労賃はわずか150円とは。それで1日10万円も稼ぐとは。感嘆しつつもまた慨嘆することでした。
羊の毛刈りを我が国林業に引き比べてみる
我が国でも戦後植えた木が概ね伐り時を迎え全国で伐採が盛んになってきました。伐ったあとには当然植え付け(再造林)をしなければなりませんが、植え付けの人の確保が難しくなっているのです。歩掛かりとしての植え付け費は決して安くないと思うのですが、植え付けの仕事が儲かると聞いたことがありません。
実は一人が1日に植え付ける本数が、主たる林業国の中では我が国が一番少ないのです。あちこちで聞くのですが、最も多いところで1日1人400本、一般的に200~250本でしょう。
一方海外ではどうか。私の聞いた限り、どこでも不思議に同じで1日1000本なのです。
1本当たり植え付け費が100円であっても200本植え付けなら、1日20000円です。一方1000本植えれば、100000円の日当になります。仮に単価が半分でも、50000円。
例えば大学生が、1人ではいやだがサークル仲間数人と休暇中に挑戦したとします。1日50000円で20日働いて100万円になります。
例えば初めての仕事で大変でしょうが、夜の飲食店のアルバイトに比べれば健康的です。やっただけの収入が保証されるのであれば若さで乗り切れるでしょう。
次の課題が生まれます。5人で1日5000本。20日間だと10万本。現状だとまず苗木の供給が追いつかないと思います。
次に植え付けの場所ですが、1ha当たり1000本植えなら5人分の作業場所として100ha、1500本植え付けで75haが必要ですが、誰がこれを継続的に、かつ広範囲に確保できるかです。
我が国では林業が儲からないことになっているので、造林から間伐まであらゆる作業に補助金を付けています。補助事業の受け払いは極めて複雑な事務作業であり、専門教育を受けた林業技術者が多数これに携わっています。ベテランの技術者が本来の業務たるべき林業の技術や構造的問題の改良に携わるいとまもない有様です。
国際的に見て我が国林業は劣勢にあり、施業面積は伸びません。単価は高くても作業量が少ないので、結果的に従事者の全体所得は他の林業国に比べて問題になりません。人手不足はやむを得ないでしょう。
本日の整理
・国際競争力を確保できる商品価格を設定する。
・それに見合う労働単価を設定。 一頭2ドルとはまた何と安い!
・単価は安いが、仕事は継続的にいくらでもある。
・本人の技倆と頑張りで、沢山の仕事をこなす。 一人で1日600頭とは!
・少しでも効率を上げられるよう、配慮する。
・平等になどとの配慮から所得の頭切りなどしない、 1日10万円!
・継続して高い所得を上げられるなら、人材は集まる。
(メモ)
・午後は、初回に紹介した「レッドウッドフォレスト」
・昼食 インドカレー 10NZ$
・夕食 荒川団長1日遅れで到着。団長を交えての合同夕食会 75NZ$
サツマイモのポタージュ、ラム肉ステーキ、デザート
ビール、ワイン
(佐々木 幸久)
平成28年9月17、18日にマリンメッセ福岡で開催された「住まいの耐震博覧会」に昨年同様、日本CLT協会の展示ブースを任され、CLTの展示をしてきました。
ブースの設営・準備はCLT部の西牧リーダーと河野さんの2名で行い、クレーンを使って1時間で完成したそうです。施工スピードはさすがCLTです。
昨年も設計を担当した西牧リーダーが、今年はデザイン性を数段レベルアップさせ、かつ色々な箇所に面白みを備えたブースを作り上げました。
展示会当日はCLT部の村田部長、西牧リーダーと私の3人で担当しました。私は初めてでしたが、たくさんの方々にCLTの展示ブースに来て頂きました。業界関係者や一般の方々、小さなお子さんまで。それぞれ見る箇所が違うので、私たちもいろいろな発見ができました。
業界関係者の方々からは、CLTの優位性や施工方法など具体的な質問がありました。去年と違って、今年の春に告示されたCLT関連告示の内容の質問も多かったです。我々も鋭いみなさんの質問にその場でお答えできず、持ち帰らないといけないものもありました。
一般の方々からは、ブース全体に対して『こういうものが公園にあるといいね』『家の庭にほしいね』などの声が。
子供達はブース内設置した、CLTの端材で作ったイスが大好評。大人の方も一部『欲しい!』という声もありました。
今回の耐震博覧会は大きな意味がありました。それは今年の春に起きた熊本大地震です。
あれから半年近く経ちましたが、その被害の爪痕はまだ様々な場所で残っています。
同じ九州で開催された今回の耐震博覧会は、1人1人が地震に対にしてどう向き合うかを考えるい良い機会だったと思います。私自身も今まで以上に身近にかつ慎重に考えないといけないと感じました。
今回もこういった機会を与えてくださった主催のナイス(株)のスタッフの皆様ありがとうございました。
そして、CLTのブースに立ち寄って頂いた皆様、各ブースで展示紹介されたメーカー様やご担当の皆様、ありがとうございました。
(営業本部 小城)
9月14日(水)、まだまだ暑い日が続く中、阿部建設(株)様が開発、弊社が製造元となる「Aパネ工法」が間もなく発売開始予定のため、佐々木社長に同行して名古屋に行って参りました。
ご参考:Aパネ工法についてはメルマガ36号シリーズCLT(27)をご覧ください。
中部国際空港で迎えてくださったのは、阿部建設社長のご子息、将也さん。空港から阿部建設の住宅展示場『大森エコタウン』へ車で送って頂きました。
道中の車内で将也さんの話を聞かせて頂きました。大手住宅メーカーを辞めて、家業を今年継がれたとのこと。そして、お酒が好きな話も…そうこうしている内に到着。打ち合わせ場所で待っていると、阿部社長がいらっしゃいました。
阿部社長は車イスで登場されました。若い頃にバイクレースでの事故がキッカケで車イスでの生活になったそうです。しかしそれよりも自分が感じたのは、とてもパワフルな印象を受けました。このパワフルさは後ほど形となって出てきます。
昼食後に打ち合わせをスタート。しばらくすると大勢の人が窓の外に。
この日はチルチンびと地域主義工務店の会の名古屋研修とのことで、今回のAパネ工法を用いた住宅の見学に大型バス2台分の人達が来られていました。
阿部社長は私たちと打ち合わせをしながら、この大勢の研修の方達への対応もこなしていらっしゃいました。
すると、阿部社長から我々に、「今日のチルチンびとの会の懇親会に来ませんか」とお誘いを頂きました。
特に予定もなかったので、そのまま我々も参加させて頂くことになりました。
まずは、研修会があり、阿部社長をはじめ地域主義工務店の会員の方々がご自身の会社の取組や説明を行いました。住宅関係のことに、ど素人の私にはどの説明もとても新鮮で興味深いものでした。
研修会終了後、隣の部屋での懇親会にも参加させていただきました。
阿部社長の弟である阿部専務に様々な業種の方々をご紹介頂きました。想像以上にみなさん、CLTへの関心があり住宅用として使うことができる、CLTを使ったAパネ工法に期待と関心を寄せていらっしゃいました。
皆様と一緒にいろいろなお話をさせて頂き、とても勉強になり、そして元気を頂きました。地域主義工務店の方々はとても元気があり、それぞれ熱い使命感を持っている方達でした。
また、地域主義工務店のみなさんにはこれからお世話になると思います。今後ともよろしくお願いいたします。
飛び入り参加での研修会、懇親会でしたが、みなさん温かく迎えてくれました。
地域主義工務店の会のみなさん。そして、阿部建設のみなさま、どうもありがとうございました。
(営業本部 小城)
オークランド空港到着
朝8時過ぎオークランド空港に到着。検疫で食品持ち込みには大変厳格とのこと、申告に少しでも虚偽があれば即刻罰金300$と脅かされました。ほんの少しばかりのおつまみを「食品あり」と書き込む。係官はカードを見て、「これは何か」と確かに聞かれました。何とか答えて無事通過。
両替所で日本円30,000円をニュージーランドドル(NZ$)に両替。手数料10NZ$を引いて356NZ$とコインが何枚か。1NZ$当たり84円。以前来たときも似たようなレートだったと思います。大きな額の札をすべて10$、20$に替えて貰いました。
お土産1万円と、5泊なので1日当たり4,000円、これで十分だろうと踏んだのですが、あに図らんや予想は外れました。
オークランドにてニュージーランド最初の食事
ニュージーランド最初の食事(昼食)はチーズ、ベーコン、目玉焼きのハンバーガーとコーヒー、15NZ$。ペットボトルの水が4.5NZ$(400円弱)だったのにはびっくり、さすがに買う気になりませんでした。同行の皆も目を丸くしていました。
ニュージーランドは住宅バブル
バスの途中で日本人の現地ガイド(運転手兼務)に話を聞きました。家を1件作ると数千万円、水辺など景観の良い場所になると1億円以上掛かるとのこと。
オークランドは人口150万の大きな街ですが、うち中国人が10%近くを占めていてしかも更に流入が続いており、彼らの投機買いも含めた旺盛な住宅購入意欲に煽られて住宅価格が高騰しているようです。
オークランドは最も初期に入植が始まったところの一つであり、数々の名所旧跡がありました。
ロトルアへ移動
途中で休憩 マタマタの町のインフォメーションセンター
映画「指輪物語」「ホビットの冒険」ロケがこの町の郊外で行われた由。 映画好きガイドさんの話。
19年前もロトルアを本拠にしてあちこち行ったものです。
市内の「ポリネシアンスパ」の話が出て、その前も通ったのですが、19年前には宿から歩いてそこに入浴したのです。数日滞在した場所が分かるかなあと思いましたが、記憶は蘇りませんでした。
酒屋でワイン購入
ホテルに入る前ガイドさんが気を利かせて酒屋に寄ってくれました。ニュージーランドのワインは安くて質が高いとのこと。これには皆大喜びで私もシャルドネ系のニュージーランドワイン2本を仕入れました。
伝票を見たら、10.99NZ$と、12.99NZ$、合計23.98NZ$ですが、Rounding 0.02NZ$で、改め24.00NZ$となっています。「丸める」とは日本でも言いますが、大概は小さいところを切り捨てることが多いのですが、こうして足すこともあるのですね。面白いと思いました。しかしそれだったら、最初から10.99などという半端な値付けをしなければ良さそうなものと思うのですが。
ホテルに着いてから早速味見してみましたが、さわやかなおいしいワインでした。この2本と、鹿児島から持ってきた焼酎小鹿5合入紙パック×2本が、これから数日の夜の友になります。
初日の夕食
ホテルから歩いて数分のところに、その名も「EATSTREET」という飲食街があって、滞在中重宝しました。初日の団長抜きの夕食は皆で連れだってホテルを出ましたが、全員での会食は団長が到着する明日の夜にしようと一決。
看板を見ながら小ぶりな食堂街を行ったり来たり、何となく好みで3、4組に分かれました。私たちは気の良さそうな美人店員さんのお誘いで数人、とある店に入りました。ビール、ワイン赤白、料理は数皿を皆でシェアして、一人頭40NZ$。
そのままホテルに帰って二次会に。それぞれ部屋から先ほど入手したビール、ワイン、つまみを持ち寄り、それに焼酎のお湯割り。焼酎5合があいたところでお開きになりました。
(佐々木 幸久)
出発、成田にて
平成28年6月6日16時30分、成田空港HISカウンター前に集合。当日CLT協会総会の日でしたが、塩﨑常務に参加して貰い、余裕を持って成田へ。おかげでこちらには多分一番乗りの到着。
さて旧知、初対面含めて参加予定者が全部そろい、いざ搭乗手続きというとき、荒川団長が「パスポートを家に置き忘れてきた」と爆弾発言。団長からは旅の注意事項や現地の気候情報などと共に、再々「パスポートだけは忘れないように」と、注意喚起のメールを戴いていていつも何か忘れ物をする私なども十分心していたのでしたが、当のご本尊が忘れてしまったとは。
航空会社と話がついて荒川先生のみ翌日便に変更、団長抜きで視察団は出発することとなりました。旅は早くも波乱含みの予感です。
飛行時間10時間30分の時間は実に長いと感じました。行きは夜行便でありかねての晩酌に比べてビール1杯ワイン2杯は少な過ぎ、また余り遅くまで読書灯をつけるのも憚られ、眠れぬ夜を持て余しました。帰り便でさほど感じなかったのは昼行便であり持って行った本をゆっくり読むことが出来たからでしょう。しかしもう海外旅行も考え物だなと感じたことでした。
防腐防蟻は50年保証
今回の視察で最も感じ入ったのは、防腐防蟻の保証期間は基本的に、Life Time(家が存続する限り)とういことです。
ニュージーランドの規格では、 内装材 5年、 外装材15年、 構造材50年 と決まっているというのです。
住宅建築中
木材はすべて保存処理している
大半がホウ酸塩(多分DOT)
ホウ酸塩はピンク色に着色。
(当社でも処理材はピンク色使用)
一部水掛かり部分をCCA処理
なお、CCAはニュージーランドでは禁止されていません。住宅の一部、雨掛かりなどで使用されますし、外構材ではタナリス等とともに非常に多く使用されています。
様々なメーカーにおいて様々な薬剤や処理技術が開発され、メーカー同士の競争もあるようですが、基本的に新築の際にはすべての木材に加圧注入されます。我が国でよくある農薬の現場塗布や、土台根太など構造材の一部処理ではなく、住宅に使用される木材すべてに加圧注入による保存処理が行われています。
それにしても我が国では何故農薬の塗布処理というような永続的な効果が期待できないやり方を、優秀な専門家がそろっているはずの薬品メーカーが推奨して恥じないのだろうかと疑問に思います。
保存処理費は60~75$/m3ということでした。NZ$であれば、5000円~6500円ということになります。家1棟分の木材が、造作材、合板も含めて30m3あるとすれば、1棟あたり15万円から20万円、十分容認できる必要経費だろうと思われます。
当社としても「保証期間」50年と決めるのは時期尚早としても、長期の耐朽性能について真剣に考える必要があるように思います。
その手法についていろいろあると思いますが、家1棟分すべて処理する人にはm3当たり処理費を安くして全棟処理を強く推奨する。
ホウ酸処理マニュアルを再度チェック、温湿度管理が出来る養生室を整えてしっかりした養生を行う。
以上のようなことを検討すべきだと考えました。
ポールコンストラクション構法
防腐処理した丸太を穴に立てて、コンクリートで埋める。
その丸太柱の上に桁を乗せて建物にする。
ニュージーランドやオーストラリアでよく見る。
帯のこ。幅が広く、身も厚い。
背にも刃がついている。
木造の防火用水タンク。二つの工場で見る。
防腐処理(CCAもしくはCuAZ)した木材で作る。
長い鉄筋で絞る。下が水圧が掛かるので、
下に行くほど段々鉄筋の距離が近くなっている。
次回予告
ニュージーランドでの食事その他について
(佐々木 幸久)
19年ぶりのニュージーランド
NPO法人ホウ素系木材保存剤普及協会という団体があります。理事長は荒川民雄氏、ボロンテクノロジー代表。私も理事会の末席を汚しています。
その荒川理事長からニュージーランド視察の企画を聞いたとき、これは是非とも行かねばなるまいと思いました。ひとつは荒川先生の防腐防蟻関連の視察が久しぶりだったこと、それともうひとつは20年近く前ニュージーランドに旅行した時の印象がとても良かったのです。
この時は堤寿一先生(当時九州大学農学部名誉教授)のご案内で、今回のようにオークランド空港に到着後、ロトルアを中心に、堤先生が練りに練った計画を作ってくれて有意義に視察を行うことが出来ました。そのようなことでお話があってすぐに1週間の時間を作る段取りを始めました。
帰国後 同行のNさんからメール
実は旅行から帰ってから、同行のAFM Japan社のNさんから以下のようなメールを戴きました。
Nさんのメール
(前略)帰国後、ガイドいただいた松木さんのサイトを検索中に、佐々木社長の平成9年の「ニュージーランド視察記」を見つけ拝読いたしました。
視察前に読んでいれば相当に視る目が違ったのにと残念です。
20年近く前の森林・木材関係の事情も大きくは変わっていないようで、ただ、所有形態が政策により民間化が進んでいるようで、松木さんのレポートの内容に理解がつきます。
訪れたSCIONが森林総合研究所が前身と聞きましたが、当時にもNZ森林総合研究所を訪れておられ、案内の仕方も次々と担当から担当に引き継がれるとの文章に、今回も同様であったなと思いました。
松木さんが属したフレッチャー社も訪れておられ、時期的にどこかでお二人のニアミスがあったのではないかと思われてしまいます。(後略)
私もNさんに言われて、改めて自分の昔のレポートを再読してみました。もうこの歳になるとあまり勉強もはかが行かないのですが、当時は見るもの聞くもの新鮮で、しかも堤先生の実に懇切な解説付きですから、こと細かに記録しています。当社ホームページでも検索できますので、興味を持った方は読んでみて下さい。
■ ニュージーランド視察記(社内報「やまさ」平成9年8月号~11月号掲載)
故 堤寿一先生をひそかに偲ぶ旅に
私にとってニュージーランドは即ち堤先生でした。先生はニュージーランドを愛し、この国の林業研究や研究者たちに深い尊敬の思いを抱いておられました。今回の旅行は堤先生を偲びつつ、20年間の変化や推移を観察できれば、と考えていました。
荒川理事長からは参加者全員にそれぞれの視察先について分担してレポートを提出するように指示があり、そして佐々木には「レッドウッドフォレスト」が割り当てられました。
今回のレッドウッドフォレスト山行中、私は不思議としか言えないことに出会いました。それが耳に入ってこのテーマを私に割り当てたのでしょう。 従って今回は順番を飛ばして、まずレッドウッドフォレストの山歩きからレポートし、その他は次回にしたいと思います。
さてその山中での不思議なことについて述べる前に、今少し20年前の旅行のことを述べることにします。
堤先生は九州大学で木材理学の研究室で永年研究、指導をしておられました。若い頃ニュージーランド国立林業研究所に留学、ラジアータパインを主とした材質の研究をされました。そしてその材質の特徴について、正確な知識、情報を初めて我が国にもたらした方です。ラジアータパインの製材JASは他の樹種のそれに比べて妙に学理的ですが、先生の情報を元に作られたものです。
先生はニュージーランドが大好きで、毎年のように行っておられたと思います。九州大学退官後あるとき、今年もまた行ってくるとお聞きしました。先生の滞在中に私もお邪魔させて下さいとお願いして、約1週間の視察が実現したのでした。シーズンもたまたま今回のツアーとほぼ同じ時期です。
この絶好の機会に自分だけで行くのは勿体ないと思い、関心のありそうな方々に声を掛けてみました。急な日程の中、都合がついたのが、当時当社で技術指導をして戴いていた中村徳孫先生(当時宮崎大学名誉教授)、鹿児島県工業技術センター遠矢木材工業部長のお二人でした。ちなみに3人とも自費での参加です。
あの時のニュージーランドはこんなにも過激に、と思うほどに急速な民営化のただ中にありました。国有林も民営化されましたし、二日間にわたって訪問した林業研究所も、民営化直後で雰囲気も如何にも慌ただしく、良くない影響が出なければ良いがと思ったような気がしたものです。
先生の昔からの滞在先のお宅に私たち三人もホームステイさせて貰いました。気むずかし屋のご主人と、昔モデルだったというのが信じられない、おしゃべりで世話好きの奥さん。お茶はいかが?としょっちゅう言われるのに閉口しながらも、堤先生ご夫妻、親戚づきあいとも言うべき宿のご主人夫妻と、朝夕の楽しかった思いでがよみがえりました。
当時ニュージーランドは物価が大変に安かったのです。消費税は当時からとても高く、20%近い税率だったと記憶します。ただ税込みで値段を聞くとそれでも安くて、満足しました。昔のレポートにその辺も記録しています。
今回驚いたことの一つが、ニュージーランドの物価高でした。まさにニュージーランドはバブルの真っ最中、と言える状況です。
当日午後の予定としてまず間欠泉の見学、その後レッドウッドフォレストの視察という見学コースがありました。
私はより多くの時間をこのレッドウッドフォレストで過ごしたいと思い、間欠泉の見学はキャンセルしました。英語の堪能なM女史と、ホウ酸塩防腐処理事業をシステム化して全国展開しているA社長が賛同、3人でのツアーとなりました。
森の中での不思議な邂逅
この公園は元々国の林業研究所の施設で、重大な目的のために設置、目的を果たして公園となったものです。ニュージーランドの人工林草創に当たり、どのような樹種を選択するかまさに国家的取り組みをした、若い国故にこそ、どこの国もここまで徹底して取り組んだことのない、まさに林業研究の革命でした。世界中から有望そうな樹木、日本からもカラマツ、スギなども苗木を取り寄せて植林し、成長性や地域への適合性、材質など仔細に調べられたと聞いています。
私たちは2時間コースを選択、巨木の森を歩き始めました。暫く歩いている内に、この森の中で先に述べたまさに不思議としか言いようのない出会いがあったのです。地元の人と思われる高齢の紳士が、後ろから早足で歩いてくるので、ゆっくり散策している私たち3人は道を譲ろうと脇へよけました。すると追い越しざま、「日本の方ですか」と片言の日本語で語りかけてきました。いろいろ話す中で、Mさんが私たちは木材関係の視察団で、と達者な英語で紹介しました。
くだんの紳士も日本との関わりを話しました。自分も林業関係で、九州大学で昔林学を教えた、宮崎や秋田にも行った、筑波のクロダとは一緒に仕事をした等、どうもただならぬ成り行きになりそうです。
そこで「堤教授を知っていますか」と聞いてみました。地元の日本びいきの老紳士と日本からの観光客とのたわいない立ち話が、ここでがらりと局面が変わりました。襟を正して深林での名刺交換の仕儀となりました。
さて貰った名刺には、Dave Cown
な、なんだって! カウン先生!
堤先生のお引き合わせか
一瞬総毛立つような気がしました。もうこれは堤先生のお引き合わせとしか思えません。九州大学に集中講義で招聘したのも堤先生なら、南九州の木材工業を案内して回ったのも堤先生(その際当社も訪問)。先述したラジアータパインの解説書「ニュージーランドパインユーザーガイド(堤、黒田監修)」の原著者の一人でもあります。
改めて名刺をよくよく見ると、かつてのFRIの後継組織SCION、そこのSenior Scientistという肩書になっています。
道々お話ししながら公園の中を歩きました。お近くにお住まいのようで、公園を出たところの駐車場に車が止めてありました。固い握手を交わし、「お元気で!」。
車で出発するCown氏を見送り、私たちは再び山へ。
どこかで道標を見失ったか、それとも正しいコースだったのか、約2時間の彷徨を経てやっと最初の公園入り口に帰り着きました。間欠泉→レッドウッドフォレストのメンバーと合流、皆さんのバスに乗せて貰って無事ホテルに帰還となりました。
もう一つ密やかな関心がありました。当時は電柱の半分以上が木製(集成材が主)、ガードレールの柱はすべて木柱、羽の部分は鉄と木と半々、街中の交通区分帯に使っているのも集成材の円柱などだったのです。それがどうなっているだろう。
その結果ですが、ガードレールの柱は今でも多くが木製でしたが、当時半分はあった木製の羽は皆無、そしてずっと車窓から注意深く見ていましたが、あの独特の形状の集成材電柱は全くありませんでした。すべてコンクリート製に変わっていました。
次号予告
さかのぼって出発時の成田での大騒動。珍道中の始まりです。
(佐々木 幸久)
去る4月9日、銘建工業様のCLT新工場落成式に参加してきました。聞きしに勝る規模であり、同社中島社長のこの事業に掛ける熱い思いが伝わってきます。
CLTについては当社も小松幸平先生のご紹介によって、おかげさまで早い内にその存在を知ることが出来ました(2000年KLH社視察)。大型木造建築事業を始めてちょうど10年たった頃でした。魅力的な新材料・新構法として今後の事業展開に大いなる可能性を感じました。早速中古のプレスを手に入れて、試作や性能試験をしたりしましたが、規制の壁は厚く、私の器量ではこの魅力ある新素材を事業化することは出来ませんでした。規制でがんじがらめの我が国にあって、まさに中島浩一郎氏の突破力でこの新材料が陽の目を見ることになりました。
当日落成式にゲストで来ておられた政治家の方が挨拶の中で、「2番では駄目なんです、1番でなければ駄目なんです」と銘建さんへのエールを送りました。この発言は出席者から大いに受けていましたが、これはもちろんかつて民主党政権時に何とか言う女性議員が、スーパーコンピューター開発について「なぜ2番目では駄目なのか」と批判、当時話題になった妄言へのひねりです。
中島氏はもちろんこの事業の成功を確信していると思いますが、同時に業界の推進者、牽引車としてこれだけ話題になり各界の期待を担った以上、質量ともにヨーロッパ並みの、国内ではダントツの規模の工場を作らざるを得なかったものと思いました。
先ほどの議員さんの発言はご祝儀表現であって、スパコンのようなニーズや性能が割と明確な最先端技術とは違って、木材や建築のような裾野が広く、多種多様な用途や価値観がある産業では、もちろん二番手、三番手があり得ます。社会の隠れたニーズや価値観の中から、ニッチな用途を発掘して独自の事業コンセプトを練り上げる、まさに「人の行く、裏に道あり」。会場の多くの方々と言葉を交わしながら、そのようなことを考えていました。
パーティーは工場の一画で行われましたが、豪華なお弁当のほかに、中島氏の幼なじみの料理人さんが焼くお肉とか、特産の海産物、おそばなどの屋台がたちました。また地元の清酒、ワインなど銘酒がこれでもかというほどに並びました。真庭市という豊かな地方都市らしい、中島氏のお人柄にふさわしい誠に温かい雰囲気に溢れた良い宴席でした。あとは新幹線に乗り込むのみ、心ならずもかなりの量のお酒を頂戴した次第です。
(佐々木幸久)
3月3日(木)ひな祭り。
お雛様の微笑みを表したかのようなお天気に恵まれ、東京の新木場にある木材会館にて、約一年ぶりに『鋼構造オフィスビル床のCLT化』研究成果報告会を開催することができました。
これまでメルマガでも度々ご紹介してきましたが、今年度は、平成25,26年度林野庁委託事業において実施された研究成果を踏まえ、開発を進める中で新たに浮上した問題点を中心に検討・分析を行ってきました。
報告会には、ゼネコン、設計、研究者、メーカー等々、各方面から約150名もの皆様にご参加頂きました。
昨年度と同様、超高層ビルに木材を使用する研究会、全国木材組合連合会、日本CLT協会、日本木材加工技術協会、日本建築構造技術者協会にご後援いただくとともに、今回は新たに日本鋼構造協会にもご後援いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
【プログラム】 ※敬称略
・主催者挨拶 佐々木幸久(山佐木材(株)代表取締役社長)
・林野庁挨拶 小島孝文(林野庁林政部木材産業課長)
・事業報告① 「CLT床の2時間耐火性能の取得に向けて」
村田忠(山佐木材(株)取締役CLT部長)
・事業報告② 「成果報告の概要とポイント」
稲田達夫(超高層ビルに木材を使用する研究会会長・福岡大学工学部教授)
・事業報告③ 「構造的課題と小型炉による検討」
倉富洋(福岡大学工学部助教授)
・事業報告④ 「S造フレーム+CLT床 面内せん断性能」
田中圭(大分大学工学部助教授)
・関連事業紹介① 「2時間耐火性能評価試験概要と結果 上面(床)加熱試験」
佐川修((一財)建材試験センター中央試験所主幹)
・関連事業紹介② 「2時間耐火性能評価試験概要と結果 下面(床)加熱試験」
矢垰和彦((一財)建材試験センター西日本試験所主幹)
・関連事業紹介③ 「CLT施工性確認試験及び歩行振動試験概要紹介」
西胤謙吉(山佐木材(株)技術本部企画係長)
今回、稲田先生が総括でお話されていた大きく前に進んだ2点。
1つは『CLTパネル工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準に定める件等』のパブリックコメントが予定よりも早く出され、4月には施行予定であること。基準強度告示・設計法告示が揃い、一般的に設計ができるようになること。
もう1つは、昨年度から進めていたスギCLT床の2時間耐火性能について、性能評価を得る段階に到達したこと。
これらにより、オフィスビル床のCLT化は実施工可能なレベルに近づいており、第一号となる実際の案件は目前と考えています。この活動がさらに実りあるものに繋がっていけるように頑張って参ります。
みなさんもCLTに関して気になることがあれば是非!山佐木材まで!
営業部 小城
▽こちらから配布資料をダウンロードいただけます
初めてブログ担当します。12月に入社しました営業の小城(こじょう)です。どうぞよろしくお願いします。
2月3日(水)節分、社長と村田部長と西胤さんと私の4人で鹿児島市へ向かいました。
かごしま県民交流センター(県民ホール)で行われる『鹿児島県森林・林業振興大会』に参加するためです。この大会は森林の持つ多面的な機能を発揮させる役割を担っている林業、木材産業の振興と、県民参加の森林づくりを推進する大会です。
会場に到着し、受付を済ますと、その近くで林産物の展示・販売・パネル展示などもありました。(社長はおいしそうなタケノコを購入されていました)
はじめに、オープニングで賑やかなチンドン屋さんの演奏やパフォーマンスがあり、その後、大会会長である鹿児島県伊藤知事の挨拶や林野庁長官の祝辞等があり、式典が始まりました。
この大会は2部構成になっており、第1部では林業・木材産業において多大な功績を収められた方々への褒賞式と大会のスローガン採択がある式典、第2部では、特別講演や活動事例発表式が行われました。
今回、第2部の活動事例発表において、山佐木材も取り組みを発表いたしました。
当社の題材は、今注目の『CLT建築の普及に向けた取り組み』です。
これまでのCLTの実験やその結果や検証について。今後の山佐木材も含めた国内全体での取り組み方針、そしてCLTが持つ可能性をわかりやすく大きなプロジェクターを使って発表しました。(ちょっとプロジェクターの調子が悪く、村田部長も本調子ではなかったようですが…)
たくさんの大会参加者の方々から発表中に、
『東京オリンピックで使えるものじゃないのか?』
『次の木材の可能性はここにあるかもしれないな』 などのコソコソ話が聴こえてきました。
(私は写真係でいろいろな場所で撮影していたので。聴こえる度にニヤニヤしてしまいました)
その他にも講演や発表等があり、この大会に参加した人それぞれが、明日からの林業・木材産業に希望とその可能性を感じ、大会の趣旨である県民参加の森林づくりの推進に希望を持つことができたと思います。
私も県民の一人として帰りの車中で桜島に映える夕焼けを見ながら改めて感じました。
大会関係者のみなさま、そして、村田部長おつかれさまでした!
(小城)
平成27年11月20日金曜日 午前10時30分より、「株式会社さつまファインウッド かごしま材JAS製品流通加工センター」様の出荷式が行われ、弊社から社長と私が参加致しました。
参加者は、国・県・市の行政関係者、工場建設に携わった企業、原料を納材している木材関係者、そして今回よりツーバイフォー材を購入してくださる企業関係の皆様等々多くの人が出荷式に出席していました。
(さつまファインウッド様の工場については、メルマガ5月号にて紹介していますのでご参照ください)
本年4月はじめ、竣工式がおこなわれ、JAS取得作業、受入された原板の天乾作業等々の業務がスタ-トした後、8月には九州北部の会社へのツーバイフォー材トライアル納材開始とともに各社に国産材によるツーバイフォー材の性能・材質の評価をして頂き、かなりの好評価を頂いたとお聞きしておりました。
10月末現在では、鹿児島県内の原板納材業者(製材所)を中心に近隣に位置する熊本・宮崎数社を含め、10社の製材工場から原板が納材されています。広大な天乾場には2万数千m3の板が高く積み上げられて、人工乾燥を待っている様です。工場関係者からは年度内にはなんとか20社ほどの業者に納材してもらう体制を構築したいとお話を伺いました。
国産材によるツーバイフォー材加工工場として国内初の本格的工場稼働となる今回の出荷式は、国産材製材工場の業界からみると、既存の国産材需要先と異なる全く新たな市場が開けたことを意味し、その数量もなんとも膨大な可能性を秘めたものであることから暗い木材需要の見通しも一変するかもしれません。聞くところ、ツーバイフォー住宅メーカー1社で年間数十万m3の外材を輸入し使用していると言います。 もちろん、夢ばかりあるわけではありません。輸入材と競争して勝てる製品、品質と価格を実現しなければならないというかなり険しい高いハードルを越える必要があります。しかしながら、新たな木材需要量が全くのゼロよりは、ハードルが高くても需要がある道にチャレンジするチャンスをいただいたことの意味は凄いことだと思います。本当に凄いです。
そして、さつまファインウッド林社長様の描く林業・木材産業の姿にはロマンがあり、その情熱には敬服するばかりです。これから国産材のツーバイフォー材生産が軌道に乗ることを祈念するともとに、弊社もこの原板を納材する1社として頑張って生産していく所存であります。
(有馬)
ポ-トメッセなごやで開催された日本木工機械展に参加させて頂きました。
日本木工機械工業様の主催で11月11日~14日の4日間の日程、会場には100社を超える企業の皆様のブ-スが所狭しと並んでいました。
私は初めての参加でしたので規模の大きさに驚き、わくわくしながら見学を始めました。
まずはCLTを利用して展示棟を建てられた(株)太平製作所様のブ-スを見学。
床面積28.3m2高さ2.75mの展示棟は注目でした。CLTを勾配屋根に使われていたのが、新鮮でボリュ-ム感ありありで、機械加工の進歩がこれからのCLT事業にかかせないものだと痛感させられる建物でした。
CLT対応のフィンガ-ジョイント機械のデモも見学でき、スピ-ドの早さに圧倒されました、買えるものならすぐにでも・・・。
次にプレカット機械でお世話になっている沖機械(株)様のブ-ス見学、プロジェクタ-で最新のK2i・PBA 他CLT対応機械の映像が流されており、建設部の私としては早期に最新のK2iを購入できることを願うばかりでした。
他のブ-スもめったに見ることのできない機械や刃物などの数々で、日本の物づくりに対する技術力は想像を超えるものがあります、大変目の肥やしになりました。
お昼に食べたみそカツ丼も大変美味しゅうございました。
(建設部 片村)
10月30日(金)、鹿島建設様と住友林業様の主催で、CLT工法による宿泊施設ハウステンボス「変なホテル」第2期棟の構造見学会が開催されるとういことで、工務チームからK村次長とN島君と私が参加してきました。
ハウステンボスと言えば、何といってもこの時期は「光の王国」。イルミネーションが見られるのではと、ほんの少しだけ期待していたのですが、なんと…翌日から。しっかり気持ちを切り替えました。(見学会はお昼からでしたので、あったとしても見られなかったのですが。。)
異国感の漂うハウステンボス…を通り過ぎ、少し高台に目的地「変なホテル」がありました。
(鉄骨造の第1期棟は先に完成しており宿泊可能、今回は建設中の第2期棟の現場が公開されたもの)
予想以上に早くついてしまった私たちがウロウロしていると…目の前に大きなロボットが!
この「変なホテル」は、荷物預かり、受付、部屋の照明や朝のアラーム等、全てロボットが対応してくれます!そして!お部屋の鍵がいらない?そう…最新の顔認証でお部屋が開くそうです。なんとハイテクノロジー!
前置きが少し長くなりましたが、見学会が始まり、あれ?見慣れた顔が…。
S﨑常務、村T部長、N胤係長が日本CLT協会のスタッフとして見学会の案内役をされていました。ご苦労様です!
見学会の説明をしていきたいのですが、書きたい事がありすぎて長くなりそうなので、私の独断と直感で感じたものをピックアップしていきたいと思います。
まず、ドーンと目の前に2階建てのCLTの建物が!(ロボットを見つけた時点で見えてましたが、見えないふりを…)
山佐木材もCLTを製造していますが、建てられたCLTは初見でしたので、「おーっ!CLTが建ってる!」(そりゃ建つだろ。)こんな感じでした(笑)
CLTの建物が向かい合わせに建っており、延べ床面積は約2000m2、全部で72室。今年の8月に着工し、建方がほぼ終わった状態を見ることが出来ました。
このホテルは3つの「S」がテーマとなっているそうです。
適切な部屋面積、無駄のない家具と、お客様のニーズに応えるスマートなサービス。が1つのテーマ!
そしてCLTといえば高断熱!それに+断熱材+遮熱塗装鋼板があり、省エネに!
これが2つ目のテーマ!でもCLTの難点、防音は?されてました!2階床は180のCLTに40のモルタルを打設し、置床、吊天井、壁パネルの間には、ブチルゴムを張り遮音性能を確保していました。
そして、木材利用による環境共生ホテルと言うことで、熊本産材6割、長崎産材4割と地域産材を利用されてました。これが3つ目!
来年3月オープン予定だそうです。3つの「S」がどれもあてはまる素敵なホテルになりそうでした。
見学会では、銘建工業様よりCLTの製造について、鹿島建設様と住友林業様より設計施工について詳しい説明がありました。
この見学会で私が一番驚いたのが、アンカーボルト!
なんと6400mm/32本!平均200mmのピッチでアンカーボルトが入っていて、監督さんが苦労したとおっしゃっていて、驚愕し又、関心を覚えたお話でした。
2時間程の見学会でしたが、設計、施工等の様々な角度からのお話を聞かせていただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。長々と書いてしまいましたが、ご清覧ありがとうございました。
(工務 前原)
10月25日(日)、良いお天気の中、鹿屋の県民健康プラザ広場にて「おおすみ木材まつり」が開催され、山佐木材も出店しました。
はじまるやいなや、多くの方が興味をもってくださったのが杉の集成材で作った木のブロック。
K2オペレーターのK君が作ってくれました。コンクリートブロックのような見た目と手に取ったときのギャップ、「何かに使えそう」という自由さが大人のDIYゴコロをくすぐったようで、用意した数あっという間に売れてしまい、もう無いのか・・と残念がられてしまいました。(すみません、次回はもっと用意します)
その他にも、CLTで作ったテーブルや、インテリア脚立、鳥の巣箱、鍋敷き、コースター、ヒノキのチップなどの商品を販売いたしました。やっぱり木の香りは落ち着くね!と言っていただいたり、小さな子供が木のテーブルを触って気持ちよさそうにしていたりと、木に携わる我々にとって嬉しいことが多かったです。
さて、今回はひとつの試みがありました。
それを実現するために、会場に運び込まれたCLTのパネル4枚。
人手が足りず、森林組合の方にも助けてもらいながら・・・
これ、見たことありますよね。ボルダリングです。
10日前の木材まつり作戦会議の際、確かに「ボルダリングやろうかな」とつぶやいていたK松さん、密かに設計を進め、部品を購入していました。
設置に手間取り、完成したのは祭りが始まってから1時間以上経ったころ。
待ち構えていた子供たちが一斉に登りはじめます。子供は壁があれば登りたいんですね、、、登る登る、幅広い年齢層の子供が延べ50人以上は登ったでしょうか。
最初は登りきった子供たちにお菓子をあげていましたが、お菓子が尽きて我々の体力も尽きたため一旦中止。それでも「お菓子はいらないので登らせてください!」と真顔で訴えられてまた再開、という人気ぶりでした。
CLTでボルダリング、なかなか良い使い道なのではないでしょうか。(子供受けは実証済み)
ご来場いただきました皆様、どうもありがとうございました。
(M理)
10月21日に大分県木材協同組合連合会主催で同小倉市場にて「第3回九州材フェア」が行われ、CLT部のM田部長と参加してきました。この九州材フェアは平成25年10月に第1回目を開催し、今年で第3回目となるイベントです。
主催している大分県木材協同組合連合会は、大分市内の他にも中津市と福岡県の小倉にも製品市場を有しており、大分県産の製品はもとより、九州各県の製品を九州や中国、関西、関東に販売しています。
私が知っている限りではどの県の県木連よりも生産性があり、活発だと感じ、私のひそかな大分県の自慢でもあります。(他がそうでないと言ってるわけではないです!鹿児島県の県木連さんも様々な展示会等に参加されたり、研修会を行ったりと非常に活動的です!)
当日は九州各県の製材所から約4,000(m3)の製品が集荷され、セリ等で各地に販売されていました。
一般流通材は1年のうちに1,2回毎年のように、住宅の着工数と丸太の搬出具合によって相場が乱高下してしまいます。このようなことを防ぐためにも、市場という所は大量の集荷(ストック機能)と人が集まることでの情報交換により、安定した相場を作る役目を担ってるのだと改めて感じました。
また、「九州材フェア式典」の中で宮崎県の井上林産さんと山佐木材の2社に情報提供の場をいただきました。
ウィング車の荷台の舞台から山佐木材のCLTへの取組について、早口にのせて随所に「えーっと」と「まぁ」を散りばめながら説明させていただきました。(どんなに気を付けてもなかなかこの癖は治らない…)
国の後押しや報道の力もあってCLTに対する認知度や関心が高まっているのを感じますが、それに比例して実際の物件数が伸びているのかというとそうでもないように感じます。法整備のスケジュール等もありますが、今後はいかにすればCLTを使うことができ、どのようなメリットを発揮するのかを発信していく必要があると感じます。
(西胤)
10月2日(金)、三井住商建材(株)様の主催で、菱刈小学校新校舎の上棟式と現場見学会が行われ、当社からは建設部の片村次長と津曲さんが参加しました。
上棟式には菱刈小学校の生徒さんや先生方が全員参加し、木についてのお話を聞いたり、餅まきでお餅やお菓子を拾ったりして、大変盛り上がりました。
5~6年生は、現在建設中の現場見学会にも参加しました。
これまで見たことの無い大きな木造躯体に、子供たちは興味津々です。
実は新校舎の梁に「将来の夢」を書き込んでもらっていました。
自分たちが書いた夢を見つけて歓声があがります。
「大工になりたい」と書いているものもあります。見えなくなってしまう部分ですが、微笑ましいですね。
新校舎は伊佐市産の杉を使用し、当社で集成材の製造・加工を行い、現在森山さんが建て方中です。
来年の4月からは完成した新校舎で学校生活をおくることになります。私たちも楽しみです。
平成27年9月26、27日にマリンメッセ福岡で開催された「住まいの耐震博覧会」に出展、CLTを展示してきました。
住まいの耐震博覧会は、「木造住宅の耐震化」を推進するための提案と情報発信を行う国内最大級のイベントであり、地震国日本の住まいの安全を出来得る限り高めること、そしてその安全性を維持することをメインテーマに行われています。
昨年より、日本CLT協会の展示ブースを任されており、今回はCLT部の村田部長、西牧リーダー、私の3名でCLTパネルによる展示ブース設営にチャレンジしました。ユニック車のクレーンで吊りながらの設営でしたが、大きなトラブルも無く、無事に設営・撤収できました。
CLTを見たことがない方々にも、実物のCLTで空間を作り見ていただくことでイメージが掴みやすかったと思います。
2日間で来場者数約1万人、今注目のCLTということもあり、設計会社や工務店さん、様々な方々とCLTに関してお話する機会がありました。
その中で、「住宅をCLTで建設するとコストが上がるのでは?」という質問がとても多かったです。確かに住宅をCLTで建設すると材料費(おそらく建設費も)は上がります。
木造住宅の建設費は在来工法が最も安いと思います。その理由として、一般流通材の使用比率が高いことや歴史が長く関連業者が多いため、プレカットや施工は合理化が図られ、コストは最小限に抑えられているからです。
一方、CLTの場合はまず在来工法の2倍以上の木材を使用することになります。その為、必然的に材料費は上がります。その為、CLTを住宅に使用するならばCLT工法としてではなく、床や耐力壁として使用することでCLTのメリットが出てくるのだと思います。
日本では、住宅を建設する際は材料費を非常に気にする風潮があります。確かに安いということは魅力的です。しかし、安い高いにはそれなりの理由があると思います。CLTを住宅の2階床に使用し、遮音・歩行振動に関して高水準の住宅を建てられたり、CLTを耐力壁に使用することで、大きな開口部を設けることができ、より魅力的な住宅になります。
大抵の人にとって人生で最も大きな買い物である住宅をコストやデザイン性だけで考えるのではなく、もっと施主に多くの選択肢を与えて、性能面で優れた住宅を建設することで、日本の住宅産業が少しづつ良い方向に変わっていくきっかけになるのではないかと感じました。
興味を持って立ち寄っていただいた方々、主催されたナイス(株)のスタッフの皆様、各ブースで展示紹介されたメーカー様やご担当の方々、本当にありがとうございました。
(西胤)
平成27年7月24日、長崎県諫早市の県央木材協同組合様の新工場落成式ならびに展示即売会が行われ、榎原専務と私が参加いたしました。
新工場の落成式は、午前10時より、関係各位多数ご列席のもと盛大に執り行われました。
野副代表理事の式辞の後、諫早市長様を初め3名の来賓の方々が祝辞を述べられました。新工場ではテープカットが行われ、導入された新型機械が運転を開始して本格的に稼働しました。
午前11時からは落成記念行事として、木材展示即売会が26日迄の日程で始まりました。
3日間毎日5組に長崎県産ひのき柱80本が当たる抽選や餅まき大会もあり、多くの方が来場されており、毎日盛況でした。
弊社もCLTやSAMURAI集成材等の新技術への取り組みなどを展示させていただきました。特にCLTについては、興味や関心が高く、多くの方々に説明を求められました。
長崎県の主な木材である桧の活用が今後の課題との意見等もありました。
最後に、県央木材協同組合様とは良きパートナーとして、今後更なる事業展開、研究開発等でお付き合い頂きますようお願い申し上げる次第です。
県央木材協同組合様の益々のご発展を祈念しております。
(熊本営業所・吉松)
平成27年7月1日から7月4日にかけて、佐々木社長に同行して高知県と愛媛県に行って参りました。
高知県では平成27年4月に開校した「高知県立林業学校」の短期課程の講師として、佐々木社長が「儲かる林業経営への道」と題して講演されました。
この「高知県立林業学校」は林業、木材産業等への就業者を確保し、及び育成し、並びに森林及び林業に関する知識及び技術を習得する優れた人材を育成することを目的に開校したそうで、林業の業界にとってとても素晴らしい取組だと感じました。
また、高知県は平成11年から4年間に渡り、毎年1名ずつの職員を山佐木材に研修生として派遣してきた実績があります。現在大分県から派遣研修中の自分から見れば先輩に当たるわけで、今回その方々にお会いすることができ、とても刺激になりました。
愛媛県では、「愛媛県CLT普及協議会第1回役員会」に参加致しました。ここでは、「CLT等を用いた木材用途開発」と題して、佐々木社長が講演されました。
高知県・愛媛県ともに木材の需要開拓には注力しており、近年特にCLTに関しては、県をあげて推進している県だと思います。この2県と様々な情報交換し、訪問できたことはとても有意義でした。
ご対応いただいた皆様、本当にありがとうございました。
(西胤)
平成27年6月23日から26日にかけて、森林技術総合研修所にて行われた「公共建築物等木材利用促進(意匠設計)研修」に参加しました。
この研修は林野庁主催で、公共建築物等の木材利用促進を図るため、中大規模木造建築物の設計に当たっての制度、木材や木質建材の特性等についての知識及び技術を習得し、意匠設計に活かしていくことを目的に行われています。
私の場合は意匠設計をすることはないのですが、木造に関わる建築基準法の概要や木造建築の防耐火設計、施工等について学び、今後のCLTや公共建築物の木造化に向けた取り組みに活かしていくことを目的に参加いたしました。
研修の内容は細かい意匠の話題になると理解できない所もありましたが、大半を占める木造建築に関する内容はある程度理解でき、とても勉強になりました。日ごろ、山佐木材にて、設計の方々との打ち合わせに参加させていただく中で出てくる内容を改めて学び、整理する良い機会でした。
上の写真は現地見学で見学させていただいた「明治大学 黒川農場」です。
構造はRC造と木造で、湾曲集成材やスギLVLが使用されていました。木造だけではないため、すっきりとした印象を受けました。
ちなみに、この研修の参加者は全国から25名いましたが、そのほとんどが建築・設計の方々で、林業系は私だけでした。通常の業務では、知り合うことがない方々と一緒に研修ができたことは非常に有意義でした。
また、講義の1コマで「木造建築物の施工」と題して日本CLT協会技術部長として塩崎常務からの講義もありました。日ごろの山佐木材での業務に加え、ここでもご指導いただき大変勉強になりました。
(西胤)
平成27年6月9日に大分県CLT等利用促進協議会の総会に出席しました。
この協議会は、平成27年3月にCLTの製造・利用及び原材料供給体制などの研究、また設計・建設業者を中心に、実際にCLT等の建築物を施工できる人材育成等を目的に設立されました。
設立当初は建築・建設、林業・木材関連団体及び研究機関、行政など、会員数は45団体だったのが、現在は74団体まで増えているようです。
ちなみにこの協議会と山佐木材の関係ですが、協議会副会長に日本CLT協会理事として佐々木社長、幹事に村田部長になっていただいています。
(今回は二人とも都合が合わず、私が代理として急遽出席することになりました)
今回の総会では、平成27年度事業計画等(4回程度の研修会やCLT製造工場の視察)の説明があり、無事に承認されていました。
総会の中で「山佐木材の取り組み状況について」という題目で、約20分ほど時間をいただきましたので、私から国内におけるCLTの現状や山佐木材のCLT製造に関して説明いたしました。
説明後に特に質問や意見が出なかったため、協議会会員の方々が求められていることをお話できたか、少し不安はありますが、今後もこのような機会をいただければ、しっかり話ができるように日々、精進していこうと改めて感じました。
(西胤)
平成27年6月8日、都道府県会館で一般社団法人日本CLT協会の「平成27年度 定時社員総会」が開催され出席いたしました。
報告事項の他、平成27年度事業計画及び収支予算について説明がなされ、決議事項は原案通り承認されました。
総会では、林野庁・今井敏 長官、国土交通省・海堀安喜 大臣官房審議官
懇親会では、和泉洋人 内閣総理大臣補佐官、小泉進次郎内閣府大臣政務官、
岡山県真庭市太田昇 市長のご挨拶がありました。
詳しい内容は(一社)日本CLT協会ホームページをご覧ください。
(塩﨑)
懇親会の閉会にあたり、佐々木社長が協会を代表して挨拶されました。
その内容は次の通りです。
CLTはヨーロッパでスタートし、約20年遅れで我が国でもスタートすることになりました。
当CLT協会には会員数223名、林業、木材、建築に関するあらゆる分野からご参集戴いております。昨年度は総会で報告があったように、国から9件の補助、委託事業、協会独自で12のWGにおいて、各課題について精力的に検討が進められました。今年度もそれはさらに強力に進められていくと思います。
埋めがたい20年の遅れをひょっとすると相当に縮める事が出来るかもしれないと期待されます。
一方でヨーロッパと比べて我が国に一つの懸念がございます。それは運送事情です。橋梁の専門家に聞いたことですが、世界の先進国中、橋の設計で戦車が通る設計をしないのは唯一日本だけだと言うのです。国防については語る資格がありませんが、他の国では主要道を普通に走行出来る、総重量60トンの重量トレーラーが、我が国では一般的には走行出来ません。これは陸上輸送費のコスト高を招き、そしてCLT最大のメリットであり、ヨーロッパでは当たり前の大型判(例3.5m×18m)を運べない、作れないという現実です。
新幹線で狭軌から広軌に転換、鉄道が蘇ったように、道路でもそのような転換が起こることを願うものですが、現状は異なります。
欧米とは異なる日本型のCLT生産、活用方法を工夫し、我が国のCLT関連産業が大きく進展することを願うものです。
お客様に「CLTのメリットは何か」と聞かれることが良くあります。私どもメーカーがそれらの疑問にすべて応えられれば、CLTの利益は私どもメーカーが独占することになります。私どもは単なるメーカーであり、ご注文に応じて生産するのみです。ここにご参集の様々な業態の会員の皆様方が、それぞれに自社の「儲かり戦略」を構築して戴き、是非ともこの新しい材料を利用して、自らの事業として儲かって戴きますよう心から願うものでございます。
(佐々木 幸久)
平成27年4月24日(金)10時から、「株式会社さつまファインウッド かごしま材JAS製品流通加工センター」の竣工式が行われ、山佐木材からは佐々木社長、榎原専務、小森リーダー、山田さんと私が参加しました。
さつまファインウッドと山佐木材の関係は原板供給、事務所や加工棟等の建屋の建設、また株主でもあるなど、非常に深いものがあります。
工場の印象としては、綺麗で広く動きやすいです!
完成したばかりなので、綺麗なのは当然なのですが、44,338㎡の広々とした敷地があり、大量の原板の天然乾燥も十分に行え、製品の安定供給は問題なく行うことができると感じました。また、工場内の動線は分かりやすくシンプルで無駄がなく、いかにして生産コストを抑えて品質の良い製品を生産するかが考えられていました。
現在、国内で建設されるツーバイフォー住宅に使用される部材のほとんどは、海外からの輸入材をしているのが現状です。さつまファインウッドには、新たな分野での国産材の利用拡大に大いに期待できると感じました。
(派遣研修中 西胤)
4月19日(日)、アクロス福岡にて福岡大学建築展2015シンポジウム「夢の理由~大規模木造の時代~」が行われました。
コーディネーターは福岡大学工学部教授の稲田先生、基調講演はアルセッド建築研究所代表の三井所先生と鹿児島大学教授の塩屋先生。稲田先生からも是非と言われておりましたので、楽しみに参加させていただきました。
三井所先生は、伝統構法の価値や、地元の材料・地元の技術を使う大事さ、金物が見えない構法が与える安心感について触れ、我が国は素足文化であり、そこから金物や石への違和感。純木造に親和感が生まれると講演されました。
塩屋先生は、自身の開発されたSAMURAI構法について講演され、ドイツでも同時期に同じ研究がスタートしているが、実際に建物として実現しているのは世界で初めてであることを紹介されました。
稲田先生は「わずか6年でここまでの完成度の高いシステムに持ってこられたことに驚嘆する。塩屋先生は、実に緻密でエネルギッシュ」と評しておられました。
シンポジウムでは、建築の六次産業化の提言(福大宮崎助教)のうち、「一次のみが不振」に対し、私から一次産業活性化=儲かる林業の指針について提言いたしました。
(代表取締役 佐々木 幸久)
去る12月22日(月)、岡山県真庭市において開催された「CLT住宅構造見学会」に参加してきました。私は大学生時代にも高知おおとよ製材株式会社様の社員寮の見学会に参加しましたので、今回で2回目のCLT住宅の見学です。
22日の早朝、榎原専務と一緒に会社を出発し、鹿児島中央駅より新幹線に乗って約3時間で岡山駅に到着。そこからはレンタカーで移動しました。街の中心で運転を任されたので、田舎育ちの私の手は緊張で大量の汗をかいておりました・・・。
14時前には集合場所である勝山文化センターに無事到着し、まず設計者・施工者からの説明を受けました。その際、建方報告をされていたのが、銘建工業株式会社の車田様でした。車田様は、私の出身大学の研究室の大先輩です。大先輩のご活躍を、社会人としての立場で拝見することができ、非常に感動致しました。私もより一層努力し、このような舞台で活躍できるような人間になりたいと改めて思いました。
説明の中で特に印象に残っているのは、建方のスピードが非常に速くなったという点でした。CLTパネル約110m3を使用した建物が、丸1日で建方完了したとのこと。これはCLTを用いた建物の大きな魅力の1つであると思います。ただ、建方前に行う地組みに時間がかかるということで、まだまだ課題はたくさん残っているようです。
説明が終わり、準備して頂いたバスに乗ってCLT勝山共同住宅の現場へと向かいました。バスから降り、ヘルメットと安全帯、軍手を装着し、建物を見上げると・・・1年振りの衝撃でした。一言で表すと、どーーーん!!!です。
やはり迫力がすごいです、CLT。
RC造並みの圧力を感じました。(私の勝手な感覚です)
建物内部の見学もさせて頂きました。
大きな金物と、引きボルトが目に付きます。
建方報告で紹介されておりました、建方速度の上昇につながったという、まぐさ受け材。
今回の見学会では、やはりCLTの優れた施工性を再確認することができました。
現在は、法20条第一号(時刻歴応答解析ルート)の設計ルートにより建てられていますが、今後、CLTの設計法が確立されれば、もっと色々な接合方法や金物の使用方法も見えてくるかと思います。
また、真庭市は木材の町であることを前面に押し出し、こうした事業支援を積極的に行われている印象を受けました。こういった体制は非常に重要であると感じました。
多くの課題はありますが、魅力の詰まった、将来性溢れるCLTの普及に、これからも目が離せません。
今回の見学会でお世話になりました、関係者の皆様には、厚く御礼申し上げます。
(建設部 中島)
尊敬する中島社長とは昔初めて会って以来、思えば永いお付き合いになりました。中島さんは眼光炯々体躯も大きく、胆力に富み豪放果断、天衣無縫で時に乱暴とも思える痛快な語り口の快男児ですが、一方において実に繊細で愛情深く、まじめで配慮に富んでいます。
そもそもは岐阜県立工業高校土木科を卒業、家業の建設業を引き継ぎました。高度成長期であったことと氏の優れた経営手腕が相まって、一時期土木だけで施工高が百億円を超えたことがあるとのことで、あの僻陬の地に本社をおきながらと驚きを覚えます。
土木事業に付随して必要な関連事業へも熱心に取り組みました。生コン、間知ブロックの生産、重機の整備工場、鉄骨工場など早い時期から整備し、それぞれが副業の域を脱し、地域業界でもトップレベルの水準にあります。
本拠地が交通不便で遠くから調達していたのでは間に合わないこと、事業の季節性、繁閑時期を調整するため、そして更に地域雇用の場を創造するなどの事情からと思います。同じような地域事情にある当社でも、彼ほどの徹底性は欠きますが、志向してきたところです。
中島工務店で住宅事業を手がけたのは自ら進んでのことではなく、何代か前の加子母の村長さんからの強い要請によるものでした。村で生産される「木曽五木」(※注)の銘木は今は木材としてそのままで売れているが、いずれ時代の変化でそれには限界が来る、都会で村の銘木を多用する家を建てて、末永く村の産業を振興するようにと諭されたそうです。
※注 木曽五木 ヒノキ、アスナロ、サワラ、コウヤマキ、ネズコ
村長さんの情理を尽くしたお話に、中島さん生来の義侠心、郷土愛が目覚めて一肌脱ぐ決意をしたのでしょう。今では更に寺社仏閣事業まで広がり、何と現時点で40件の現場が動いているとのこと、住宅事業と併せて同社の重要な事業の柱になっています。
時代の趨勢を見通し、新しい産業モデルをもって中島さんに村の発展を託した村長さんの慧眼と人物に感慨を覚えます。
「雇用の場を維持する」という中島さんの意志は徹底していて、永らくの建設不況から事業不振もしくは後継者難などから、維持が困難になった会社をいくつも引き受け、鉄骨工場、砕石工場、川砂採取船、建設会社などが新しく傘下に加わっていました。スーパーマーケットさえ、閉鎖になっては村の人々が困るし、雇用の場を守るということから引き受けています。
いずれの職場でも、従業員の方々は中島さんの意気に感じて、まさに自分のこととして頑張っているように見受けました。
中島工務店と加子母の末永い発展を心から祈念するものです。
(「加子母をたずねて」完)
代表取締役 佐々木幸久
今回の視察で、中島社長が宿泊先に選んでくれたのは、加子母・付知峡の「渡合温泉」、別名「ランプの宿」です。
事前に送って下さった宿案内には『電気も無く、携帯も通じず、連絡手段は衛星電話、カーナビ設定しても辿り着きません』と書いてありました・・
途中から林道に入った私達のマイクロバスは、地元の人でなければ行けないような細くて暗くて曲がりくねった道を進みます。道には何箇所も「落石注意」の看板があり、実際2箇所ほど通行止めになっていて、一同「落石か?」と思ったものの声には出せず、「迂回路」の案内に従って進みました。
あたりは真っ暗、途中で携帯電話も圏外になり、さらに不安になった頃、肝付町のTさんが車に酔ったと言い始め、「それならここで車を降りて歩いて行ってはどうか」「いや、もう大丈夫です!(←嘘)」などと言いながら、無事に宿に到着しました。運転してくださった武田さん、どうもありがとうございました。
今夜はこちらの宿で夕食会です。以前鹿児島に視察に来て下さった協同組合東濃ひのきの家、マルワイ製材の方々ともここで再会できました。
中島社長が「帝国ホテルよりも美味しい」と絶賛していたこちらのお料理。びっくりするほど品数が多く、どれも本当に美味しかったです。ここでこれだけの料理を作るのに、どれだけの手間がかかるのか、、
宿の電気は自家発電のみでした。その電気も夜10時には消灯ということで、そのあとはランプのみになります。
ランプを使ったことの無い人のために、火の着け方教室も。
翌朝、今度は射的大会が始まっておりました。
思わぬ才能を見せる枕崎のMさん。
到着するまでは、どうなることかとハラハラしましたが、いざ宿に入ってみると、ご夫婦の心をつくしたおもてなしに、本当に頭が下がりました。各部屋のコタツに豆炭を入れ、温泉は冷泉から薪で沸かし、私達を退屈させないようにゲームを準備し、ランプを手入れしたりしつつ、これだけの料理を準備するとは、、
色々と不便なところもあるでしょうが、ぜひ続けていただきたいと思います。
(2015年も)つづく
中島工務店様には社寺建築部門があります。
今回見学させていただいたのは、岐阜県多治見市の「虎渓山永保寺」という臨済宗のお寺。数年前に火災で焼失してしまった本堂と庫裡を再建されたそうです。
堂々たる建物です!すごい!
この日は「大接心」ということで、昼夜を問わず座禅修行中とのこと。
残念ながら建物の中には入れませんでした。
永保寺は、京都の西芳寺(苔寺)や天龍寺の設計で有名な夢窓疎石の作庭だそうです。計算された美しい作りです。
永保寺には国宝が2つ。「開山堂」と「観音堂」です。
ずっと案内してくださった土屋さん。
某有名大学の建築学科出身とのこと。建物に造詣が深く、お話も面白いです。
国宝・開山堂は建築的にも素晴らしいとおっしゃっていました。
実は、この視察中、ずっと天気が悪かったのですが、この日の昼間だけはとても良い天気で、暑いくらいでした。
写真は、永保寺門前の茶店でかき氷を手にニコニコの中島社長(甘いもの禁止中)
さて、この日は、電気は通っていない、携帯は圏外、冬は道路が通行止めになるので営業できない、という「渡合温泉旅館」に宿泊です。
「本当に泊まれるかドキドキする宿」として全国ネットのテレビで紹介されたほど。
一行の運命やいかに!?続きは次回お届けします。(引っ張ってすみません・・)
前回ブログでも少し触れましたが、中島工務店様は加子母で生産される質の良い桧を「東濃ひのき」として県内外へ出張して建築するという産直住宅で有名です。
30年ほど前、加子母村の当時の村長さんが「村の木を使って都会に家を建てよう」と言ったことから始まったそうです。
愛知県長久手市に建設中の住宅を見せていただきました。
完成したお宅も見せていただきました。
岐阜県可児市のS様邸。素敵な外観です。車もかわいい。
家の中もひとつひとつに若いご夫婦のこだわりが感じられました。
現在も「加子母の木をふんだんに使って優れた家をつくる」という理念は守られながら、このような若いご夫婦がファンになるようなデザイン性も兼ね備えた家づくりが続けられています。
中島工務店の曽我さんが、自分の家のように「この家いいでしょ!!」という感じで案内してくださったのがとても印象的でした。
3年前に建てられたという可児市のモデルハウス「Little Kashimo」へ。
こちらは中島工務店の滝花さんが案内してくださいました。
昼食は、中島社長いわく「日本で2番目に美味しいうどん」という多治見市の「す奈は」さんに連れて行っていただきました。
こちらが「天ころ」
冷たくない(温かくもない)ぶっかけうどんみたいな。
麺がモチモチで、甘めのタレに卵黄と大量のワサビ、かなり美味しかったです。思い出しただけでまた食べたい・・
なぜ日本で2番目かというと「1番目はこれから見つけるから」だそうです。
腹ごしらえのあと、中島工務店様の社寺建築部門の仕事を見学に「虎渓山永保寺」へ行きました。続きはまた次回ご紹介します。